新たな注目店を、そばマニアが解説!

そばの人気店100店が分かる「食べログ そば 百名店 2018」を発表! 気になる今年の傾向は!? 江戸ソバリエの前島敏正さんの解説とともにご紹介。 

前島敏正  (まえしま・としまさ) そば研究家。ほぼ毎日そばを食べ歩きながら、ブログや本でのそば情報の発信、そば同好会のセミナー主宰など、幅広く活動している。「そば鑑定士」「江戸ソバリエ及びルシック(ソバリエ上級者)」の資格を保有。訪問した全国のそば屋約1,000軒のデータベース化をしている。

2018年に訪れるべき「おそば屋さん」が分かる「百名店」 

ひと言でそば店といっても、最近はさまざまなタイプが登場し、営業形態が多様化しています。ざるそば1枚からOKの気軽な店もあれば、居酒屋のように料理が豊富な店、完全予約制を貫く通好みの店もあり、新しいそば店も続々オープン。そんな昨今のそば店選びに役立つのが、全国のそば店の中で食べログユーザーから高い評価を集める100店を選出した「そば 百名店」です。 

「土家」/bottanさん

「そば 百名店」に見る、そばトレンド

「そば 百名店」は、全国のそば店の中から人気の100店を選出したそば店ガイド。 2018年の新しい100店はどんなお店なのか? 気になる傾向を、江戸ソバリエの前島敏正さんに解説していただきました。 

 

今年新たに百名店に入ったそば店は全国で19店あり、うち5店は東京のお店。さらにそのうちの2店は、完全予約制です。 

「新登場の『由庵 矢もり』は、月島の路地の民家を生かした完全予約制のそば店。研究熱心なご主人が石臼で手挽きするそばや、体にやさしい料理をコースで提供する店です。まさに妥当な百名店入りですね。『そば工房 玉江』は駒込の一軒家のそば店で、予約の受付は一日1組(5名〜)のみ、そして半年待ち。ご主人は自分でそばを栽培していて、もともとそば打ちの道具を売っていた方です」(前島氏) 

「由庵 矢もり」のそばサラダ/Vitoママさん

「そば工房 玉江」のそば掻き揚げ/風太くんさん

 

昨今の人気店のキーワードは、“完全予約制”と“自家栽培”。自家栽培のそばを打つ店としては「慈久庵」「手打そば菊谷」「眠庵」が有名ですが、これらのお店も堅い人気を保っています。 

 

また、今年新たに百名店入りした他の3店も、そばを愛する店主の研究心が光るお店です。 

 

「『手打ち蕎麦と酒 佳蕎庵』は青梅街道駅のそばに2010年にオープンした小さな店で、料理が秀逸。『木挽町 湯津上屋』は東銀座と新富町の間の細い路地に佇む隠れ家的な店。本店は栃木県の湯津上温泉にあります。『蕎や 月心』は、『芦屋土山人』で修業したご主人が2009年に祐天寺にオープンした店です」(前島氏) 

「手打ち蕎麦と酒 佳蕎庵」の牡蠣の天ぷら/Medyさん

「木挽町 湯津上屋」/気まぐれミミィさん

「蕎や 月心」/砂不禁さん

 

「そば 百名店」の地域的な傾向としては、2017年と同じく全体の40%が23区と、圧倒的に都心に人気店が集まっています。百名店入りしたそば店の数が東京の次に多いのは長野県で、さらに続くのは北海道、神奈川、岐阜、京都。なかでも北海道を除く4県では、百名店入りするそば店も増加しました。たとえば神奈川からは「三吉橋 小嶋屋」「蕎麦 月読」「鎌倉 松原庵」、京都からは「そば処 桝富」「石臼挽き手打蕎麦 むら木」、長野からは「磊庵はぎわら」、岐阜からは「手打蕎麦 わくり」が新規登場しています。

 

「注目すべき新名店」と前島さんが教えてくれたのは、京都の「そば処 桝富」と、福岡の「赤間茶屋 あ三五」です。 

「そば処 桝富」/yama-logさん

「赤間茶屋 あ三五」/analy892さん

 

「『そば処 桝富』は鴨鍋が美味しい店で、いつも行列しています。『赤間茶屋 あ三五』は、“本日のそば”とでもいうようなその日のそばを出してくれ、野菜料理なども研究されています」(前島氏)

 

2018年の全国のそばの人気店をまとめた「そば 百名店」、いかがでしたでしょうか? 今年もおいしいそば店探しの相棒としてご活用ください。 

 

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