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2025年の外食業界は2024年の流れを引き継ぎ、円安、物価高による影響とSNS動画が目立ちました。特に米価格の高騰に苦労したお店は多く、「ご飯のお代わり無料」という文字をあまり見なくなりました。また、グルメ系のSNSアカウントは増え続けており、飲食店の集客に大きな影響を持つようになっています。昨年から開始した食べログのInstagramアカウント(@tabelog)も既に12万フォロワーを超えています。
さて、毎年恒例のトレンドグルメ企画。2025年、グルメ界隈で生まれたヒットの数々を、記事本数や店舗数などを参考に、独断と偏見でランキング形式にてご紹介します!
2025年トレンドグルメ
10位:やわやわ系に癒やされる「九州うどん」

北九州のソウルフード「資さんうどん」の東京初進出は大きな話題になりました。2月にオープンした両国の店舗は連日大行列。看板メニューの「肉ごぼ天うどん」のおいしさはもちろん、北九州名物の「かしわおにぎり」や「ぼた餅」など北九州のソウルフードも楽しめるのが人気の理由。

4月には東急プラザ原宿「ハラカド」内に、博多うどんの店「因幡うどん ハラカド店」がオープンしました。人気のメニューは「肉ごぼう天うどん(モダン)」。創業から変わらない丸形のごぼう天に甘辛く煮た牛肉がトッピングされており、旨み豊かなつゆとふんわり軟らかな麺がよく合います。

11月に表参道にオープンした「博多うどん 中村にぼし」は博多発の人気海鮮居酒屋「田中田」系列の博多うどんの店。「田中田」は高級居酒屋ですがこちらは1杯590円〜とリーズナブル。ベテランフードライターの森脇慶子さんも「うどんは、軟らかいながらももちもちとして適度な弾力があり、最後に歯でぷちんと噛み切る時の食感も合格点。ただ軟らかいだけでないところがミソ」と絶賛。
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・博多発のやわやわうどんが表参道で食べられる! 1杯590円〜のカジュアルうどん店が誕生
https://magazine.tabelog.com/articles/478041
9位:みんなにうれしい「若手の挑戦寿司」
高級寿司店の営業時間外や定休日、特定の曜日に修業中の若手が握る寿司の会が大盛況。若手にとっては握る機会が増え、客との会話も練習になり、客にとっては高級店の寿司種、酢飯を使った寿司をリーズナブルに食べることができます。さらに店は空いている時間を有効活用して売り上げを増やせるとあってまさに三方良しのビジネスモデル。

恵比寿の「すしさとる」では22時など遅い時間から「シン・夜鮨(しんやずし)」としてお弟子さんが握る会を開催。寿司種、酢飯は「すしさとる」と同じ物を使用し、握りのみを通常コースの約半額で提供。

代々木上原の「鮨 西崎」では弟子の高野さんが握る「鮨 高野」を個室で不定期開催しています。こちらもハイコスパで大人気。

蒲田の「初音鮨」は親方が握ると22,000円のところ、お弟子さんが握ると6,600円〜とかなりの破格が話題になリました。寿司好きに言わせると「何度も通って成長を見守るのも楽しみ」とのことで、単にお得に食べたいというより若手の成長を応援する気持ちを持って行くのが良さそうです。
8位:シュワッととろける「ポップオーバー&ダッチベイビー」

SNSでよく見かけたのがポップオーバーの食べ放題。ポップオーバーとはシュークリームの皮のようなパンのこと。飯田橋の「トラットリア グランボッカ」がブームの火付け役で、銀座の「The WAREHOUSE」、豊洲の「トラットリア カルネジーオ」、神楽坂の「CAFE&BAR 1363」などでも提供されています。「トラットリア グランボッカ」ではメープルシロップとホイップバターを添えていただきます。口に入れるとシュワッと溶け、いくつでも食べられそうな軽い口当たりです。

シュワッと溶けると言えばダッチベイビー(ダッチパンケーキ)もSNSで人気になりました。代表的なお店は代々木公園そばにある「PATH」で、ダッチベイビーをオーブンで焼き上げる動画をよく見かけました。3月に高輪ゲートウェイにオープンしたカフェ「MAISON CLASSIC SALON」、10月に白金台にオープンした「ALL DAY DINING FUDO」、11月にオープンした富ケ谷の「i2 tomigaya」などでもダッチベイビーを提供しています。
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「i2 tomigaya」 https://www.instagram.com/reel/DSKEKoAgc4R/
7位:フェス大盛況「焼き芋」

さまざまなフードフェスティバルがある中でも今年盛り上がりを見せたのが「焼き芋フェス」。10月31日から11月3日まで、麻布台ヒルズの中央広場では「やきいも広場」が開催されました。厳選された9店舗がやきいもや芋スイーツを提供し、多くの人が集まりました。

10月31日から11月9日に、中野で行われたのは「やきいもフェス」。14店舗、約30種類のメニューが登場し、スイーツ系から食事系まで多彩なバリエーションで来場者を楽しませました。食べログのInstagramでも「やきいもフェス」の模様を動画で紹介しています。
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・「やきいもフェス」 https://www.instagram.com/reel/DQeF37oAcyD/
6位:プチラグジュアリー体験「海外ブランドのカフェ」

今年になって海外ブランド系のカフェが多く出店しています。表参道にはモード誌「L
‘OFFICIEL」のコーヒーショップ「L’OFFICIEL COFFEE」が4月にオープン。9月にはVivienne Westwoodの「Vivienne Westwood CAFÉ」がオープン。昨年好評だった「Ami Paris」のカフェ「LE CAFÉ AMI」も表参道でPOP UPストアを再開しています。

銀座にはティファニーの「Tiffany Blue Box Café」が8月にオープン。「été(エテ)」の庄司 夏子シェフが監修を手掛け話題になりました。同じく銀座には9月に「MARNI CAFE」がオープン。こちらも「パティスリィ アサコ イワヤナギ」監修で本格的なスイーツが好評です。
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・「L’OFFICIEL COFFEE」 https://www.instagram.com/reel/DInZneMBjOh/
・「LE CAFÉ AMI」 https://www.instagram.com/reel/DEwkRkqBfIv/
5位:生地が進化した「クレープ」

2024年のヒットランキングでも5位にランクインしていたクレープ。今年も人気は継続でした。4月には「acá」が手掛けるスイーツブランド「BLANCA」が期間限定で麻布台ヒルズにクレープも提供するポップアップショップを出店しました。「生地の“焦げを楽しむ”」という新しいコンセプトが話題に。

生地のおいしさにこだわる「ØC」も4月に軽井沢、10月に京都に出店し全4店舗に。2月に新橋にオープンした「PANAME Crêpes de Paris」は生地をミルクのみで仕上げていて、モッチリとしながらもカリッとした独特の食感が魅力。SNSで拡散されると瞬く間に行列店になりました。

パリパリの生地とSNS映えするビジュアルの「クレープとエスプレッソと」は3月に東京・自由が丘、4月に山梨・甲府、6月に大阪・谷町九丁目、7月に福岡・天神、9月に大分、10月に神奈川・鎌倉、11月に長野・松本、12月には大阪・難波、高槻、四ツ橋、東京・渋谷に出店し全国展開を進めています。

クレープ×ペアリングの流れも要注目。西荻窪の「SESON」は発酵バターの香り豊かなクレープとオリジナルのドリンクのペアリングを楽しめるカフェ。用賀の「moderato on the green」は料理研究家の植松良枝さんがプロデュースするカフェで、「生ハムとルッコラ」など食事系クレープにも定評があります。どちらも食べログのInstagramでも動画で紹介しています。
>>動画はこちら
・「BLANCA」 https://www.instagram.com/reel/DJtTPcSBifo/
・「SESON」 https://www.instagram.com/reel/DNsN6Nxh_zg/
・「moderato on the green」 https://www.instagram.com/reel/DJNmHfJBzB4/
>>記事はこちら
・1年以内にオープンした、クレープがおいしい都内の店6選
https://magazine.tabelog.com/articles/438037
4位:モチモチからカチカチまで多彩な「ベーグル」

2025年のヒット予想にも入っていた「ベーグル」がランクイン。食べログのInstagramでもベーグルの動画は大人気でした。従来のモチモチした食感のベーグルに加えて、皮が硬めのものもじわじわと支持を集めています。
1月に押上に「BAGEL FACTORY」、3月に武蔵小金井に「CHEERS BAGEL」、8月には目黒に「mugi bagel」、初台に「チクパルベーグル」、9月に蔵前に「Le bage」などがオープン。
食べログに掲載されているだけでも、この1年に東京だけで25店舗以上のベーグル店がオープンしました。

韓国系ベーグルも人気で「AREUM BAGEL」は5月に南阿佐ケ谷、7月に新大久保、10月に石川町、11月に要町にとすごい勢いで出店しています。
>>動画はこちら
・「CHEERS BAGEL」 https://www.instagram.com/reel/DJoJnNohZDZ/
・「チクパルベーグル」 https://www.instagram.com/reel/DOxvjbQAcyl/
>>記事はこちら
・もちもち食感がたまらない! 1年以内にオープンした、ベーグルが楽しめる話題店8選
https://magazine.tabelog.com/articles/467125
3位:甘さの限界に挑む「アメリカンクッキー」

SNSでもバズっていたのがBIGサイズのアメリカンクッキー。こちらも2025年のヒット予想から。食べログマガジンで6月に掲載したアメリカンクッキーのまとめ記事もヒットしました。「BENOIT NIHANT」や「ル・ビスキュイ・アラン・デュカス」などの高級パティスリーがアメリカンクッキーに挑戦したのも印象的でした。

そのまま食べるだけではなく、アメリカンクッキーをアイスクリームに合わせるという「甘さ×甘さ」のカロリー爆弾でSNSを賑わせたのは「PUG」。食べログのInstagramでも「PUG」の悪魔的なおいしさを紹介しています。
>>動画はこちら
・「PUG」 https://www.instagram.com/reel/DKZKAsRBIX4/
>>記事はこちら
・ちょっとジャンクでボリューミーなソフトクッキーがトレンド! 絶対食べたい7軒を紹介
https://magazine.tabelog.com/articles/455607
2位:本場を超える「ガチめなタコス」

2025年のヒット予想でも大きく取り上げたタコスがやはり大ブームになりました。火付け役の原宿「TACOS 3hermanos Harajuku」は連日本場の味を求める外国人客で大盛り上がり。その勢いそのままに4月には恵比寿に「Tacos 3 Hermanos Ebisu」をオープン。

「Tortilla Club TORTILLERIA」は手作りのトルティーヤの味わいが評判を呼び全国からタコス好きが集まります。食べログマガジンでは「食べログ3.5以下のうまい店」で取材し、トルティーヤ研究家として活躍する吉川孝一郎さんは「焼きたてのトルティーヤはもちろんのこと、一緒に出されるサルサやトッピング類で自分好みにカスタマイズできるのがとてもいい」と絶賛しました。

沖縄からやってきた「ブルーエントランスキッチン 池尻大橋」はソースにディップする背徳的なビジュアルがSNSで大爆発し行列店に。7月には「Blue Entrance Kitchen 大阪心斎橋店」もオープン。
>>動画はこちら
・「Tacos 3hermanos Ebisu」 https://www.instagram.com/reel/DLo5T8FhGSm/
・「Tortilla Club TORTILLERIA」 https://www.instagram.com/reel/DMw_jvcB5Pt/
・「ブルーエントランスキッチン 池尻大橋」 https://www.instagram.com/reel/DMmsbJ7hw2t/
>>記事はこちら
・〈食べログ3.5以下のうまい店〉噂の謎アカウントがついに現実に! 伝統製法で作る焼きたてトルティーヤが自慢の専門店
https://magazine.tabelog.com/articles/472910
1位:辛旨の虜になる人続出「麻辣湯」

今年の外食シーンで最も盛り上がりを見せたのは間違いなく「麻辣湯」でしょう。日本の麻辣湯の元祖と言えば渋谷に18年前に誕生した専門店「七宝麻辣湯」。今年のブームの影響は大きく、2024年は19店舗だった店舗数も2025年12月には53店舗と、この1年で店舗数が約2.8倍にも増えました。

ガチ中華系の麻辣湯も増え、人気チェーンの「楊国福」は食べログに登録してある店舗が32店舗もありました。(2025年12月現在)
食べログマガジンの「麻辣湯10選」の記事では激辛料理専門家の金成姫さんに、人気チェーンから個人店までおすすめの店を教えてもらいました。
東京で始まった麻辣湯のブームは全国に広がりつつあります。麻辣湯は具材を客が選び、お店側のオペレーションは最小限で済むためベテランシェフや大きな厨房などが必要なく、チェーン展開しやすいのもヒットする背景にありそうです。
>>記事はこちら
・人気チェーンからまだ知られていない個人店まで! 激辛料理専門家がおすすめする「麻辣湯」10選
https://magazine.tabelog.com/articles/455926
Hottest spot 2025
イケてる個人店が多く出店する「人形町」

「インバウンドの影響で銀座の店舗賃料が高騰し、少しズラした場所でと人形町で出店しました」という話を何人かのシェフから聞きました。東エリアを愛する私としては超ウエルカムな流れで喜んでいます。
1月にオープンした日本料理の「冨田」は「日本料理 太月」や「御料理 辻」で修業した店主のお店。夜は単価3万円超えですがお昼の1,000円台のランチも好評です。取材させていただいたフレンチの「Cheval」はティエリー・マルクスの右腕だった小泉敦子シェフが5月にオープンしたお店。骨太なお料理とふらりと寄れるカウンタースタイルのギャップが魅力です。

新店紹介で掲載した「Terra」は7月オープン。素材の良さが光る魚介イタリアンです。動画でも紹介した9月オープンの「Pizza Tane」は近隣の人気カフェ「パークレットベーカリー」の系列店。パークレットベーカリーの酵母を使用したピザ生地は高加水でモッチモチの食感です。

9月オープンの「Firmamento」も取材させていただき、素晴らしかったです。日本の食材を巧みに使用したイタリアンで、パスタの完成度の高さが印象的でした。同じく9月オープンの「Bistro tercera」のシェフはなんとあの超予約困難店「渡辺料理店」の出身。古民家をリノベーションしたオシャレな店内でビストロ料理を楽しめます。11月オープンの「Il Povero Diavolo」は大阪から移転したイタリアン。“魚の目利き”のプロであるシェフが作る料理は早くも食通の間で話題です。
>>動画はこちら
「Pizza Tane」 https://www.instagram.com/reel/DPLfPkKAV5K/
>>記事はこちら
・名店出身のシェフが作った、秘密にしたいけど、つい教えたくなるカウンターフレンチ
https://magazine.tabelog.com/articles/462077
・“支える”という名の人形町「フィルマメント」がイタリアの伝統と日本料理の心技で魅せる、新しいイタリアン
https://magazine.tabelog.com/articles/474044
2026年は“おいしい”年になりますように
大阪・関西万博の開催やインバウンドの本格的な回復などにより、日本全体に活気が満ちた2025年。食べログマガジンでも、多くの料理人や生産者の方々の笑顔を取材することができました。一方で、原材料価格の高騰や人手不足といった課題は依然として飲食業界に重くのしかかり、サステナビリティや食の多様性への対応など、未来を見据えた新しい取り組みが強く求められた一年でもありました。
そして2026年は、日本列島がこうしたさまざまな課題を乗り越え、これまで以上にたくさんのおいしい笑顔が溢れる年になることを心から祈っています。
文:山本麻里絵(食べログマガジン編集長)