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【噂の新店】vivido La mia cucina piemontese
食の激戦区であり、トレンドと本物が厳しく選別される恵比寿にオープンした「vivido La mia cucina piemontese」。ピエモンテの伝統料理を再構築した料理とイタリアらしさが微塵もない空間に早くもリピーターが続出。予約困難になる前に駆けつけたい!
イタリア料理店らしさを削ぎ落とした外観が期待を高める!

恵比寿駅の喧騒から離れた落ち着きのある場所にイタリア料理店がオープンしました。イタリア語で「鮮やかな」「生き生きとした」という意味を持つ店名のごとくヴィヴィッドなピンクで描いたロゴや店内に飾られたアート、営業中に点灯する「ON AIR」の電飾看板など、スタイリッシュなアイテムがイタリア料理店という既成概念をいい意味で裏切りながら通る人を引き寄せます。

中へ入ると厨房を囲うようにJ字カウンターがあり、奥にはテーブル席を備えています。カウンターの曲線は隣が気にならない良い距離感を作り、無機質なコンクリートと温かみのある木材を組み合わせたモダンな設えに気分は上がりっぱなし!

パスタが大好きで中学生の頃には料理の道に進みたいと思っていたと話す三輪智一さんは18歳でプロの料理人となった時、10年間に2店舗で修業し、27歳で渡伊するという人生設計図を描きます。事実、「トラットリアクアルト」「アンティカブラチェリアベッリターリア(現WINEMAN FACTORY)で修業し、28歳でイタリア・ピエモンテ州の一つ星店「ラ・チャウ・デル・トルナベント」に入店。帰国後は代々木八幡「LUCE」に勤務し、姉妹店となる「vivido La mia cucina piemontese」のシェフに就任しました。

「イタリアにいる時は日本の食材を使ったらもっとおいしくなるのにと思ったことが多々ありましたが、日本にいるとイタリアの食材が使いたくなったりするんですよね」と笑顔で話す三輪さんが作るのは、“La mia cucina Piemontese(私のピエモンテ料理)”。イタリアの四季を感じるピエモンテ伝統料理を、日本の食材を使って表現します。
絶対に食べたい! 看板料理の「前菜の盛り合わせ」と「トリュフと卵のココット」

こちらは“好きなものを好きなだけ”のアラカルトスタイル。まずはスペシャリテである「名物vividoのピエモンテ前菜盛り合わせ」とワインで空腹を口福に変えながら今宵の献立を組み立てていきます。皿にのる一つ一つが、まるで「自己紹介します」と言わんばかりに、“La mia cucina Piemontese”を表現しています。

メニューにあったら必食の「トリュフと卵のココット」。ベシャメルソースを入れる以外は修業先である「ラ・チャウ・デル・トルナベント」のレシピを再現しています。「修業先では卵液だけでしたがベシャメルソースを入れてとろみをつけました」

ココットの中に卵黄を入れ、卵白、牛乳、フォンティーナチーズで作った卵液とベシャメルソースを混ぜたオリジナルソースを流し込み、チーズを削りかけてオーブンで焼きます。仕上げにトリュフを削りかけ、味つけは少量の塩のみ。十分に火を入れたはずなのに卵黄はとろりと流れ、ソースと絡みます。この料理を食べ慣れていても目を見張る、頼まずにはいられない一皿です。
全品制覇したくなる! パスタもメインも食欲をそそるラインアップ

ピエモンテはトリュフの聖地。特にアルバ産の白トリュフが出回ると地元の人たちだけでなく世界中から「白トリュフのタヤリン」を求めて訪れ、街中は“タヤリン一色”となるそう。こちらでもパスタNo.1メニューはタヤリンです。日によってのせる具材が変わるとのことで、本日は北海道産の雲丹!

トリュフソースはアンチョビとニンニクを、たっぷりのバターを入れて炒めたら、野菜と昆布の出汁に細かく刻んだ黒トリュフを入れて煮詰めます。生クリームで濃度を調整し、手打ちのタヤリンを絡め、最後にグラナ・パダーノチーズを入れてコクと香りをプラス。仕上げに黒トリュフを削りかけて完成。「一口目でガツンとトリュフを感じてもらえるように少しトリュフオイルをかけています」と言うように、口中はトリュフでいっぱい! 雲丹もバターも生クリームもチーズも入っているのに不思議と優しい味で無限ループに陥ります。

「赤身の肉質で脂が強すぎない牛肉を探して辿り着いたのが、群馬県産の上州牛でした。炭火で焼いてみたら『これだ!』と即決。程よいサシと十分なうまみが僕の理想と合う」と三輪さん。

塊肉を半分に切ると美しい赤色の断面が現れます。程よいサシが入った表面にはあふれ出た肉汁がうっすらと広がり、見ただけで食指が動く焼きあがり。「ポテンシャルのある牛肉なので付け合わせはシンプルがいいなと思い、カラマンシービネガーベースのドレッシングで和えたセルバチコ(野生ルッコラ)、ゲランドの塩、モデナのクリームバルサミコ、タスマニアの粒マスタード、ネパールのティムールペッパーを添えています」と話します。

ナイフを入れると、跳ね返るような弾力からおいしさが伝わります。くどさを一切感じさせることなく溶けるような肉質は上州牛だからこそ。付け合わせはすべてベストマッチで肉が足りなくなるほど。白眉はティムールペッパー。フルーティーな香りと山椒に似た心地よい痺れがたまりません。
型破りこそ真の伝統、驚きの先にあるのは本物のおいしさ!

ただおいしいだけではなく、店の本質をも問われる恵比寿で「vivido La mia cucina piemontese」は着実に人気を集めています。イタリアらしさを微塵も感じさせない空間で、確かな技術に裏付けされたピエモンテ郷土料理を再構築した独自の料理を心赴くまま自由に組み立て、選んだワインと共に楽しむ。「vivido La mia cucina piemontese」が作り出した新しいイタリア料理の世界観にどうにも魅了されるのです。
※価格は全て税込。


