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【噂の新店】
全国にレストランとカフェで25店舗、ホテル6店舗を持つ株式会社「ひらまつ」が恵比寿と代官山の間に新業態のレストランをオープンしました。「ひらまつ」史上初という洋食のカウンターレストランに大人たちが色めきます。
歴史があり、多ジャンルの店を展開する「ひらまつ」だから作れたレストラン

恵比寿駅周辺の喧騒を抜けると、静かに、しかし内側からただならぬ存在感を醸し出す店が現れます。「HRMT STAGE」という名のこの店は日本のフランス料理界のパイオニア「ひらまつ」が守り続けた伝統を再構築し、次世代へ継承するためのステージとしてオープンしました。「もしや超高級店?」と入るのに躊躇してしまうほどゴージャスな雰囲気ですが、実は1皿&1杯からOKのカジュアルレストランなのです。

メニューには「マイクロリーフのサラダ 24ヶ月熟成パルメザンチーズ」(1,000円)、「旬の菜の花とホタルイカのアリオリ」(1,300円)、「本日の鮮魚料理」(2,400円)など、前菜、魚料理、肉料理、〆のパスタ、デザートがラインアップ。また事前予約制ではありますが7〜8品からなるコース(12,100円)も用意し、記念日や会食や接待にも対応しています。

こちらのシェフに就いたのは29歳の志水厚太さん。2016年に入社してから「リストランテASO」「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」「代官山ASO チェレステ 日本橋店」で腕を磨き、こちらの料理長に抜擢されました。イタリア料理専門でしたがこちらはジャンルレス。意気込みを聞くと「自分で料理のジャンルを決めてはいけない。おいしく作れるのが“シェフ”なのだと教えられました。10年間イタリア料理に専念してきた自分の料理と『ひらまつ』の料理とを融合させた新しい料理を作るのが楽しくて仕方ありません」と答えます。
メニューは「ひらまつ」のトップシェフたちと考案する新しいスタイル

「ひらまつ」史上初のカウンターを設えた空間なら、供されるメニューも史上初。こちらではフランス料理、イタリア料理、日本料理、イノベーティブ料理のエッセンスを取り入れ、各ジャンルの「ひらまつ」のトップシェフたちがプロジェクトメンバーとなり全員で考案しています。フランス料理を軸に各ジャンルをミックスして再構築した、「ひらまつ」の新ブランドにふさわしい皿が並びます。

それを象徴するのが「はじまりの一品」で供される、ウォータードリッパーで作った「オリエンタル出汁」です。

昆布出汁を鮪節、レモングラス、生姜、レモン皮、タイム、イタリアンパセリ、エストラゴンを通して6時間ほどかけて抽出します。ほっこりすると同時にその複雑妙味に食欲が覚醒! 添えられた「白味噌とあおさのりのグジェール」のふわしっとり、それでいてぎゅっと詰まった生地のおいしさに圧倒されます。うまみと香りが重なるはじまりの一品にいやが上にも期待が高まります。

まさに最盛期を迎えたアスパラガスは王道のオランデーズソースで。「ひらまつ」伝統のレシピをエスプーママシンで抽出して滑らかさと軽さを追求しています。ふわりとしたテクスチャーですがコクはしっかりあって、新鮮なアスパラガスの力強さにピッタリ! 伝統を守りつつ進化させる、この店の在り方を象徴した皿です。

肉それぞれの火入れ、美しい断面にするデザイン性、味、食感、ゼリーの流し込み、型への敷き詰め方とさまざまな要素で高度な技術が求められる「パテアンクルート」。クラシックな料理ほど料理人のセンスと腕が問われます。

「ファルスとなる豚肩ロース、豚もも肉、砂肝、フォアグラテリーヌはすべて0.5mm角で手切りし、それらをスパイスでマリネして味と香りをつけるのに2日、ブリゼ生地を作るのに2日、パテ型にパートブリゼを敷き、ファルスを詰めて焼いてから冷ますまでに2日、ジュレを流し込み固めるのに1日かかります」と、この一切れにこれほどの手間と時間をかけていることを知ると味わいもひとしお。それをさらりとこなす志水さんの実力あればこその一皿です。

北海道産のじゃがいもは冷凍して繊維を分解させることで甘みが増し、食感はしっとりホクホク。赤味噌、白味噌、トマト、緑と黒のオリーブを自家製マヨネーズで和えた特製の味噌タップナードをたっぷりつけて!
新発想! ソースで選ぶメインディッシュ!

これまで何のソースを食べたいかで料理を選んだことがあったでしょうか? あるようでなかった「ソースで選ぶメインディッシュ」に心が躍ります。沸く寸前の火加減で長時間かけて取る繊細でクリアな「ひらまつ」独特のフォンから作るソースは、味わい深くコクもありますがテクスチャーはとても軽やか。

選んだソースは豚の出汁にオリーブとケッパーを入れて煮込んだ「シャルキュティエール」。フランス語で主に豚肉を加工する専門職人を意味する「シャルキュティエ」が語源だけに、米沢豚のエレガントなうまみを華やかにする術は知っていると言わんばかり。“ソースで選ぶ”が腑に落ちる至福のマリアージュです。

〆のパスタは手打ちしています。「小麦粉はコシが強くて香り高い北海道の『春よ恋』と『ゆめちから』をブレンドし、卵黄を多めにしてやわらかく仕上げています。試作を重ねて出汁に一番合う配合にしました」と志水さん。一晩寝かせた生地を畳んではパスタマシンで延ばすを繰り返し、0.8mmほどの薄さにします。

延ばした生地をタヤリンの幅に仕上げます。このように真っ直ぐに仕上げるには生地を平らに延ばす技術が必要だそう。くっつきやすいのですぐに打ち粉してスタンバイ。

昆布だしとにんにくオイルベースで作ったソースをタヤリンに絡め、塩分濃度の高い沖縄の塩で漬けてから3日間日本酒漬けにして干した自家製のからすみをたっぷり削りかけています。からすみ、パスタ、ソース、それぞれのクオリティの高さから生まれた究極のシンプルパスタです。
食を知り尽くした大人が行き着く場所

40年以上の歳月をかけて、日本におけるヨーロッパの食文化の普及を目標としてきたひらまつ。日本が大切にしてきたうまみを活かし素材と調和するクリアなソースは、未来に向けて継承すべき感性であるとし、「HRMT STAGE」にこれまで作りあげた“美しい味”を未来へ残すことを託しました。ここは「ひらまつ」にしか作ることができない新しいレストラン。食の楽しさを知り尽くした大人たちが何としても行きつけにしたいと思わせる魅力にあふれています。
※価格は全て税込。


