〈食べログ3.5以下のうまい店〉

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。
食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。

点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

そこで、グルメなあの人にお願いして、まだまだ知られていないとっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は山本憲資さんがおすすめする、人気の日本酒バル「青二才」が2021年に送り出した割烹兼角打ちをご紹介!

教えてくれる人

山本 憲資

Sumally Founder&CEO。1981年生まれ。大学卒業後、広告代理店を経て雑誌『GQ JAPAN』の編集者に。テック系からライフスタイル、ファッションまで幅広いジャンルの企画を担当。コンデナストを退職後、自ら起業、現在に至る。スマホ収納サービス『サマリーポケット』が好評。食だけでなく、アートやクラシック音楽への造詣も深い。

人気の日本酒バル「青二才」の新店「角打ち割烹 三才」

 

山本さん

まもなく建て替えの中野サンプラザでライブを観る予定があったタイミングで、公演前の腹ごなしに訪れました。店名に角打ちとあるので酒屋さんの一角の雰囲気をイメージしていましたが、そこは違って洒落たカジュアルめの割烹の雰囲気、日本酒もいい銘柄が充実、料理も一皿一皿工夫があっておいしかったです。

JR中央・総武線、東京メトロ東西線の中野駅北口を出て、飲み屋が軒を連ねるふれあいロードを北へ進み5分ほど。日本酒バルの先駆け的存在として知られる「青二才」グループが、2021年11月にオープンさせた「角打ち割烹 三才」がある。

このお店が面白いのは、入口を入って手前が角打ち(着席可能)、奥がカウンター割烹という二毛作営業を行っていること。角打ちエリアでは従来の「青二才」のように日本酒を1杯(3勺)390円〜、60分飲み放題を1,950円〜とリーズナブルな価格で気軽に味わえる。

店の奥に広がるのが、今回山本さんがおすすめするカウンター6席のみの割烹エリアだ。カウンターには和食店や築地の魚屋で働いた経験も持つ料理長の佐々木勇太氏と、青二才代表取締役社長で同じく和食料理人の経験も持つ小椋道太氏が交代で立つ。だしと素材をベースにした、和魂洋才なアプローチのイノベーティブな料理が特徴だ。

左から清酒専門評価者の山下人美氏、青二才代表取締役社長の小椋道太氏

常時40種類程度の日本酒のセレクトを担当しているのは、清酒専門評価者の資格を持つ山下人美氏。清酒専門評価者とは、新酒の品評会で審査を担当するなど公的に認められた唎酒師のこと。山下氏は、日本でまだ150人程度しか存在しない清酒専門評価者の一人で、選ばれし日本酒のプロと言える。

 

山本さん

気軽に入れそうな店構えで、日本酒のラインアップが充実しているところが魅力です。