劇場のような空間で楽しみたい新しいピッツァの形
本田:これからどういうふうにしていきたい?
冨永:メニューに関しては、いろいろアドバイスをもらいながら、多少わかりやすくなるように、少しずつ構成を変えたいなと思っています。生地自体の進化もそうですけど、ピッツァの上で自分の味やクリエイションなどを表現していきたい。日本にフィーチャーしていても、自分にとってのイタリアはピッツァなので、ピッツァで表現することはすべてイタリアであるという確信を持っています。今、メニューの横に副題的に都市名を書いているんですが、その名前が日本のさまざまな地域や季節をフィーチャーして、今後はいろいろなピザを表現していきたいですね。そして、それをデグスタツィオーネとして楽しめる形に落とし込んでいければというところです。
本田:お客さんにアピールしたいことは何かある?
冨永:とりあえずランチからでいいので、まずはピッツァ・マルゲリータを食べていただいて、こんな味が北千住で楽しめるんだということを知ってもらいたいですね。そこからディナーにつなげて、ピッツァを楽しんでもらって。ナチュラルワインも置いているんで、ピッツァとワインを浸透させていきたい。そういったことを楽しんでもらえる場所を提供していきたいと思います。
本田:8席のカウンターでね。お寿司屋さんみたいな感じで他にないよね。カウンターでピッツァのコース、デグスタツィオーネをやっているのって、俺が知っているのは日本ではマンダリン オリエンタル 東京の 「ザ ピッツァバー ON 38TH」ぐらいだよね。8席のカウンターというのはなかなかないチャレンジ。
冨永:自分もその場でお客様と一緒に楽しみたいという思いがあったので、カウンターにしました。自分が作るものを楽しんでもらうのと同時に、自分自身の思いも知ってもらいたい。まだ伝えきれてない部分も多いんですが。知ってもらえば、また次、行きたいとなるんじゃないかと思うんです。カウンターはU字形になっているんで、隣の方や反対の方ともコミュニケーションがしやすく、お互いの顔を見ながら食事を楽しめます。周りの方と一緒に料理を作っていく瞬間を楽しんでもらって、その空間に私のピッツァがあって、初めて「TOMMY PIZZA」が完成する。ある意味、劇場のような感じですね。
本田:引き続き情熱を持ってピッツァを作っていってください。
冨永:ありがとうございます。常にブラッシュアップして、頑張っていきたいです。