中華そば
実は、うどんと人気を二分しているのが「中華そば」。広島ラーメンの源流を思わせる豚骨鶏ガラ醤油ベースのスープに「川中醤油」と共同開発したタレで仕上げる豚バラチャーシュー、シャキシャキの緑豆細モヤシが添えられていて、食べ応えあり。
中華そばファンの期待に応えるべく、2013年にオープンした中華そば専門店「中華そば ちから」(中区八丁堀)では、「博多一風堂」とコラボした「新元味(しんもとあじ)」や「こく味」「チャーシュー麺」など、色々なメニューがスタンバイする。
おはぎ
麺類と一緒につい注文してしまうのが、手作り感たっぷりのおはぎ。北海道十勝産小豆「雅」と白ザラメ糖を贅沢に使った餡が上品な甘さでうどんとの相性も良し。生地は広島県産もち米を丁寧に蒸すことで、モッチリとした食感に。「きなこ」や「餡入りきなこ」もあり、普段のおやつや、お彼岸の際にまとめて買う人がいたりと、安定の人気を誇っているのだそう。
ほかにも、店内ではそばや丼といったメニューもオーダーでき、持ち帰りではパッケージの可愛らしさが目を引くわらび餅も手土産に好評。むすび、五目いなり寿司、巻き寿司などのご飯もの、季節で登場する桜餅やいちご大福、水笹餅といった和菓子もチェックしたい。
素材へのこだわり、味への飽くなき追求が生んだ栄光の数々
整備されたクリーンルームでの製造、徹底した品質管理など、本物の味を追求しながら素材と味に並々ならぬ情熱を注いできた「ちから」。その味がどれほど世界に通用するのかと、力試しに家庭でちからの味を楽しめる液体だしパック「ちからのだし」を2010年のモンドセレクションに出品したところ、金賞を受賞。同商品は2022年まで13年連続で優秀品質賞を受賞しており、国内外から高い評価を受けている。
さらにこの「ちからのだし」は、広島の特産品で特に優れたものだけが選ばれる「ザ・広島ブランド」にも認定。原材料に広島のものが使われていないにもかかわらず選定されるのは、きわめて異例のことなのだそう。「たくさんのお客様が“ちからは広島を代表する店”“ちからのうどんがソウルフード”と言ってくださったことで、このような栄誉をいただけました。やはり『ちから』は、広島に育ててもらった味なんです」と、小林さんは笑顔を見せる。
“広島でしか食べられない味”として皆さんの心に
「県外や、時に海外のお客様からもお取り寄せのご依頼をいただくのですが、天然のダシを使っている当社の商品は日持ちがしないので、年に一度の年越しそば注文を除いては、地方発送をしていないんです。離れて暮らす広島出身の方は帰郷の際に、県外の方はこちらを訪れた時の食事場所として、足を運んでもらえたらと思います。もちろん地元の方たちには、これまでと変わらず“いつもの店”として利用していただけたらうれしいですね」と話してくれた小林さん。県民に愛され続ける味わい深いうどんには、素材や品質にこだわる、同店の努力が詰め込まれていた。