TOKYO HIP BAR vol.49

ヴィンテージレコードを聴きながらクラシックなカクテルを

コーヒー業界のサードウェーブ(第3の波)といわれる、ハンドドリップで一杯ずつ丁寧にいれるスタイルは、日本の喫茶店文化が影響を与えたものといわれています。

 

そして、物事を丁寧に楽しむ日本の文化が影響を与えているのは、コーヒーシーンだけでなくバーシーンにも。DJブースのあるバーは世界に数あれど、ヴィンテージのレコードでジャズやワールドミュージックが流れ、お客さまがゆったりと楽しむという業態は、日本的カルチャーとして、LAなど海外にも影響を与えつつあるといいます。

神戸・大阪に店舗を構えるINC COCKTAILSの神戸店が東京に移転したのは、昨年の11月。神戸でも好評だったよい音楽とよいお酒のコンセプトをそのまま東京に持ち込んだこちらの店舗では、1960年代の「アルテック」のヴィンテージスピーカーがバックバーの大きな場所を占めています。

「60年代の音楽はやはり60年代のスピーカーで聞かないと、雰囲気が再現できないと思います。いい音楽を聴きながら、いいカクテルと出合ってほしいです」と語るのは、ディレクターの藤田祐介さん。

ブラックミュージックを中心に揃えられた3,000枚のレコードが並ぶ一角には、ヴィンテージのプレイヤーで音楽をセレクトするDJの姿が。よい音楽を聞かせるお店とはいえ、いわゆるレコードバーのように集中して聞かなければならない雰囲気はなく、モダンな雰囲気の中、音楽と会話が楽しめるリラックスした雰囲気が魅力です。

カクテルはクラシックカクテルをツイストしたものとオリジナルカクテルに加えて、シーズナルのカクテルと充実。ハウスクラシックカクテルは、ネグローニやエスプレッソマティーニなど、世界的にもスタンダードカクテルといわれているものが、しっかりとラインアップされています。なかでもよく出る、「オールドファッションド」は、ライ麦を原料とするスパイシーなライ・ウイスキーと、草・香草・樹皮・香辛料・精油などをお酒につけ込んだビターズに甘みが加わった絶妙なバランスの一杯です。度数の強さを感じさせないまろやかな味わいで、ロックグラスの氷が溶けるのを眺めながら、ゆったり音楽を楽しめます。

クラシックカクテルで同店の味わいが気に入ったら、こちらでブレンド・熟成しているオリジナルブレンデッドウイスキーにも挑戦を。スコッチウイスキーの有名銘柄「シーバスリーガル」2種と、そのキーモルトである「ストラスアイラ」を独自の配合で混ぜ合わせ、オーク樽で寝かせたオリジナルブレンドは1ショットでも、ボトルで頼んでキープボトルにすることも可能です。

 

ヴィンテージレコードとクラシックカクテルを組み合わせた“サードウェーブスタイル”で、ゆったりとした時の流れを味わってください。