移転でパワーアップの焼き鳥店と、中華の魅惑的焼き物料理店

今年注目間違いなしの焼き鳥店

今月はまず、これから必ず注目されるであろう2店をご紹介します。

1店目は2月4日、麻布十番にグランドオープンする焼き鳥「酉囃子」です。神楽坂で大人気だった「焼鳥茜」がわざわざ移転して、店名まで変えての再スタート。プレオープン時にうかがいましたが、全てのクオリティがアップしていて、その覚悟が伝わってきました。

焼き台は炭火と薪火の両方があるという珍しい造り。さらにエアカーテンで遮られているので、煙い思いをせずにご主人、林裕太さんの技を楽しめます。そして肝心の焼き鳥は細やかな工夫が凝らされていて飽きることがありません。手羽先は骨を抜いて柚子を仕込み、藁焼きのレバーは、あえて1切れを皿に。希少なゆり根「月光」の甘みも驚きです。

すぐに予約困難店になりそうですが、うれしいのは毎日2席分は電話予約用に空けているということ。その席は毎週月曜に1週間分を受け付けるようなので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか(受け付けの曜日は変更になる可能性があります)。

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手羽先   出典:haute9さん

まるで香港。味もムードも抜群

そして1月15日、四谷三丁目にオープンした中華「新楽記」は、マニアに受けそうなお店です。かつて外苑前にあった故・勝山晋作さんのナチュラルワインと焼き物の店「楽記」にもかかわりのあった写真家・菊地和男さんがプロデュースを担当。楽記はワインが主としてスタートしましたが、こちらは焼き物を堪能しながら、カジュアルなワインをがぶ飲みする感じです。料理長は「赤坂璃宮」出身。

窯焼きチャーシュー、スペアリブ、皮付き豚バラ肉焼き、そして焼いた豚肉と背脂、レバーを重ねた円形の金銭豚など魅惑の品々がズラリ。さらに野菜は錦糸町にあった「サウスラボ南方」(こちらも菊地さんプロデュースで、シェフは現在「港式料理 鴻禧」で活躍中のトミーさんこと覃志光シェフでした)で注目を浴びた千葉の農園テラ・マードレから。パクチーの根を揚げたパクチーサラダは必食です。紹興酒は無くワインとビールのみ。4人以上で訪れたほうがより楽しめると思います。故・三谷青吾シェフの名店「レスプリ・ミタニ」があった場所です。

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焼きもの盛合せ   出典:seiji675567さん

「新楽記」の紹介動画はこちら!
https://www.instagram.com/reel/DFSG2l1z7jc/?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=MzRlODBiNWFlZA==

駅から近すぎる立ち飲みワインの店と、カジュアルな本格台湾料理店

駅徒歩10秒、大人のオアシス

カジュアル系も気になるお店が出てきました。

1店目は12月19日、代々木八幡駅の階段を下りてすぐ左にオープンした立ち飲み「pupuMARUCO(ププマルコ)」です。渋谷「酒呑気まるこ」などを展開する(株)コジマ笑店の初のワイン業態で、2階はテーブル席。

1階の立ち飲みにうかがいましたがなんとグラスワインは500円。おすすめという、極薄にスライスした生ハムや、ハムカツも500円。一番高いメニューが、1,000円のスパイスカレーグラタンというお値打ちぶりです。平日は15時オープンなので、0次会には最高でしょうし、仕事帰りにちょっと一杯というニーズも高そうです。ちなみにワインは2,000円で持ち込み可。大人のオアシスになりそうです。

スパイスカレーグラタン 撮影:大木淳夫

台湾ファンにはうれしい、まるで現地の居酒屋

1月17日、 中目黒の高架下にオープンした台湾料理店「熱炒 虎打楽(ルーチャオホダラ)中目黒店」も注目です。「熱炒」とは炒め物中心の台湾式居酒屋のこと。この文化を台湾で一番古い醤油メーカー「丸莊醤油」の4代目である莊偉中さんと、台北で多店舗展開する飲食店経営者・徐安昇さんという、日本好きの台湾人2人が持ち込んでくれました。

そんなわけで、店内は現地感が満載。お酒は豊富な台湾クラフトビールやカバランのハイボール缶を、自分でショーケースから選べます。料理も「麻婆臭豆腐」「三杯鶏」など台湾ならではのメニューがずらりと39種。1人だったので「モツの生姜炒め」「スルメイカと台湾干豆腐の田舎炒」「台湾炒飯」を頼みましたが、強烈な酸味を持つ生姜炒めの高菜と炒飯の相性が抜群で、夢中になりました。

モツの生姜炒め 撮影:大木淳夫

間口の広いワイン&中華と、料理も充実の隠れ家ワインバー

使い勝手の良い、ナチュラルワインと中華

12月10日、永福町にオープンした「yura飯店」はナチュラルワインと中華のお店です。

とはいえ住宅街に近いこともあり、ワイン一辺倒ではなく他の酒類も充実。料理は山椒と自家製ラー油が利いた「八丁味噌で煮たトリッパ」や「緑一色 麻婆豆腐」といったアクセントのあるメニューから定番中華まで揃い、誰もが楽しめそうです。同じビルにある同系列のイタリアン「永福町ichi」、居酒屋「居酒屋一」のメニューの注文も可能です。

八丁味噌で煮たトリッパ 山椒と自家製辣油 撮影:大木淳夫

50代にもたまらない、神楽坂のワインバー

12月9日、神楽坂にオープンしたワインバー「TROMBA(トロンバ)」は、六本木で間借りで「Winebar310」を経営していた佐藤将貴さんの実店舗。

マンションの路地を入った奥の1階で、カウンター6席とテーブル1卓。明かりは落としめで隠れ家感抜群です。メニューは少ないものの茨城県の三右衛門豚を使ったジャンボンブランやリエット、ラム肉のハンバーグ、パスタなど。グラスワインは1,000円台前半が中心で、家庭では手に入らない銘柄が揃っていて、自然と酒が進みます。客層は若い女性1人客が多かったのですが、BGMは80年代のアメリカのヒットチャート。50代もたまらないかもしれません。

ラム肉と紫蘇のハンバーグ
ラム肉と紫蘇のハンバーグ   写真:お店から