〈New Open News〉

毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。早くもお店に訪問した食べログレビュアーのコメントも掲載!

H1(東京・恵比寿)

看板
看板   写真:お店から

2024年10月1日、JR恵比寿駅西口から徒歩約4分のところにオープンした「H1(エイチワン)」。2020年7月に神楽坂で開店後、2021年10月にこの地へ移転した「H(アッカ)」がオーナーチェンジの新体制で新たなスタートを切ります。

堀江徹哉氏 出典:田原寿彦さん

オーナーシェフの堀江徹哉氏は、8年のフランス修業を経てフレンチレストランを営んでいた父の下、幼少期から料理に触れて育ちました。高校卒業後、料理人の道へ。都内のレストランに勤務した後、24歳で渡伊。イタリアの「Le Calandre」や「Agli Amici」などでの修業後、5年間にわたって北欧、クロアチアなどヨーロッパ各地のレストランで研鑽を重ねました。帰国後、2020年7月に神楽坂「H acca」の開業とともにシェフに就任し、現在に至ります。

「恵比寿という街が好きで、この街からスタッフみんなで、有名になっていこうと決めました」と堀江氏。「1」には、新たな一歩や1店舗目、自身の誕生月など、さまざまな思いが込められているのだそう。

穴子 写真:お店から

メニューはおまかせフルコース(12品・18,000円)一択。2カ月ごとに内容が変わるコースのこだわりは、古き良き伝統料理を毎回2、3皿ずつ盛り込むこと。海外修業時代に現地で教わった郷土料理に、堀江氏ならではのアレンジを少しだけ加えたものを提供しています。

革新と伝統を織り交ぜながら、国内外で培った経験と技術を基に、ジャンルや固定観念にとらわれない自由なクリエーションを発揮するコース構成は圧巻。

メニュー表 出典:Sakiloさん

使用する食材は、堀江氏自身が納得できるものを厳選して、全国各地から取り寄せています。メニュー表とともに並ぶ食材リストからも、生産者へのリスペクトが強く感じられます。食材同士の融合が生み出す、一皿ごとのストーリーを想像しながら食べてほしいとのこと。

例えば、メインに使用する鹿肉は、広島県の安芸高田鹿。目利きのできる一流ハンターが捕る鹿肉は濃厚な旨みを放ちます。都内でハツを食べられるのは、珍しいとのこと。

ダチョウのタルタル 出典:akira225さん

スペシャリテは、茨城県の加藤さんから取り寄せるダチョウを用いた料理。3つの異なる技法と部位による3品構成です。

土日祝日のみランチ営業も。お値段を抑えたランチコース(6品・9,800円)も必食の価値ありです。

21:00以降はワインバー営業
21:00以降はワインバー営業   写真:お店から

ソムリエ兼マネージャーの諸角氏が厳選する、ワインのペアリング(7品・10,000円)と、日本茶・中国茶などのティーペアリング(7品・8,000円)も好評。

また、21:00以降はアラカルトを楽しめるワインバーへ。時間に限らず席が空いている場合もアラカルト注文できます。料理は1品1,000円台から、飲み物はフランス産ブルゴーニュワインを中心に、ビールやハイボール、お酒以外のティーやジンジャエールなどを用意しています。シーンやお腹の空き具合に合わせて、お好きなものを楽しめます。

貸し切りは10名まで対応可
貸し切りは10名まで対応可   写真:お店から

黒とグレーを基調に、シックで大人な雰囲気が漂う店内。臨場感のある8席のカウンタースペースは、調理工程や香りなど五感で食事を堪能できる特別な空間です。シェフやマネージャーとの距離も近いので、食事の合間の会話も楽しみのひとつ。

前身から内容もサービスもパワーアップしたイノベーティブ・イタリアン。堀江氏の熱量から察するに、この先も進化が止まらないでしょう。

食べログレビュアーのコメント

駝鳥のカツサンド 写真:お店から

『シェフの堀江さんは同じ88年生まれなのですが、同世代とは思えぬ食文化への造詣の深さ、食材のこだわり、味の創意工夫がすごくてただただ圧巻。ほんとに全部もれなく美味しかった…!捨て曲一切なしの完成度の高いアルバムを聴いた時の衝撃に近い感覚。

特にインパクトが凄かったのが「ダチョウのヒレカツサンド」で、国産の最高品質のダチョウ肉を使っているらしく、とにかく信じられないくらい柔らかくて美味しかった…!のですが、「これ、まだ前菜のピークです」と言われてさらに衝撃。笑

その後も絶品料理が次々と出てきたのですが、本当に美味しかったなぁ。超一流の猟師が仕留めたという鹿肉も絶品でした。

「食とはエンタメである」と特に最近は強く思っているのですが、エンタメ性が高いだけでなく、味も素晴らしかったです。ペアリングのワインも。

また必ず来たいお店です』(souta6954さん)

会津のべこミルク 早生ふじ 出典:Sakiloさん

『焼き茄子と合わせクレープのように仕立てた鰻からスタート、続いてアオリイカと生食用えのき、フォアグラの組み合わせと序盤から味覚が刺激されます。
駝鳥のスペシャリテはタタキ、サンド、コンソメスープの3品構成。
ここ最近は駝鳥を扱う店も増えましたが、コース料理としての完成度という点で他の追随を許さないと思います。
肉や魚と合わせる香草は添えたり一緒の焼いたりするのではなくオイルで。風味に対する強いこだわりが伝わってきます。
パスタに続き、甘味が二品。
薫香が練り込まれたアイスクリームは初めて体験する味わいであり、最後の最後まで妥協なし。
ボリューム的にも大きくパワーアップしておりますます魅力的なレストランとなりました。

カウンターキッチンの醍醐味である料理、ワインの説明は非常に丁寧で、いただくもの一つひとつにストーリーを感じられます。
どうせなら一人か、食に対する好奇心を共にできる人と訪れることをおすすめします』(Sakiloさん)

※価格はすべて税込・サービス料別

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

文:斎藤亜希