相手の喜ぶ顔が見たい!夏ならではの手土産

家族に、友達に、あるいは仕事相手に贈るため……「気の利いた手土産」はいつだって知りたいもの。特に、夏場は冷たいものやさっぱりとしたものが好まれがちなので選択肢が狭まり、選ぶのがちょっと難しいかもしれません。

 

そこで、「手土産」をライフワークとするフードスタイリストの肱岡香子さんに、夏ならではの手土産のおすすめをうかがいました。今回のテーマは、「両親も喜んでくれる夏ギフト」。さらに、暑中見舞いとして贈ることもできるよう「お取り寄せも可能」なものだけを選んでご紹介します。

光に透かして眺めたい、季節を閉じ込めた和菓子。
紫野和久傳「季節の羊羹 笹ほたる」

京都の料亭「紫野和久傳」は、料理人が仕立てたお菓子も販売しています。「季節の羊羹」は、四季折々の景色を羊羹に閉じ込めた、風情あるシリーズ。春は「夜さくら」、夏は「笹ほたる」、秋は「月あかり」、冬は「まどの雪」と、その季節ならではの「あかり」に思いを寄せて作られているそう。

「季節の羊羹 笹ほたる」

 

「和久傳さんは、『……うまい!』という感じ(笑)。唸ってしまうくらい、素敵な商品作りのツボを心得ているお店だと思います。『京都の和菓子はこうあってほしい』というルックス、味を見事に実現してくれているんです。和久傳さんの和菓子なら、ご両親に食べてもらうのにもまず間違いありません。一番有名なれんこん菓子『西湖(せいこ)』ももちろん好きですが、今回は、夏ならではのこちらをおすすめします」(肱岡さん)

光が透ける様子を楽しみながらいただきます

 

「笹ほたる」は、抹茶餡の羊羹と、ほうじ茶の琥珀羹を、笹に集うほたるに見立てたもの。抹茶、ほうじ茶それぞれの上質なお茶の風味がしっかり感じられる逸品です。

 

「季節の羊羹 笹ほたる」

2,160円。14×8.5×5.5cm。販売期間は8月末まで。

 

紫野和久傳 伊勢丹新宿店

住所 東京都新宿区新宿3-14-1 伊勢丹新宿店本館地下1階 粋の座

TEL 03-3352-1111(大代表)

営業時間 10:30~20:00

定休日 伊勢丹に準ずる

阿佐ヶ谷の大人気アイスクリームをおうちで。
ジェラテリア シンチェリータ「ジェラートセット」

東京・阿佐ヶ谷に店舗を構える「シンチェリータ」。地元の人はもちろん、わざわざこのお店を目指してやってくる人でいつも賑わう、アイス好きなら一度は足を運びたい名店です。「一口目のインパクトよりも、食べた後の満足感や余韻を大切にしている」というジェラートは、甘みに蜂蜜をメインに使い、すっきりとしたおいしさ。

「ジェラートセット」6個。写真手前は「プラム」「ココ(ココナッツ)」

 

「素材の味をそのまま感じられるシンチェリータのジェラートは、夏の常備おやつとして、自分用にもよく買っています。サイズが大きすぎず、『甘くて冷たいものをちょっと食べたいな』という気分のときにぴったりなんです。年配のかたにもちょうどいいサイズだと思いますよ。店頭に買いに行く場合は自分の好きなフレーバーを選びますが、配送をお願いするときは『おすすめ』の詰め合わせにすることも多いかな。お店のかたが、その季節ならではのフレーバーを入れてくださいます。私は定番の『ノッチョーラ』『ピスタチオ』をよく食べますが、夏限定のフレーバーだったら『すいか』が大好き!」(肱岡さん)

 

「『すいか』は、神奈川県・三浦の大井農園さんから直送してもらったすいかを使い、果汁80%以上を配合した、かなり贅沢なジェラートです。ほかにも、『ココ』『奄美の黒糖』『クラウンメロン』など夏ならではのフレーバーをたくさんご用意しています」(「シンチェリータ」中井さん)

 

「ジェラートセット」

6個セット2,840円~、12個セット5,180円~、18個セット7,580円~。1個90ml。フレーバーは季節によって変わります。

 

ジェラテリア シンチェリータ オンラインショップ

http://shop.sincerita.jp/

 

違いのわかる人にぜひ食べてほしい!
ハウス オブ フレーバーズ「レモンケーキ」

料理家・ホルトハウス房子さんが営む「ハウス オブ フレーバーズ」。厳選された材料のみを使って作るお菓子は、どれも絶品です。特に、一台15,000円のチーズケーキは「日本一おいしいチーズケーキ」と評されることも。

 

「本当に悶絶するほどおいしい、ホルトハウス房子先生のスイーツ! レモンの風味をしっかり感じられる、『レモンケーキ』は絶品です。こちらのお店のチーズケーキにも言えることですが、『こんなにシンプルなのになんでこんなにおいしいんだろう? ここに一体何の秘密が隠されているの!?』と思ってしまう究極の味なんです。違いのわかるかた、もしくは味にうるさいお義母さんなんかに贈るのにいいと思います(笑)」(肱岡さん)

「レモンケーキ」

しっかり冷やして、厚さ1㎝くらいにスライスして食べるのがおすすめだそう

 

たっぷりのレモンの皮で風味をつけた生地を焼き、レモン汁を煮詰めた蜜をしみこませてフォンダンをかけた、風味満点のレモンケーキ。きゅんとした酸っぱさが、暑さに疲れた体にしみわたるおいしさです。

 

「レモンケーキ」

3,600円。横8cm×縦16cm×高さ5cm。

 

ハウス オブ フレーバーズ

http://www.houseofflavours-shop.com/shop/

 

富山を代表する、夏の銘菓。
薄氷本舗 五郎丸屋「季節の薄氷『蛍』」

「薄氷本舗 五郎丸屋」は、1752年創業の富山の和菓子店。ブランド名にもなっている看板商品の「薄氷」は、寒い冬の朝、水面に氷が張ったところをイメージして作られたものだそう。創業時から受け継がれる、富山を代表する銘菓です。

 

「五郎丸屋さんの『薄氷』は、シンプルですがとても美しい和菓子です。「薄氷」は春夏秋冬のシリーズがありますが、私が特に好きなのが夏の『蛍』。日本の夏の風情が感じられますよね。それから、こちらの『薄氷』は、常温保存で日持ちがするのもポイントです。私は手土産魔なので、いつも冷蔵庫がいっぱい。だからこういうお菓子は助かるんです。そのうえ軽いので、持って行くのも楽だし、お渡しする相手にも負担にならずに済む。そういった意味でも、安心してどなたにも差し上げられます」(肱岡さん)

「季節の薄氷『蛍』」。箱を開けると何枚も入っている様子は、まるで本当に蛍が集う庭のよう

口の中ですっと溶けるはかない薄氷は、一枚ずつ大事に味わいたい

 

「薄氷」の独特の風味と食感は、富山特産の新大正米を使用した煎餅に、阿波特産の高級和三盆糖を独自の製法で刷毛塗りして作られるもの。口の中に入れると、氷のようにすっと溶け、上質な和三盆の風味がほのかに口に残ります。

 

「季節の薄氷『蛍』」

10枚入り1,296円、20枚入り2,592円。販売期間は7月下旬まで。「蛍」の次は「浴衣」が登場。

 

薄氷本舗 五郎丸屋

http://www.usugori.co.jp

 

※価格はすべて税込み、送料別

 

 

監修/肱岡香子

料理本の撮影に使用する器や小物を選び、空間を演出するフードスタイリスト。日々撮影現場に差し入れのお菓子を持っていくうち、そのセレクトの妙が評判になり、「手土産の肱岡」の異名を持つまでに。手土産を買いすぎて、税理士に「これは一体何に使ったお金?」と指摘された経験あり。おいしいお菓子を求めて歩き回り、今日も「肱岡お菓子リスト」を更新中。

 

撮影/三好宣弘(RELATION)

 

取材・文/斎藤涼子(食べログマガジン編集部)