カレーおじさん \(^o^)/の「今年のカレー2018」

今年から連載開始した「今週のカレー」。毎月末には「今月のカレー」としてまとめたものも公開しているのですが、今年最後となる今月のカレーは、今までの連載の中で“閲覧数が多かった記事TOP5”のご紹介で今年を締めくくりたいと思います。

 

その前に少しだけもったいぶって、今年のカレー界の流れがどのようなものだったか簡単におさらいしておきましょう。

 

大きく分けて2つ。

 

ひとつは中華カレーを筆頭に、カレーと他のジャンルの料理が融合した新しいカレーが沢山生まれ、広がっていったということ。今や東京を代表する人気店となっている大久保「魯珈(ろか)」の週替わり限定メニューで続々と新しい中華カレーが生まれたのをはじめ、そのお店でしか味わえない個性派カレーが沢山生まれました。

 

それに影響を受けたカレーも後に続き、同時に昔からあったジャンルボーダーレスなカレーも発掘されたことにより、インドカレーやタイカレーなど現地の味ではない独創的カレーに注目が集まりました。特に中華カレーに関してはカレーの新ジャンルと言っても良いくらいに広がったと思います。

 

もうひとつは間借りカレーの躍進。

 

大阪では既に間借りというスタイルのお店が沢山あり、間借りで人気が出て実店舗開店という流れが一つの必勝パターンのようにもなっているここ数年。その流れが東京で一気に増加。さらに各地方にも飛び火して増えていった年だったと感じています。特に東京では間借りカレー店は今年の初めから比べると倍増したのではないでしょうか。

 

間借りカレーも個性的なカレーが多く、上記2つの流れが生まれたことによって、世間一般のカレーに対する認識も少しずつ変わってきたように感じています。今まで食べられていたカレーとは見た目も味も違う新しいカレーがあることに気づき、その魅力にハマった人も多かったのか、行列の人気店は昨年以上に列を伸ばしていますし、カレー関係のイベントも数が増えました。これはこの一年でカレーマニアの数が増えたことの証明と言って良いでしょう。

 

そんな今年の流れもふまえつつ、僕の連載の中ではどのようなカレーに注目が集まったのか気になるところですが、5位から順番に発表いたしましょう!

《第5位》昔ながらの喫茶店にこそ名物カレーあり「ロージナ茶房」(国立)

「ザイカレー」

 

喫茶店といえば昭和の時代に長時間営業の飲食店として様々なスタイルで重宝された存在。昔ながらの喫茶店​の名物メニューがカレーである確率も、なかなか高いんです。東京・国立で昭和28年から今も続いている喫茶店「ロージナ茶房」もまさにカレーが名物。

 

「ザイカレー」880円(税込)という名前も個性的なカレーは、確​かな辛さ、ほろほろに煮込まれたビーフの甘味、トマトのほのかな酸味、ピクルスやゆで卵といった添え物との相性の良さなど、様々​な要素がバランス良く重なっていて、立体的な深みのある時代を問わない美味しさです。基本が大盛りであることも、愛される大きな理由のひとつでしょう。

《第4位》4,000軒以上を食べ歩いた男の胃袋を掴む不動のNo.1「トマト」(荻窪)

「ビーフタンカレー」

 

僕が今までカレーを食べたお店の数は世界各国併せると4,000軒を超える数になるのですが、その中で不動の王者として君臨し続けているのが、荻窪にある「トマト」というお店です。欧風カレーに見えて一般的な欧風カレーとはかなり違う独自スタイルのカレーは、​ここでしか食べられない絶品! あまりにも美味しいので、滅多に行かないようにしているんです。

 

ここで一番好きなメニューは「ビーフタンカレー」3,000円(税抜)​。カレーとしては相当高いわけですが、驚くべき手間暇のかけ方、品​質の高さ、そして味、接客、それら全て合わせて考えればこの値段でも安いと思える程。個人的には10,000円出してでも食べたいと思​える味です。​

《第3位》1,000円以内で味わえる日本一のおいしさ。「しまや」(川崎)

「国産極上ロースカツ&豚バラ煮込みカレー」

 

久しぶりに想像を超えた美味しさのお店に出会ったとして紹介したのは、神奈川・川崎にあるスナック​間借りのカレー店「しまや」です。豚バラ煮込みカレーとキーマカレーのあいがけであるスペシャルカレーにロースカツトッピングでオーダーしました。最初に黄金色の​カツが出てきたのですが、まずこれが驚きの美味しさ! 最低限の火入れでほのかにピンク色の豚肉は、塩で食べてみればその甘味と​旨味が口の中を幸せに支配します。

 

カツだけでなくカレーも美味しいんです。フルーティーな豚バラカレー、ジューシーなキーマカレー、どちらもカレーが本当に好きな​人が心を込めて作ったとわかる美味しさで、食べていくうちにどんどん笑顔になっていきました。​

 

《第2位》週3回でも通いたい!人生に不可欠なカレー店「魯珈」(大久保)

「ろかプレート」(骨付きカシミールチリチキンカレー)

 

最近は1日3食以上カレーで、昨年は年間1,152皿食べたのですが、昨年僕が最も多く通ったお店が、大久保の「魯珈(ろか)」です。この週は3回も魯珈のカレーを食べました。それほどに大好きなお店です。

 

魯肉飯とカレーを合わせる看板メニューのろかプレートの美味しさはもちろんのこと、週替わりの限定カレーも毎週確実に美味しくて悩ましすぎるくらい。それを食べる為に仕事を調整してまで通っています。僕の人生に欠かせないお店のひとつです。

《1位》誰もが胃袋掴まれるガンコ店主の優しいカレー「吉田カレー」(荻窪)

「中華アチャール」「キーマ」「豚」をトッピング

 

カレーマニアなら誰もが知る人気店「吉田カレー」。味の良さもさることながら、個性的なスタイルのお店としても有名です。入り口のシャッターが半分しか開いていない、独自のルールがあってそれを破ると叱られるなど、頑固店主による怖いお店と思われていることが多いよ​うですが、僕から言わせてもらえばそんなことはありません。

 

実際に吉田カレーのカレーはとても優しい美味しさなんです。フルーティーな甘味のあるカレー、ジューシーで奥深いキーマはどちら​も優しく、その2つが合わさると旨味の相乗効果でさらなる美味しさへと昇華します。個人的​におすすめしたいトッピングは、中華アチャール。アチャールとはインドのスパイス漬物的なものなのですが、その中華的アレンジ。カ​レーと混ぜて食べるとスパイス感と酸味が加わり、味がビシっと引き締まります。

共通点は、日本人シェフが作るカレー!

以上の結果となりました。老舗から間借りカレーの新店舗まで多種多様ですが、共通点をあげるとすれば“日本人が作るカレーライス”というところ。多くの方にとってカレーとは一皿で完結する料理なのかもしれません。しかしそうでないスタイルの魅力的なカレーも沢山あります。来年はカレーライス以外のカレーも色々と取り上げていけたら良いなと考えています。

 

と言いつつも、TOP5に入ったお店は僕にとっても特に大好きなお店ばかり。何しろこの5つのお店のカレーは、他にありそうでないオリジナルスタイル。ここでしか食べられない個性的な美味カレーばかりなのです。皆さんの見る目が確かなのでしょう。そして美味しいカレーは見た目からして美しいということもあるのでしょう。

 

それぞれどんなカレーだったか気になった方は、是非一度食べに行ってみてくださいね!

 

文:カレーおじさん \(^o^)/