食通が見いだした今月の新店

新型コロナウイルスの流行により苦戦を強いられていた飲食店は、少しずつ元の活気を取り戻し始めています。私たちも我慢の連続から少し解放され、おいしいものを食べて明日への活力に、そして、飲食店をより盛り上げて行きたいですね。

そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。

今回は、フードパブリシストの高橋綾子さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

高橋 綾子
フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。

今月のベストワン

Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください

A. 「シュイロ」です

京都・平安神宮の参道である神宮道にオープンしたオールデイダイニングなのですが、実は京都・美山の平飼い卵「うちゅうの夜明け」という、高級ブランド卵のフラッグシップショップなのです。

この卵はNON-GMO(遺伝子組み換え作物を分別管理)、NON抗生物質、NONホルモン剤をクリアしている上に、美山の良質な湧水と京野菜で育っているので、雑味をまったく感じない清らかな味わいです。

出汁オムレツサンドイッチ

その卵が主役にも脇役にもなる「スコッチエッグ」「ステーク・アッシュ」「朝定食」「出汁オムレツサンドイッチ」「ソフトクリーム」「ドーナツ」などのノンジャンルメニューに加え、「sio」「Hotel’s」などのプロデューサーシェフ、鳥羽周作さんの「京出汁カルボナーラ」「オムナポリタン」や料理研究家の大原千鶴さんの「湯葉たま丼」「牛たま丼」といったスペシャルメニューが一日中楽しめるとあっては、グルメならずとも素通りできません。

オムナポリタン

またこちらでは京都をよく知るバイヤーが厳選したインテリアや生活雑貨、器や食品なども販売していて、自分にもギフトにもうれしいものがいっぱい! さらに有名ブランドやアーティストのPOP-UPショップも期間限定で開催されたりと、“おいしくって楽しい”があります。京都に来たら必ず立ち寄りたいお店です。

Q. そのお店でおすすめしたいメニューを教えてください。また、おすすめの理由を教えてください。

A. 「シュイロ八寸御膳」(2,500円)です

予約の取れない料理教室「カンティーヌロゼット」主宰の渡邊敦子さんが監修したメニューで、「うちゅうの夜明けのTKG」と京都の食材を使ったおばんざいの八寸がセットになっていて、京都の“おいしい”がギュッと詰まっています。京都在住でフランスにも10年住んでいた渡邊さんらしい京料理とフランス料理がミックスされた、優しくもハッとする味わいに頬が緩みっぱなし。美山のお米で炊いたご飯はお代わりできるのでボリュームも申し分ない! 食べてハッピーになる一品です。

※価格は税込。

※アンケート内容をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

写真:久保田康夫
文:高橋綾子、食べログマガジン編集部