【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#169】「元祖ビストロ ひつじや 神保町店」

羊料理がまだ一般的ではなかった30年以上前に、羊のおいしさを日本にも広めることを目指して代々木でスタートした「元祖Bistroひつじや」。現在は本店を四ツ谷に構えて再スタートしたのは過去の記事でもお知らせした通りです。

そのひつじやが、2店舗目となる「元祖ビストロ ひつじや 神保町店」を西神田の地で2024年4月18日にオープンさせました。

2024年4月18日にオープンした「元祖ビストロ ひつじや 神保町店」

場所は以前もインド料理店が入っていた場所の居抜きということや、カレー激戦区神保町エリアに位置することもあり、お店の方曰く「カレーメニューにも力を入れていきたい」とのことで、カレー好きとしては期待が高まります。

ディナーのビストロメニューはもちろん、ランチメニューも充実している

ランチはカレー系のセットメニューも充実。夜はひつじやらしいビストロの雰囲気。まずはひつじや定番の「マトンアサド」980円と「ブリック」780円から。

「マトンアサド」

マトンアサドは西インドの要素もミックスしたひつじやオリジナルアレンジの料理で、看板メニューのひとつ。僕自身ひつじやに来たら絶対に頼むお気に入りです。

マトンカレーの風味を含んだトマトとじゃがいもが絶品の一皿

グリルしたじゃがいもとトマトの上に存在感あるマトンカレーがのったもの。程よくスパイシーであり、羊のうまみもカレーの香りもすべて受け止めたトマトとじゃがいもが実においしい。お酒のおつまみとしてもご飯のおかずとしても機能します。

「ブリック」

ブリックはチュニジアのぎょうざとも表記されていますが、現地ではツナなどが使われることが多いのをひつじやならではのアレンジを施したもの。

皮の中から卵とチーズをまとったひき肉がとろり

羊のひき肉、卵、チーズを薄い小麦粉の皮で包んで揚げた料理で、パリッとした皮の中からひき肉と卵の織りなすジュワッとした食感、さらにチーズと卵が織りなすトロッとした食感も加わってたまりません。どちらの食感にも与する卵がポイントです。

「カリフラワーサブジ」

野菜もほしいという方には「カリフラワーサブジ」720円がおすすめ。ブジヤとも呼ばれるインド料理で、シンプルなスパイス炒めなのですが、カリフラワーとスパイスの相性は抜群なので満足度の高い一品となっています。

「ひつじの胃袋カレー炒め」

さらに「ひつじの胃袋カレー炒め」780円も。ホルモンで言えばミノにあたる部分の独特な食感を楽しめる料理。トマトベースのカレーで、噛めば噛むほどに羊とトマトのうまみが口内に広がっていきます。

夜はお酒メニューが総じて安いのもうれしいポイント。沢山飲んで食べてもリーズナブルに感じます。神保町エリアは、昼のカレーは選択肢が多すぎて困るほどですが、夜にお酒を飲みながらカレーを楽しめるお店となるとその選択肢も激減します。そんな中でビストロスタイルであることもあり、スパイス料理、羊料理、お酒がすべて充実しているお店ができたのは喜ばしいこと。

他にもひつじやを名乗るお店は少なからずあるのですが、店名に元祖がつく正統の流れを汲むお店は2024年5月現在、ここと本店の四谷のみ。オールドひつじやファンの皆様、お間違えなきよう。

本店は既に予約しないと入れないこともある人気となっているので、まだまだ穴場な神保町店も要チェックです。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部