覚えておきたい日常使いの3店
続いては覚えておきたい、さまざまなシーンで活用できそうなお店をご紹介しましょう。まずは9月3日、西麻布にオープンした「ふるめんUSA」。
かつて六本木一丁目にあった「六本木ふるめん」は、一見普通の町中華ながら、深夜までとんでもなく高いクオリティの料理を出すことで知られ、多くの有名人も訪れていました。その姉妹店が「ふるめんクロスロード店」で、こちら「USA」が3軒目。ちなみにオーナーは、元「食幹」料理長の古川弘英氏です。中華なのになんでUSA?という当然の疑問についてですが、お店の目の前が星条旗新聞社でも知られる在日米軍基地だからだそうで、そう言われれば納得です。なぜかメニューに普通のフライドポテトもありますが……。
店内は全て個室。しかもアラカルト。シュウマイや春巻きは2個からオーダー可で、麻婆豆腐は4種類と、選ぶ楽しさもあり、ラストオーダーは朝4時半。使えます。
人気店の系列という意味では、9月5日、代々木八幡にオープンした「日々ごはん 穂の間。」も注目です。創作和食店「四季ごはん 晴れ間。」の中原知美オーナーが、弱冠28歳の川東眞央さんを店長に抜擢。山手通り沿いながら、隠れ家っぽい立地はそそられます。締めの炊き込みご飯もおいしく、一人飲みや気の置けない友人との会食などで活用できそうです。
東京駅八重洲口の飲食街、グランスタ八重北に9月8日にオープンしたのは「バンゲラズスパイスビストロ&カフェ 東京駅」。2018年、銀座にインドのバンガロール地方の料理に特化した「バンゲラズキッチン」が登場したときは衝撃でした。ご一緒した有名インド料理店のシェフが、見たこともないメニューの数々に目を見張っていたことを覚えています。そのカジュアルなビストロ版がこちら。ドーサをタコス風にアレンジしたりといったメニューもありますが、タンドリーチキンからビリヤニまで、普通においしそうな品々が並んでいます。グラスワインも500円ほど。新幹線の行き帰りなどにもご活用ください。
グルメなら知っておきたい「銀座きた川」と「膳処末富」
どちらもほぼ予約が取れませんが、「銀座きた川」(9月1日)、「膳処末富」(麻布十番、9月5日)のオープンは、グルメなら覚えておいていいかと思います。
お店の詳細は記事をお読みいただきたいのですが、超豪華食材と食べきれないぐらいの量という、現在の人気日本料理店のスタイルのはしりとも言うべき「銀座しのはら」(2016年東京進出)出身の若手たちが「銀座きた川」でどのような新しい流れを作るのか。開店までそれぞれが「成生」「鮨なんば」「鮨 龍次郎」「銀座 大石」など様々なジャンルの有名店でも学ぶなど、まさにSNS時代の申し子のような動きをしていましたし、今後が楽しみなお店です。
そして「鈴田式」「薪鳥新神戸」と、麻布十番で疾走する末富信さんが、自ら板場に立つ「膳処末富」。納得できるレベルになるまで店をオープンしないというこだわりの中、ようやく開店したお店です。コース30,000円(サービス料別)ですが、もしどなたかに誘われたら、迷わず訪れるべきでしょう。
福岡のソウルフードは博多うどんです
みなさんは福岡県民のソウルフードがとんこつラーメンではなく、博多うどんだということをご存じでしょうか。私は以前『博多うどんはなぜ関門海峡を越えなかったのか』という本を作ったことがあり、著者のサカキシンイチロウさんと福岡で食べまくりました。どこまでもやわらかい麺とだしの旨さは出色ですが、東京では残念ながらあまりお店がありません。
という中で9月1日 、中目黒に「肉やきとだしと博多うどん中目黒はし田」という長い名のお店がオープンしました。六本木ヒルズで3年連続ビブグルマン獲得も、2018年に閉店した「はし田」の新業態で、夜は「だし」で焼肉を食べるスタイルです。そしてもちろんお昼は、うどん。うれしくて早速、“ごぼ天”を。博多うどんといえば、ごぼうの天ぷらうどんですから!
こちらでは、ごぼ天を別盛で提供。まずは塩で、その後にだしにつけてという食べ方をおすすめしています。ごぼうの甘みとだしの旨さ、たまりません。
最後に、この稿では間に合いませんが、“肉マイスター”こと田辺晋太郎さんが手掛ける中野の人気店「ホルモン人生タロちゃん」が「焼肉人生タロちゃん」として、9月23日に自由が丘店を、9月28日には桜新町店をオープン。こちらも快進撃となるでしょうか。