〈サク呑み酒場〉

今夜どう? 軽〜く、一杯。もう一杯。

イマドキの酒場事情がオモシロイ。居酒屋を現代解釈したネオ居酒屋にはじまり、進化系カフェに日本酒バー。どこも気の利いたツマミに、こだわりのドリンクがそろうのが共通点だ。ふらっと寄れるアフター5のパラダイスを、食べログマガジン編集部が厳選してお届け!

おかえりなさい、ハムキャ別!

ハムキャ別(400円)。キャベツのシャキシャキとした歯応えが快い。

再開発の影響により、2018年に惜しまれながら閉店した「大衆立呑酒場 富士屋本店」。印象的なロの字のカウンターをご存じの方も多いだろう。その4年後、2022年11月に「立呑 富士屋本店」は渋谷桜丘・さくら通りに移転再開を遂げた。

新たなメニューの登場とともに、富士屋本店の初期から愛され続けてきた料理も健在だ。「ハムキャ別」は、何度食べても飽きのこない、シンプルだからこそ最強の一品。ハムキャ〝別〟という表記とともに、レシピを引き継いでいるそうだ。「本当に400円?」と思わず2度見するほどどっさり盛られたハムも、以前と同じ肉屋さんのものを使っている。

通い詰めて制覇したくなるハズレなしのラインアップ

肴・魚・揚・焼売・肉・〆めと並ぶ。気軽に頼める300〜400円台のメニューも、選択肢が多くうれしい。
「本日のうまかもん」の黒板も。旬の食材を用いるため、通年で注文できるものと期間限定のものがある。

ハムキャ別と同様に、スパサラ(300円)・なすみそ(300円)・しいたけ天(450円)・ゲソ天(500円)なども昔ながらのメニュー。往年のファンから「残してくれ!」と強い要望のあったものも多いそう。ちなみに「富士屋本店」にはワインバー、グリルバー、和食などの姉妹店があり、他店舗との連携により豊富な料理とドリンクの提供を実現している。気ままに楽しみながら、自分のナンバーワンメニューを見つけてみては?

旬の魚と新鮮な野菜で体も喜ぶ

〆サバ ゴマ和え(800円)。〆サバの風味とクレソンの苦みが絶妙!

今が旬であるサバをたっぷり堪能できる人気メニュー「〆サバ ゴマ和え」は、つやのある〆サバと新鮮なクレソンが目にもおいしい。たっぷりのゴマは香ばしく歯ざわりも良く、一口目から五感を刺激する。飲みの席でも、おいしくて体に良いものが食べたい大人たちにおすすめだ。

冬だけの特別なごちそう。こっくり濃厚な白子グラタン

白子グラタン(900円)。白子と里芋の相性が抜群!

熱々の出来立てで運ばれてきた瞬間、思わず歓声を上げてしまうほど良い香り。ふくふくと焼けたチーズの下には、旬真っ盛りの白子と、出汁を染み込ませて炊いた里芋がふんだんに盛り込まれている。里芋のまったりとした食感がくせになる。凝縮された白子の旨味が広がって、鼻から抜けていく風味までおいしい! 味わえるのは冬の間だけなので、くれぐれもお見逃しなく!

人に教えたくなる、感動的なおいしさのハムカツ

ハムカツ(750円)。「ハムカツ」のイメージを塗り替える味わい。

厳選されたロースハムをダイナミックな厚切りでかぶりつけるのだから、おいしくないはずがない。思い切って頬張った瞬間、旨味が口全体にジュワッと広がる。脂の甘味もたまらない! サクサクと快い歯ざわりの衣は薄めながらしっかりとした存在感で、ハムを完璧に引き立てている。ビールのお供に最高!

具材をかかげた、主役級の焼売3種

牡蠣焼売・海老焼売・ラゲー焼売(2個400円)。1個200円で追加注文も可能。

焼売は、400円で3種類から2個を選ぶスタイル。写真の上から時計回りに牡蠣・ラゲー・海老焼売で「ラゲー」はきくらげのこと。カウンターで蒸し上げてそのまま席に届くので、出来立てを堪能できる。口に入り切らないサイズ感も、具材が上にのっている見た目もインパクトが強い。オイル漬けで旨味たっぷりの牡蠣、コリコリとした食感が楽しいラゲー、定番の海老。どれも主役級だ。