〈秘密の京都〉

国内外からも大人気の都市、京都。

飲食店の数も多く、限られた観光の日程で一食たりとも失敗したくない食いしん坊は事前リサーチも大仕事。そこで、京都在住の食通や、何度も京都を訪れているグルメな京都通に“とっておきのお店”を教えてもらいました。

教えてくれる人

高橋 綾子
フードパブリシスト。国内外ファッションブランドのプレスとして従事した中で肥えた“食”へのこだわりは、その後の素晴らしい人々との出会いと相まっていつしか人生そのものに。その間に培った食のデータと人脈を武器に“喜ばれるレストラン”の発掘に勤しむ日々。おいしいものしか喉を通らない不思議体質。

どんな人におすすめ?

今回は「一人旅か友人との旅行」を想定して選びました。

朝ごはんはここで決まり!

「シュイロ」の「湯葉たま丼」

湯葉たま丼 1,500円
湯葉たま丼 1,500円   写真:お店から
 

高橋さん

今年の3月にオープンしたオールデイダイニングのこちら、京都の朝食難民の救世主となりました。朝食といえば「卵」は必須アイテム。使っているのは京都美山で平飼いされ、美山の良質な湧水と自家製の餌と京野菜を食べて育った「うちゅうの夜明け」という高級卵。その卵を使った料理やスイーツが朝からいただけます。初めてならば卵の味がいちばんわかるTKGが食べられる「平飼いたまごの朝定食」か「シュイロ八寸御膳」をぜひ。でもちょっと食べ過ぎ飲み過ぎたなという時は「湯葉たま丼」をおすすめします。「京・美山ゆば ゆう豆」の汲み上げ湯葉を出汁と一緒にかき玉にしたとろっとろの餡がご飯にかけてあります。ひと口食べると優しい味がじんわりと胃に染み渡り「ハァ〜」っとため息が出てしまいます。生姜も効いて体もポカポカ。

出汁オムレツサンドイッチプレート 1,200円
出汁オムレツサンドイッチプレート 1,200円   写真:お店から
 

高橋さん

この朝食で前日の暴飲暴食がリセットされるのでテイクアウトで「出汁オムレツサンド」を。“おいしい”は食材が語ります。

昼ごはんはここで決まり!

「煮干そば藍」の「煮干そば」

写真:お店から
 

高橋さん

京都在住の友人に連れて行ってもらったのがきっかけで、それから足を運ぶようになったこちら。煮干しラーメンが初というわけではなかったのですが、スープが絡んだ麺を食べた時の“おいしい衝撃”がすごかった。まずスープをひと口飲んだ瞬間は「煮干し、どこ?」と思ったのですが、喉を通ったあたりからふんわり煮干しが主張してきます。それと同時に複雑な味わいが広がります。片口鰯、鯛、秋刀魚の煮干し、数種類の昆布、煮干しを入れて1時間温めた鶏油、数種の醤油やみりんやナンプラーで作った特製タレでスープを作っているそうで、聞けばこの味わい深さに納得です。そして小麦の香り高いつるんとした全粒粉の細麺に絡むスープの複雑味と油の塩梅が見事! 具材はこれまたこのスープと麺のために考案されたと思わせる鶏と豚のチャーシューと刻みタマネギのみ。シンプルな見た目は味に自信がある証拠です。

煮干そば 830円 写真:お店から