〈これが推し麺!〉

ラーメン、そば、うどん、焼きそば、パスタ、ビーフン、冷麺など、日本人は麺類が大好き! そんな麺類の中から、食通が「これぞ!」というお気に入りの“推し麺”をご紹介。そのこだわりの材料や作り方、深い味わいの秘密に迫る。

今回訪れたのは、アートディレクターの秋山具義さんがおすすめする、中野駅近くにある「ラーメン箕輪家 本店」。博多ラーメン店で修業した店主による、熟成されたうまみが光る豚骨ラーメンをご紹介。

中野の家系「ラーメン箕輪家 本店」

赤い壁が目立つ店内
 

秋山さん

こちらは家系ラーメンのお店で、2023年にWBCで来日したダルビッシュ有投手が来たことでも話題になったラーメン店です。

2022年11月28日、家系ラーメンが大好きな幻冬舎の名物編集者・箕輪厚介氏が中野にオープンした「ラーメン箕輪家 本店」。有名人プロデュースの店とあなどるなかれ。実力は現在「むかん」の小松崎敏氏などラーメン業界関係者にも認められており、連日約150人が来店する人気店だ。

店長の丸山紘平さん

オープン当初は、豚骨継ぎ足し技法を用いた王道の家系スープだったが、2024年11月ごろから博多ラーメンの技法の一つである「呼び戻し」に変更した。「呼び戻し」とは、寸胴の中に骨やスープを一定量残し、翌日そこへ新たにゲンコツや水などの材料を足してスープを炊く技法だ。

毎日豚のガラや頭などを継ぎ足すサブ寸胴

「ラーメン箕輪家 本店」では、サブ寸胴に2024年11月から継ぎ足している豚骨スープが用意されている。ここに豚の頭1つ、ゲンコツ20キログラム、豚の背ガラ5キログラム、背油、チャーシューと水を毎日新たに加え、80~100度の間で焦げ付かないよう一日中、火をかけていく。

メインの寸胴のスープ

サブ寸胴で仕上がった豚骨スープは、適宜メインの寸胴に加えていく。メインの寸胴には毎日一定量のスープを残し、翌日新たにゲンコツと水を加え沸騰する程度に火入れする「呼び戻し」を行う。同店ではこの呼び戻したスープをラーメンに使用している。

麺はメニューによって変わる

このスープにオープン時から変わらない継ぎ足した醤油ベースのかえし、自家製の鶏油を合わせているのが看板メニューの「箕輪家ラーメン」だ。

自家製チャーシュー

そこに合わせるのは、スープとよく絡むよう大成食品に特注した、中太の逆切り麺。最後に茹でた国産ほうれん草、下茹でした豚肩ロースをかえしに漬け込んだ自家製チャーシュー、焼き海苔をトッピングして完成だ。

「箕輪家ラーメン」950円(ランチはライス無料)
 

秋山さん

初めて行った時に家系ラーメンの「箕輪家ラーメン」を、麺かため、味濃く、油多くにして、煮卵とバターをトッピング。コッテリスープと太麺を楽しんで、スープひたひたの海苔で巻いて食べる白飯も最高でした。

スープが染み込んだ海苔でご飯を巻くのもおすすめ