【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#114】「TOKYO BHAVAN」(トウキョウ バワン)

南インド料理ブームの火付け役として知られ、連日大行列の人気店だった京橋「ダバインディア」が地域再開発の関係で4月に惜しまれつつ閉店しました。移転ではなく完全閉店ということで悲しんだ方も多いと思いますが、そのダバインディアのスタッフ、シェフが円満独立して5月に新たなお店を開きました。その名も「TOKYO BHAVAN」。

場所は飯田橋駅と九段下駅のちょうど真ん中くらいの位置。手書きの看板の雰囲気からしてダバインディア系を思わせます。

店内は程よい広さでインドの街の食堂のような雰囲気。

南インド料理と言えばミールスという定食が有名ですが、それだけではないさまざまな魅力があります。

「キーマドーサ」

まずはドーサからスタート。ドーサだけでも8種類あるのですが、その多くは大きさが選べるのもうれしいところ。「キーマドーサ」のMサイズ(850円)をお願いしました。

パリッと焼かれたドーサを三角形に折りたたみ、中にキーマカレーが入っています。そのまま食べておいしく、一緒についてくるサンバル(野菜カレー)やチャトニと合わせればまたその表情を変え、飽きずに食べることができます。

「マトンスッカ」

続いて「マトンスッカ」1,250円。骨付きマトンのスパイス炒め煮で、わかりやすく言えば具がたっぷりなセミドライのマトンカレー。たっぷりと入ったカレーリーフが香ばしく、マトンの濃厚な味わいがスパイスと調和しています。このまま食べておいしく、ライスなどと合わせても良いですし、ミールスにさらに追加の一品として豪華にするのも良いでしょう。

「ヴェジミールス」

最後にそのミールスを。「ヴェジミールス」2,200円にしました。サンバル、ラッサムなどといったミールスの基本アイテムに加えて日替わりの野菜カレーが2種。この日はトマトベースのミックスベジタブルカレーと、ココナッツベースの長芋カレーでした。どちらも南インド料理としてはかなりしっかりした味付けとスパイス使いで、リッチでパンチのある味わい。

南インド料理にも色々あり、現地で食べると非常に素朴な味のものも少なくないのですが、こちらは絢爛豪華な味わい。だからこそ初心者でもわかりやすいおいしさだと言えるでしょう。そしてこの味付けこそダバインディアを思わせるもの。このわかりやすい味ゆえにブームの火付け役となったわけです。

名店の遺伝子をしっかりと受け継いだ新店舗。ダバインディアの味が好きだった方は、悲しむことはありません。ここに行けば良いのですから。そしてダバインディアの料理を食べないまま閉店してしまったという方も、ここでその片鱗がうかがえますよ。

※価格はすべて税込

写真・取材:カレーおじさん\(^o^)/

文:カレーおじさん\(^o^)/、食べログマガジン編集部