隠れ家的ロケーションも魅力のビストロとスパイスバル、イタリア料理店

知っていたら「センスいい」と思われそう

2月17日、渋谷・並木橋近くにビストロ「lotto」がオープンしました。「リストランテ アクアパッツァ」などで修業し、代官山「アタ」、神楽坂「アンティカ オステリア カルネヤ」でシェフを務めた43歳、野口聡さんの独立店です。渋谷川沿い、細長いビルの1階で、5つの小さな店舗が並ぶ中の奥から2番目。フリーではまず辿り着けない秘密めいたロケーションにときめきます。

店内はカウンター4席+テーブル2卓、落とし気味の照明でいい雰囲気に。シェフは柔らかで丁寧な接客で、安心感があります。メニューは絞り込みながら魅力十分で、パスタは個人的に好きなピチとタヤリンがあってうれしい限り。初めて作ったというメルゲーズもいただきましたが、高い完成度で、経験とセンスを実感しました。立地、味、雰囲気、値段のバランスがよく、思わず通いたくなる一軒。こういう店を知っていると、ちょっと自慢できるのではないでしょうか。

ピチ 牡蠣 春キャベツ

スパイスを究めた料理人による、ビストロ料理

2月3日、学芸大学にはスパイスバル「tandoor room PRENKHA」がオープンしました。こちらは路地の奥のマンション1階の突き当たり。元印刷所だったそうですが、相当に発見難易度の高い立地です。

店内は中心のタンドール窯をカウンターとボックステーブルで囲む構成。店主・岸田禎之さんは株式会社グローバルダイニングなどを経て押上の名店「スパイスカフェ」で半年間スパイスを学び、中野「ロジスパイス&アンダーバー」のシェフに。その後、こちらも名高い大塚「カッチャルバッチャル」で2年、タンドールの技法を磨いていて、味のアクセントのセンスが抜群でした。ビストロ的な料理をインド風に表現したいという発想どおり、料理はおいしく、お酒が素晴らしく進みます。17時開店ですので、前菜からタンドール料理、カレーまで、ワインとともにたっぷり堪能してください。

フムス、ナスのペースト、サーモンタルタルのライタ3点盛り

肩肘張らずにワインと食事をゆっくり

2月22日、人形町にオープンしたイタリアン「安室」は、牛込神楽坂の「カルミネ」で修業し、沖縄で「イビスコ」を営んでいた安室優さんが東京で勝負するために開いた新天地です。

昨年、名店「㐂寿司」の隣にできた飲食ビルの8階で、カウンター5席+個室1室という私的な空間を夫婦で切り盛り。初回は味を知ってもらいたいと11,000円(席料・サービス料は別途1,650円)のおまかせコースのみで、2回目以降はアラカルトも可能です(3品以上オーダー)。骨を丁寧に抜いた生ハムをベルケル社製の電動スライサーでスライスする一皿や、スペシャリテという、黒トリュフを削る手打ちパッパルデッレから、箸でつまむイカの肝和えまであり、肩肘張らずに大人がワインと食事をゆっくり楽しめます。遅い時間はワイン+パスタ1品の使い方もOKとのことで、こちらも隠れ家感が漂うお店です。

黒トリュフのパッパルデッレ

相撲部屋が出資するウクライナ料理店と、元大関のジョージア料理店がオープン

珍しいウクライナ料理店

2月14日、清澄白河にウクライナ料理店「DOMIVKA Ukrainian Soul Tokyo(ドウミカ)」が誕生しました。昨年9月に神楽坂で日本初のジョージア料理専門店「アジカ」を開いた真下博志さん(日本ジョージア商工会議所専務理事)が社長を務め、ウクライナ出身の大関・安青錦が所属する安治川部屋などが出資してのオープンです。

部屋から徒歩圏内ということもあり、大関も訪れるそうです。この日は春場所中だったので、安青錦関が勝利した画像が流れると、店内は拍手で大盛り上がり。ほかにも快活なマダムの音頭でウクライナ式の乾杯が始まるなど、アットホームな空気も魅力です。店内は白を基調にしていて、現地の家庭をイメージ。ウクライナ出身の女性シェフが作る料理は鶏フィレ肉の「キーウ風カツレツ」や、お米も入った「ロールキャベツ」など、彩りも美しく、絵本に出てくる料理のようでほっこりしました。ワインのほか、男性がよくショットで飲むという蒸留酒「ホリウカ」もあります。

キーウ風カツレツ

またもジョージア料理の新店

2月24日、本所吾妻橋にオープンした「ジョージアン・ハウス」は、ジョージア出身の元大関・栃ノ心(レヴァニ・ゴルガゼさん)のお店です。

城のように広い店内に驚いていると、なんとご本人がサービスに登場。基本的に店に立っているそうで、丁寧にメニューを案内してくれました。ジョージアの町並みの大きな写真に加え、階段壁には2018年初場所の巨大な優勝額も飾られ、こちらも相撲ファンにはたまりません。料理はシュクメルリ、餃子のようなヒンカリ、野菜にスパイスやハーブを加えてペースト状にしたプハリ、チーズ+卵黄+バターのアジャルリハチャプリなど、どれも満足の味。栃ノ心さん自身のワイナリーのワインもあります。ジョージアの名産であるワインやはちみつ、革製品などの物販スペースもあり、食後まで楽しい一軒でした。

プハリ盛合せ

注目のスタートアップ企業の海藻ラーメンと、東京初進出のとんこつラーメン

海藻のおいしさを新発見

3月2日、日本橋にオープンしたのは「シーベジスタンド」。さまざまな海藻の生産・研究で注目されるシーベジタブル社が手がける“海藻ラーメン”の立ち食い店で、夜はお酒と居酒屋メニューも楽しめます。

おすすめの5種入り「極」を食べて驚いたのは、海藻一つひとつのおいしさです。食感も香りもそれぞれ特徴的で、多彩さを実感しました。繊細さゆえ“幻の海藻”ともいわれる希少な「みりん」は特に注目でしょう。麺は浅草開化楼、スープは真鯛のアラ出汁に自家製「青のりしょうゆ」のかえし。レモンや山椒も加えつつ、思わず飲み干す旨さでした。2階の「シーベジキッチンラボ」では体験プログラムも実施しているとのこと。これからの食の未来を考える上でも、海藻は欠かせない食材といわれていますから、今後の展開も期待です。

「極」海藻ラーメン -5種の海藻- 柑橘とアオサオイル

福岡で人気の豚骨ラーメンが東京に

2月2日、渋谷には「麺屋 我ガ 渋谷二丁目中央店」が進出です。2013年に福岡・小郡で古賀大順さんが開いた人気店が東京初出店。ルーツは高校時代に出会った「一蘭」創業者・中原ご夫妻の味。東京進出にあたっては、同じく元一蘭で「ラーメン凪」の生田悟志さんも協力しているそうです。

豚骨スープは臭み皆無で、まろやかなコクと甘み。調理直前にブレンドする辛味タレを溶かすと一味唐辛子の鮮烈な辛さが立ち、味の輪郭が一気に締まります。個人的に引かれたのは高さ3センチの木製「お食事台」。丼をのせるだけで汁はね汚れを防げる優れもの。女性客が多いのも納得です。水餃子と高菜巻きおにぎりも名物とのことなので、また訪れなくてはと思っています。

らーめん