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【THEご褒美スイーツ 〜知っておきたい通な店〜】
「食事と同じくらい、スイーツにも絶対手を抜きたくない!」と、日々美味なるスイーツを探し求める甘いもの好きさんにお届けする本連載。スイーツの歴史研究のみならず、製菓にも精通するお菓子の歴史研究家・猫井登さんが太鼓判を押す、ご褒美スイーツを紹介します。
〈THEご褒美スイーツ・最終回〉「ラウンジ サウスコート」

「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」は、新宿駅南口から徒歩3分の好立地に位置する、地上100m以上の高層階からの眺望が魅力の4つ星ホテル。「ラウンジ サウスコート」は20階にあるホテルラウンジで、新宿の高層ビルを臨む素晴らしい眺望とともに魅力的なスイーツやアフタヌーンティー、軽食を楽しむことができる。
こちらでは、毎年1月15日(いちごの日)から開催される「いちごフェア」が人気となっており、今年もその時期が到来! 6種類ある贅沢なスイーツの中から、特におすすめしたい3種のいちごスイーツを紹介しよう。
1. 「苺づくしのご褒美パフェ」3,700円
カットされた旬のいちごがカクテルグラスの口径一杯に大輪の花が咲いたように美しく配置され、先端に金箔があしらわれた、まさに「ご褒美パフェ」という名にふさわしいゴージャスなパフェ。中央には、真紅のフランボワーズソースがトロリとかけられたバニラアイスが鎮座。筒状のものは軽やかなチュイルだ。

まずは、そっとチュイルを外し、一かじり。カリッとした食感とフランボワーズの爽やかな香りが広がる。アイスクリームにスプーンを入れる。甘酸っぱいフランボワーズソースと、まったりとミルキーな味わいのバニラアイスがよく合う。
ここで、いよいよフレッシュないちごを口に運ぶ。瑞々しく爽やかでありながら、甘みも申し分なく、旬を感じさせる力強い味わいだ。
同ホテルでは、地産地消と新鮮さにフォーカスし、フルーツや野菜は極力東京で採れたものを使用。取材日に提供されたいちごも、立川の豊泉農園の「あまおとめ」。立川市の新しいブランド農産物「立川いちご」の一つだ。
「立川いちご」は、市場にはほとんど出回らない東京産の完熟いちごで、大粒・味の濃さ・甘さが特徴。ほかにも「紅ほっぺ」「よつぼし」といった種類が市内の若手農家を中心に栽培されている。

いちごの下は、ふわっと泡立てられた生クリームにカスタードを合わせた「クレーム・ディプロマット」。生クリームは北海道産のもので、35%と47%をブレンドして使っていて、甘さはやや控えめ。グラスの側面から見えるカットされたいちごの断面が美しい。
クリームの中には、なんとジェノワーズ(スポンジ生地)が隠されており、コクのあるクレーム・ディプロマット、いちご、更にはその下の“いちごのコンポート”が渾然一体となり、口中で極上のショートケーキを食しているかのような味わいとなる。
特に一番下の、いちごの果肉感をしっかりと残したコンポートの味わいは秀逸で、単独でも商品化できるのではないかと思えるほどの、完成度の高さであった。
2. 「苺のプリン・ア・ラ・モード」3,600円
豪華な厚手の横長グラスの中央には大ぶりのプリンがどっしりと盛られ、その周りをメインのいちごのほか、メロン、オレンジ、ブルーベリー、ストロベリーアイスクリームが彩りを添える。

せっかくなので、1口目は旬のいちごを1粒そのまま味わう。上述の「ご褒美パフェ」と同様、立川いちごの「あまおとめ」を使用。味わいの濃いいちごで、酸味はおだやか。同じいちごでも、カットの仕方により、微妙に味わいが異なるのが楽しい。2口目は、カットされたいちごをホイップクリームとともに。クリームのミルキーな味わいと相まってまろやかな味わいに。
ここで、プリンにスプーンを入れる。昔ながらの、かためで弾力のあるプリンだ。牛乳と卵の懐かしい味わい。表面のカラメルの部分がなんとも郷愁を誘う。こちらは蒸しプリンで、低温でじっくりと火を入れて、なめらかな食感をキープしつつも、卵本来の濃厚な味わいをしっかりと感じてもらえるようにしているという。このプリンに使われているのは、立川にある伊藤養鶏場の「たまごころ(多摩×卵×真心)」というブランド卵。伊藤養鶏場は、昭和37年創業、都内の有名レストランをはじめ、星つきレストランなどに卵や肉を納めている老舗だ。

プリンの周りをかためているフルーツにも手を伸ばす。主役のいちごのほかにも、メロン、オレンジ、ブルーベリーなど、いろいろな味わいを楽しめる。
ストロベリーアイスも味見。中に入れられたいちごの果肉が、味わいと食感のアクセントになっていてミルキーな後味。アイスクリームをすくったときに、下にジェノワーズ(スポンジ生地)が敷かれていることに気づく。
卵の風味を感じさせるスポンジケーキ。このスポンジケーキが、実にいい仕事をしている。上にのせられたいろいろなフルーツの果汁を吸い込み、溶け出したバニラアイスクリームのミルキーさも相まって、さながらフレッシュフルーツのアントルメのような味わいを演出するのだ。特にプリンの下のスポンジは、カラメルが染み込んで、まるでラム酒を含ませたかのような大人の味わいに。大満足の「苺のプリン・ア・ラ・モード」であった。
ちなみに人気のプリンはテイクアウト用の商品も用意されており、土産用にも最適だ。

3. 「苺とクリームチーズのサクサクパイ」3,800円

まずは、予想以上の大きさに驚く。2人でシェアしても良いような、大ぶりの豪華なパイだ。パイのサクサク感を楽しんでもらえるよう、オーダーが入ってからクリームを絞り、いちごを並べ、仕上げているのだという。
バニラアイスクリームの上にトッピングされている印象的なピンク色の葉は「パータ・シガレット」。バター、粉糖、卵白、小麦粉で作られる、非常に薄くサクサクとした食感のクッキーだ。着色しないで筒状だと「シガレット」、平らだと「ラング・ド・シャ(猫の舌)」と呼ばれるお菓子になる。

まずは、全体にナイフを入れてみる。パイ生地の土台の上にクリームが敷かれ、厚めにカットされたいちごがびっしりと並べられている。ブルーベリーが彩りにアクセントを与えている。
3つ折りを6回と手間をかけてしっかりと折り込まれたパイは、サクサクで香ばしく主役のいちごの味わいを引き立てるあっさりとした味わい。中のクリームは、クリームチーズにホイップした生クリームを合わせたもので、重くなり過ぎないように調整され、フレッシュないちごと合うように計算されている。

食べている間に、トッピングされたバニラアイスが程よく溶け出してきて、ソースのような役割を果たしてくれる。
フレッシュないちごの瑞々しい食感と甘み、生クリームを混ぜ込んだチーズクリームのコクとうまみ、そこにバニラアイスのミルキーな甘みが一体となり、口福をもたらしてくれる。全体としてあっさりと軽やかな味わいで、気がつけば完食していたのであった。
新宿の高層ビル群を眺めながら、いちごづくしのティータイムを
これらのスイーツを作り出しているのは、シェフパティシエの貝塚文浩氏。1999年に株式会社小田急リゾーツ入社後「小田急ホテルセンチュリー相模大野」「箱根カフェ」にて研鑽を積み、2022年5月には「小田急 山のホテル」パティシエ料理長に。同年12月には「小田急ホテルセンチュリーサザンタワー」のシェフパティシエに就任した。

こちらの「ラウンジ サウスコート」は、季節のフルーツを使ったアフタヌーンティーをはじめ、スイーツに定評のあるラウンジで、総席数は63席。地上100mの20階からは、新宿の高層ビル群を望むことができ、ゆったりとした時間を過ごすことができる。カウンター席も設けられているため、おひとり様でも気軽に利用できる点も魅力の一つだ。
また、同館では4月30日まで「ストロベリーアフタヌーンティー」も提供中のため、いちごスイーツに目がないという人は、こちらも要チェックだ。

春らしいムードの中で、地上100mの絶景とともに、パティシエが作り出す、華やかでフォトジェニックないちごデザートを楽しんでみてはいかがだろうか。
※価格はすべて税・サービス料込
※「いちごフェア」の開催は2026年4月30日まで
※使用されるいちごは時期により異なり、いちごの品種は一般には公開されていません。「立川いちご」をメインで使用していますが、入荷状況により、栃木の「とちあいか」、茨城の「紅ほっぺ」「とちおとめ」など、その時期においしいいちごを仕入れ提供しています。
※「苺のプリン・ア・ラ・モード」に添えられるフルーツは、仕入れ状況により異なります。


