【第3週のカレーとスパイス】カレーマニアも興味津々! 新大久保に期待大のネパール料理店がオープン「Chulo ghar」(チュロガ)

新大久保駅周辺と言えばカレー好きの間ではネパール料理の名店が多いことで有名です。激戦区であるが故に味が良くても場所や出店のタイミングが良くないと生き残れないのですが、そんな街でまた新たなお店が誕生しました。今回ご紹介する「Chulo ghar」は色々な意味で今後に期待できる面白いお店です。

何が面白いのかというと、ビル一棟ほとんどがそのお店であり、1階こそ韓国料理店ではあるものの、2階から4階、そして屋上までがこちらのお店のエリアとなる予定だそうです。予定というのも現在はオープンこそしているものの諸々準備中であり、現在営業中なのは2階だけ。

チュロをモチーフにした内装

しかし現在営業中の2階だけでも行く価値があります。テーブル席と座敷席が入り混じった空間はネパール人が好むものですが、日本人にも新鮮に感じられて面白い造り。店内には店名ともなっている昔ながらのチュロ(ネパール伝統のかまどの台所)をオブジェ的にあしらってある、実に凝った内装となっています。

「マトンチョイラ」

見た目だけでなく、料理のレベルも高いです。まずは「マトンチョイラ」880円からスタート。チョイラとはマトンを焼いてスパイスでマリネしたネパール料理の代表的なものの一つなのですが、こちらのチョイラはがっつりとニンニクが利いていて辛さもしっかりしたパンチのあるおいしさ。お酒のおつまみにもってこいです。

「ディドセット」

メインは「ディドセット」1,540円にしました。ディドとはネパールのそばがき的な料理。こちらのセットはディドにチキンカレー、野菜のタルカリ(スパイスで炒め煮したおかず)、ダル(豆スープ)、ダヒ(ヨーグルト)、ギー(バターオイル)、ゴルベラコアチャール(トマトチャツネ)、パパド(豆せんべい)、ムラコアチャール(大根のスパイス漬物)、グンドゥルックサデコ(発酵青菜を使った和え物)、サグ(青菜炒め)がついた豪華版。どれを食べてもおいしいのですが、特に野菜のタルカリとグンドゥルックサデコが出色の出来栄えで、名店がひしめき合う新大久保エリアにおいても特にレベルの高い逸品です。

ディドはネパールにおいては喉越しを楽しむ料理で、現地の方はこれを噛まずに飲み込むのだそうですが、こちらのディドはそのまま飲み込むには少々もっさりした食感です。しかしだからこそおかずと一緒に食べたりカレーをかけて食べたりする主食として日本人にも馴染みやすいものとなっており、その独特の香りと食感がクセになるような仕上がりでした。

準備中のメニュー

メニューもまだ準備中で今後進化していくとのことで、準備予定のものを見せてもらったところ、他のネパール料理店ではなかなか見かけないようなものもあって興味津々。

準備中の3階には、なんとビリヤード台が!

そしてさらに今回は特別に2022年10月現在は準備中である上の階も見せてもらいました。まず3階に上がるといきなり驚きのビリヤード場。4階はまた飲食店、そして屋上でもお酒が飲めるという形で準備中だそうで、遊び場と飲食店が一緒になった空間でした。

こちらも準備中の屋上テラス

しかし先述したように現在営業中なのは2階のみ。繁盛すればそれだけ早く工事も進んでいくでしょうから、その進化の過程を見ながら応援したいお店です。

夜のイスラム横丁

場所は通称イスラム横丁と呼ばれる通りの奥。スパイス料理をする方にとってはおなじみのエリアですから、買い物がてら少し足を延ばして立ち寄ってみてほしいお店です。少しずつ進化していく姿を、みんなで応援しつつ見守ろうじゃありませんか。

【第4週のカレーとスパイス】野菜たっぷりでヘルシー! 入りやすいのにメニューはマニアックな西インド料理店「インディヤム」

インド人が多く住んでいることで有名な西葛西と、やはり近年インド人居住者が増えてきていることで知る人ぞ知る船堀の間くらいの位置に、西インド料理のお店が誕生しました。その名は「インディヤム」。

住宅街の中に溶け込むように佇むそのお店は、マニアックな西インド料理店でありながらもカフェのような雰囲気で入りやすく、地元の日本人とインド人居住者がどちらもいる空間となっており、このエリアならではだなと感じました。

西インド料理に特化したお店も近年少しずつ増えてきていますが、まだまだ一般的にはマニアック。西インド料理の特徴は、西インドにはベジタリアンの人が非常に多いので野菜料理が充実しているということと、ムンバイパンをはじめ、パンを食べる文化があるということでしょうか。

せっかくなので西インドらしいメニューを色々といただいてみました。

「パオバジ」

まずは西インド料理を代表する「パオバジ」880円から。パオとはパンのこと。それにバジという豆カレーを合わせる軽食です。バターで焼かれたパオは半分にカットされていて、そこにバジと生野菜をはさみ、レモンを搾っていただきます。野菜のみとは思えないくらいのしっかりした食べ応えと満足感を得られる料理です。

「サプダナキチュリ」

続いて「サプダナキチュリ」600円。わかりやすく言うとタピオカのスパイス炒め。ほのかな甘みとスパイス感が合わさった面白いテイスト。そのまま食べて良し、ライタ(ヨーグルトサラダ)をかけて良し、カレーを合わせても良いでしょう。

「コフタカレー」

今回は「コフタカレー」1,060円をかけていただきました。メニューには肉団子と説明がありましたが、肉は使用せずベジの団子なのでベジタリアンの方にも安心です。

「チキンカバブフランキー」

肉も食べたい気分だったのでフランキーも。フランキーとはラップロール的なもの。こちらも西インドではベジが主流ですが、ベジのみならず「チキンカバブフランキー」990円もあったのでこちらにしました。

チキンティッカと野菜を薄焼きパンで包み、それをオーロラソースにつけて食べます。こちらも満足度の高い軽食です。軽食とは言えあれこれ食べてお腹いっぱい。しかしほとんどが野菜ですからヘルシー気分。

駅から離れていることもあって時間の流れはゆったりしており、それもインドのようです。雰囲気も味もインドを感じることができる空間が東京にあるのは面白いことですね。

野菜を沢山食べたい時、西インド料理は特におすすめです。船堀駅から15分程度、西葛西駅からだともう少しかかる場所ですが、歩いていくのも健康に良いですし、その価値のあるお店ですから、沢山歩いて沢山の野菜を食べに行きましょう!

※価格はすべて税込です。

※外出される際は人混みの多い場所は避け、各自治体の情報をご参照の上、感染症対策を実施し十分にご留意ください。

※営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、最新の情報はお店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

文・写真:カレーおじさん\(^o^)/