【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレー#87】「堕天使かっきー」
個性的なカレーが集まる大阪においても、飛び抜けた個性を持ったオンリーワンのカレーを出し、マニアやプロのシェフ達からも「とんでもないカレーだ!」と絶賛される「堕天使かっきー」。普段は阿倍野の青空食堂という立ち飲み屋で週に2回程不定期の間借り営業をしているのですが、連日行列のできる大人気店となっています。
だしの旨味がベースとなったスパイスカレーと、日替わりの炊き込みご飯やフルーツを使った副菜を合わせるスタイルは唯一無二。例えばある日のカレーは「鰹と占地(シメジ)のパクチークリームチーズカレーと味噌香る牛カルビの炊き込みご飯」。情報量が多すぎて混乱しますね(笑)。
そして食べてみるとさらに混乱するんです。今までに食べたことがないような料理であり、「これは何だ?……カレーなのか?……多分カレーだ。よくわからないけど、とにかくおいしい!」というように、おいしいと感じるまでに少しタイムラグがあるのですが、おいしいと気づいたら夢中で食べてしまい、一瞬で平らげてしまうのです。
また、ある日のカレーは「ブルースリーカレー」。何がブルースリーなのかというと、青魚を3種使ったからブルースリーという(笑)。ダジャレなのですが、これがシャレにならないおいしさ。
堕天使かっきーのカレーは説明するのが本当に難しいのと、説明が意味をなさないくらいに食べないとわからないカレーであり、食べれば確実においしくてカレーという料理の可能性の無限さを感じさせてくれます。
そんな堕天使かっきー、大阪のみならず日本各地のイベントにも出店しているので、大阪以外でも食べる機会が結構あるのです。11月10日に東京・馬喰横山「CITAN」で開催された「THE CURRY UNIVERSE」というカレーイベントでも、かっきーのカレーを食べるチャンスがありました。
この日のカレーは「豚コラーゲンスープの豚もつカレー ~スパイスコーレーグースと共に~と、カツオとヒジキのジューシーと、果物のココナッツスパイスタルタル」といういつも以上の情報量の多さ。コンセプトは、大阪人が東京で沖縄リスペクトのカレーを作るというものだそうですが、それも既に情報量が多いです。しかし、ここは「考えるな、感じるんだ!」とばかりに何も考えずに食べてみましょう。
豚の旨味がしっかりとスパイスで引き出されたシャバっとしたカレーに、カツオとヒジキが具になった沖縄流の炊き込みご飯である「ジューシー」にも豚の脂の旨味が隠し味に使われており、カレーのおいしさとご飯のおいしさを見事につないでいます。
ココナッツスパイスタルタルはマヨネーズは使わず、バナナとキウイ、ココナッツミルクでタルタル風にしたもの。これがまた不思議とこのカレーやご飯に合います。何が何だかわからないけど、とにかくおいしい! おもしろくておいしい! 会場に集まったお客さんも皆さん同様のリアクションでした。
店主のかっきーはカレー料理人でありミュージシャンでもあります。各地で様々なおいしいものを食べ歩き、各地の腕利き料理人とのネットワークも持っている方。各地で刺激を受け、勉強しているからこその発想であり、それを形にできる天才料理人だと思います。
不定期営業かつ、イベント出店も多いので場所も様々なのですが、SNSなどで情報をチェックし、カレー好きなら一度は食べに行って欲しい超個性派の名店です。
※価格はすべて税込