絶好のロケーションの広東料理店と、路地裏の立ち飲み中華

目黒川沿いの本格中華

6月9日、中目黒に中華「HIBARI(日晴り)」がオープンしました。以前こちらでも紹介した麻布十番「真皿」の姉妹店です。なんといってもロケーションが素敵。目黒川沿いに面し、夕刻には全面ガラス張りの窓から見える桜並木の新緑が気持ちいい一軒です。
カウンター、テーブル、個室を備えた落ち着いた店内で、メニューは5品6,500円からのコースをベースに、足りなければ追加オーダーするシステム。シェフはホテルの広東料理店で30年以上腕を磨いてきたベテランで、ビストロ出身のソムリエによるサービスも心地よく感じます。料理は美しく、全般に広東らしい、誰もが楽しめる味わい。一方、アラカルトの「本日の炒飯」をオーダーすると、町中華のような唐揚げ炒飯が登場し、これがまたおいしく、シェフの実力を感じました。花見の季節は大変なことになりそうなので、今から訪れておくといいのではないでしょうか。

キャビアと冷製ビーフン からすみ和え

立ち飲みスタイルで楽しむ創作中華

7月3日、神保町の路地裏には「立呑み中華 猫猫」が開業です。埼玉・志木の「宇宙飯店」出身のシェフと「パーフェクトビアキッチン」仕込みのサービス担当、共に30代の2人が独立した一軒。
築80年の元居酒屋をフルリノベーションした5.5坪の空間は、10人も入れば満席ですが、フレンドリーな接客もあり、心地よく過ごせます。武蔵野うどんの小麦粉を使った皮の水餃子、エビマヨブロッコリー、ポテトサラダの上にのった角煮の黒酢酢豚など、小皿で次々と頼みたくなる料理が揃います。生ビールと5種の水出し中国茶割も推しで、あっという間に常連が増えそうな一軒です。締めにはオーダーが入ってから麺を蒸す「オイスターソース焼きそば」をぜひ。

オイスターソース焼きそば

串で楽しむイタリアンとハワイ名物ガーリックシュリンプ

ジャンルレスな焼鳥店

豪徳寺に6月18日、「焼き鳥 金兵衛」がオープンしました。焼鳥を名乗りながら、実はイタリアンの技法で串を仕立てるという異色の一軒で、大分で2年営業した店主が東京に進出しました。
串は1本ごとにソースを変える趣向で、ハリッサやマンゴービネガー、ジンジャーソース、トラパネーゼなど多彩な味わいが楽しめ、焼鳥の可能性を軽やかに更新してくれました。フルコースは串8本に前菜、パスタ(訪れた日はブロッコリーとカブのアーリオオーリオ)、ドルチェがついて7,000円。5,000円のショートコースもあります。グラスワインは800円からと親しみやすく、雰囲気もカジュアルで入りやすいお店です。

ささみ グリーンペッパータプナード
ささみ グリーンペッパータプナード   写真:お店から

クセになるガーリックシュリンプ

6月11日、溜池山王にオープンした「Boo's Shrimp」はハワイの名物、ガーリックシュリンプに魅了されたオーナーが、東京でも味わえるようにと開いたお店です。オーナーの奥様が女子プロゴルファーらしく、店内には女子プロたちの色紙がずらりと飾られています。
ランチで「シュリンププレート オリジナルソース」をオーダー。バターとオイルで香ばしく炒めた、殻まで食べられる海老が7尾、ガーリックたっぷりのソースはライスにもかかり、食欲をそそります。ジンジャー味やチキン、ハラミもあり、テイクアウトも可能。クセになりそうな一軒です。

シュリンププレート オリジナルソース

入門編としてもおすすめの日本料理店と“おにぎり天どん”

コスパも魅力な日本料理店

7月6日、横浜・関内に日本料理店「関内 なむら」が暖簾を掲げました。神奈川の名店「日本料理 幸庵」で9年、神楽坂「鮨 大矢」で約2年研鑽を積んだ苗村彰俊さんと、同じく「幸庵」出身で英語も堪能な女将・梨乃さんによる夫婦店。
神奈川の地魚や地野菜を活かした季節感あふれる一皿と、蔵元との交流から生まれる立体的な日本酒ペアリングが魅力です。空間は茶室建築で知られる藤森工務店が2年がかりで設計。随所に工夫が凝らされているので、ご夫妻にいろいろ尋ねてみてください。コース16,500円、ペアリング7,700円と都内水準よりお得感のある価格設定もうれしいポイント。最後の口の中で消えていく水羊羹に至るまで飽きさせません。日本料理入門にもおすすめの一軒です。

佐島のタコ、横浜のとうもろこし、鎌倉のバジルが入った炊き込みご飯。お米は神奈川県のブランド米「はるみ」

新たなファストフードが登場!?

異色のおにぎり店もできています。7月7日、JR御茶ノ水駅「エキュートエディション御茶ノ水」内にオープンした「おにどん」。ロイヤルグループが「てんや」の新業態として展開する"おにぎり天どん"専門店です。プロデューサーには、株式会社ブルース&ブラザーズ代表のブルース佐藤さんを迎え、てんやスタッフの"まかない"から着想を得た一品が生まれました。ちなみに隣には佐藤さんが手掛ける人気ハンバーガー店「JB's TOKYO」も並びます。
オーダーしたのは「おにどんスペシャル海老天」560円。海苔の上に白飯、かき揚げ、海老天がのり、グルメバーガーさながらに大きくかぶりつきます。おにぎりと思えば高いけれど、天丼と思えば安い、そんな一品。「元祖おにどん」は370円。テイクアウトも可能ですが、揚げたてがおすすめです。

ゆっきょし
おにどんスペシャル海老天   出典:ゆっきょしさん

※価格はすべて税込

教えてくれた人

大木淳夫
『東京最高のレストラン』編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本『東京最高のレストラン』編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由』(堀江貴文)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光)、『にっぽん氷の図鑑』(原田泉)、『東京とんかつ会議』(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、『一食入魂』(小山薫堂)、『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事、「料理レシピ本大賞」特別審査員も務める。『東京最高のレストラン2026』が2025年12月に発売。同年10月に初の著書『50歳からの美食入門』(中央公論新社・中公新書ラクレ)を出版。ポッドキャスト「いま行くべき店、死ぬまでに行くべき店」も放送中。

文、写真:大木淳夫