コロナ禍だからこそ生まれた、サスティナブルな店

『Burger POLICE』内観
木目調の店内に、黒とシルバーのカウンター席が目を引く。

「Burger POLICE」がオープンしたのは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、飲食店に時短要請が出ていた2月28日。飲食店が耐え忍ぶなかでのオープンだったが、松本さんによると店の構想自体が、最初の営業自粛・時短要請が出された中で生まれたという。

姉妹店である「TACUBO」は食材にもこだわり、生産者とのつながりを大事にしている店だ。飲食店が苦境ということは生産者も苦境であるということ。育った作物は収穫を待ってはくれないのに、卸先となる飲食店は仕入れ量を抑えるしかない状況。そんな生産者の力に少しでもなりたいが、同店は席数も限られ、客数や回転数を求める店ではなく、仕入れ量を増やすことはなかなか難しい。そこで、価格帯を抑え、ある程度の数が見込めるハンバーガーを提供する店を発案。オープンに至ったというわけだ。つまり、コロナ禍だからこそできた店といえる。

『Burger POLICE』内観
席はカウンター6席、テーブル席16席。満席の日が多いので予約は必須。

同店には、紹介した2種のハンバーガー以外に、塩バーガーの最上級といえる「プレミアム塩バーガー」、「TACUBO」のボロネーゼをベースにしたソースが楽しめる「ザ・バーガー」、麻布十番にある「羊SUNRISE(R)」とコラボした国産羊肉の「羊SUNRISE (R)バーガー」、大きなしいたけだけなのに満足感たっぷりの「王様しいたけ(R)バーガー」がある。ハンバーガーによってバンズも変え、もっちりとした酒種バンズと、フランスパンのような風味をもたせたドギーバンズを使い分けている。どれもがこだわり抜いた生産者と直結しているハンバーガーだ。

コロナ禍でのオープンながら、そのおいしさが評判を呼び、すでに連日満席が続いている。駅から少し歩くだけに予約は必須だ。今後、21時以降の営業が可能となれば、ワインと前菜に舌鼓を打ち、締めにハンバーガーという楽しみ方もできるようになる。

「予約の取れないハンバーガー店」「お酒の締めにハンバーガー」。
そんな新たなハンバーガー文化が広がるかもしれない。

【本日のお会計】
■食事
・焼きケールと山利のしらす 1,320円
・塩バーガー 1,980円
・やま幸(R)の鮪バーガー 1,980円
■ドリンク
・Cambrusco Rose Petillant 2020 1,100円
・自家製生レモンスカッシュ 880円
■その他
・席料 550円×2
※17時以降の入店時のみ
合計 8,360円

※時節柄、営業時間やメニュー等の内容に変更が生じる可能性があるため、お店のSNSやホームページ等で事前にご確認をお願いします。

※新型コロナウイルス感染拡大を受けて、一部地域で飲食店に営業自粛・時間短縮要請がでています。各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いします。

※本記事は取材日(2021年3月16日)時点の情報をもとに作成しています。

取材・文:岡崎たかこ(grooo)
撮影:松村宇洋