【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#176】「一体感」

築地の場外市場エリアでスタートし、ご飯自体のおいしさを追求したカレーが一部マニアの間で話題となった「一体感」が2024年6月14日、東銀座駅近く、歌舞伎座の裏手に移転オープンしました。

歌舞伎座の裏手に移転した「一体感」

朝8時にオープンし、15時まで(14時半ラストオーダー)の営業。10時頃行ってみると既にかなりの客入りで人気のほどがうかがえました。

カレーのメニューは基本的に「和牛ビーフカレー」1,650円のみですが、ご飯の種類をどれにするか、辛さをどうするか、トッピングをつけるか、カスタマイズを楽しめます。また、辛いのが苦手な方にはハヤシライスもあります。

「和牛ビーフカレー」に「エビフライ」をトッピング

今回は、ご飯は一体感ブレンド、辛さはデフォルトの辛口、トッピングにエビフライ1本(250円)をつけて注文。

土鍋の蓋を開けるとツヤツヤの白米がお目見え

注文が入ってから1食分ずつ土鍋でご飯を炊くので時間がかかります。今回は20分ほどかかりましたが、待つ甲斐のあるおいしさ。土鍋の蓋をあけると湯気の立つご飯。まずはご飯だけ食べてみてください。お米自体のおいしさを存分に味わうことができます。一体感ブレンドは山形県産の「つや姫」と「雪若丸」のブレンド。粒立ちが良く程よい噛みごたえで、ご飯だけでも十分おいしく感じるもの。

ご飯とグレイビーを盛ればカレーライスの完成

カレーは辛口ですがフルーティなテイスト。煮込まれた和牛のうまみとスパイスの香りが調和したグレイビーでレベルの高い欧風カレーです。

カレーは欧風
米とカレーがうまさを引き立て合う

それぞれ単体でおいしいのですが、ご飯にこのカレーをかけると両方がさらにおいしく感じます。副菜も程よい酸味と食感の違いがあり、すべてを一緒に食べるとまさに店名のごとく「一体感」を味わえるという構成。見事です。

エビフライもピンとまっすぐにカラッと揚がっていて、カレーの満足度をさらに高めてくれるトッピングとなっていました。

カラッと揚がったエビフライは欧風カレーとの相性抜群

シェフは元パティシエなのですが、カレーを食べ歩き、とことん研究してこのカレーを作り上げたのだそうです。シェフに移転の理由を聞くと「築地のお店は席数が少なくテラス席がメインだったので、もっとゆっくりお客様にカレーを召し上がっていただきたいという思いから移転を決断しました。歌舞伎座裏はランチの有名店も多く、雰囲気が以前からとても大好きで、移転するなら絶対このエリアで!と探していました」と語ってくれました。

移転後はテーブル席がメインになり、よりゆっくりとカレーを味わえる環境にアップグレード

築地時代もおいしいと感じていましたが、東銀座に来てさらにおいしくなったように思います。また、場所柄もあって外国人観光客も多いのですが、海外の方へ日本のご飯とカレーのおいしさを知ってもらうのにとても良いお店なので、この場所の移転は大正解だと思います。

これを食べると「今日も一日頑張るぞ」という気持ちになれますから、少し贅沢な朝カレーにもおすすめのお店です。

先述したように時間がかかりますので、急ぎのランチには避けた方が良いかもしれません。ゆっくりした時間の中で堪能したい、日本人のDNAに訴えかけてくるような美味カレーライスです。

※価格はすべて税込

撮影:カレーおじさん

文:カレーおじさん、食べログマガジン編集部