教えてくれる人
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大木淳夫
「東京最高のレストラン」編集長
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。
好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。最新刊「東京最高のレストラン2023」が発売中。
東京、名古屋の人気店系列のグルメバーガーがオープン
すっかり定着した感があるグルメバーガーですが、相変わらず出店が続いています。

昨年暮れ、12月22日には三田に「ハンバーガー生活のすすめ 慶應義塾大学前店」がオープン。焼肉屋で修業したという店主が2016年に名古屋で創業し、人気店に。3店目にして東京へ進出です。1,500円の「瞬間スモークベーコンバーガー」をいただきましたが、透明なクロッシュに燻香を閉じ込めた状態でテーブルに運ばれてきました。全体のバランスが良く、ボリュームもあります。

西新宿には1月16日、銀座や渋谷にあるオセアニアレストラン「Arossa(アロッサ)」が、バーガーショップ「オセマニア」を開きました。こちらはビーフ以外にも、ラムやカンガルーのバーガーがあります。珍しいのでカンガルー肉の「ルーバーガー」1,870円をいただきましたが、こちらはより肉感が強く、オーストラリアの先住民族であるアボリジニのスパイスがいい具合にアクセントとなっています。具材にはビーツが入っていて、これがラムバーガーだとキウイになるのだとか。ハンバーガーの世界は無限ですね。
華麗なる経歴のワンオペシェフと「ポテトフライ」がスペシャリテのビストロ
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オセアニアといえば、注目エリア幡ヶ谷には、オーストラリアで修業したシェフの「bistro IZUMY(ビストロ イズミー)」が昨年12月15日にオープンしています。スペシャリテは「ポテトフライ」。なんでもオーストラリアではジャガイモが日本でいうお米のような存在で、各店オリジナルのポテトフライを競っているのだとか。こちらも相当な秘術が施されていて、オリジナリティがあり、うまいです。他にも肉だけでなく、内臓も入っていて食感の変化が素晴らしい仔羊のパテなど、そそられるメニューが多いので注目でしょう。ちなみに独立前は神泉の「遠藤利三郎商店」に7年在籍とのことです。

シェフの経歴に驚いて駆けつけたのが1月7日、神楽坂の路地奥にオープンした「Jfree(ジェフリー)」です。陣内翼シェフは33歳ですが、かの辻調フランス校を卒業後、移転前の「フロリレージュ」、「カンテサンス」「L’ EAU」「Hiroya」で修業し、最後は料亭「赤坂しょう山」で料理長という華麗さ。
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つい構えてしまいそうですが、木を基調とした落ち着いた雰囲気のカウンター6席と個室の店内は極めて居心地がよく、ワンオペのシェフと明るいサービスの女性のコンビネーションも気持ちがいいので、寛げます。料理は和のテイストを入れつつ、全体としては高レベルのザ・モダンフレンチ。食後は坂口憲二さんの「The Rising Sun Coffee」を素敵なコーヒーカップでぜひ。コースのみですが、今後はより自由度を高めたいとのことなので、ワクワクします。