伸びしろは無限大! 磨き続ける研ぎの技と表現力

本田:将来、どうやっていきたい?
遊士丸:将来というか、あんまり先のことはまだわからないんですけど、僕らが今、田んぼをやったり、猟を主にしたりしている場所があって、そこでレストランをやりたいなと。今やっている店よりさらに田舎で、集落の道がそこでなくなるような場所に住んでいるんです。そこに普段使っていない大きな母屋があるので、それを改修して、田舎の奥だから宿泊もできるオーベルジュみたいにできたらと思っています。そこで料理をしたいなっていうのが一つの目標としてあります。
本田:それ、面白いね。「NOMI RESTAURANT」から、さらに離れてる?
遊士丸:ここから15分ぐらい。このレストランのあるところはまだ水道水なんですけど、そこは水道がなくて。
本田:水道がない?
遊士丸:山から出てきた井戸水とか湧き水をそのまま使っています。
本田:そこに住んでんの?
遊士丸:そうです。育ったのもそこで。
本田:電気はある?
遊士丸:電気はあるんですけど、街灯はないです。

本田:それは面白そうだね。そこでレストランやるとして、どんな感じでやりたい?
遊士丸:オープンキッチンにして、僕らももっと調理技術を上げて、見てもらえるようなレストランにしたいなっていうのはあります。よりライブ感があるっていうか。あと、僕らの前にその家に住んでいた方が陶芸家さんで、家の横に陶芸窯があるので、器とかも自分たちで作って。特に、父親が焼きたいって言ってます。自分たちで作った器をレストランで使ってみたいなというのがあります。
本田:夢があるね。家からも近いし、いいね、そこは。
遊士丸:家の近くを流れている川も水量は多くないんですけど、すごく冷たくて、サウナとかつくってもいいなと。オーベルジュにして料理だけではない、いろんなことを感じてもらえる場所にしたいですね。僕たちはその場所が好きで小さい頃はそこで遊んでいました。年齢が上がっていくに従って、自分たちがこれからどういうふうに身を立てていくかって考えたとき、やっぱりこの場所が好きだから、できればこの場所で自分たちで仕事を作って、生きていきたいっていうのがあります。来た人にその素晴らしさを感じてもらえるようにできたらいいですね。

本田:いいね。それは。まさにリアルだよね。そこで育ったわけだし。来たお客さんに何を感じてもらいたいっていうのはある?
遊士丸:包丁を研いで、それで料理をしていると、日本の包丁はすごくよく考えて作られているなと実感します。けれど、切れ味に関して強い意識を持っている方っていうのは少ない気がします。一昔前まではどこの家にも砥石があって、自分の包丁を研いでっていうのが一般的だったと思うんです。でも、今は、切れ味というのは、一度、廃れてしまった文化なんじゃないかなと思っていて。その切れ味を僕たちのレストランで感じていただきたいですね。あと「NOMI RESTAURANT」の「NOMI」は野生の味と書くんですが、レストラン周辺の野生の生命の味を感じてほしい。例えば、鹿肉のクセの強いところが鹿の味というのもすごくわかるんですけども、鹿が持つ本当にきれいな味を知ってほしい。僕たちは獲るところから料理をするところまで一貫していて、生命本来の味というか、そもそも食べるとはどういうことかをテーマにしたいので、そういうところも感じていただけたらいいなと思います。
本田:いいね。すごくいい話を聞かせてもらった。
三兄弟:ありがとうございました。
本田:これからもガンガン面白いことを楽しんでやってもらいたい。また次行くとき楽しみにしています。


