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〈2020 食通が惚れた店〉
新型コロナウイルスの流行により、飲食店にとっては大きな危機を迎えた2020年。でも、外食シーンの火は消えない! こんなときこそ、おいしいものを食べて元気になり、飲食店を応援したいものです。
そこで、グルメ情報を熟知した有識者に、2020年に惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「2,000円以下のお手軽グルメ」「おすすめお取り寄せ」をうかがいました。
今回は、連載「じっくり食べたいハンバーガー」でお馴染み、ハンバーガー探求家、評論家の松原好秀さんにお答えいただきました。
教えてくれる人
松原好秀
ハンバーガー探求家、評論家。2014年に『ザ・バーガーマップ東京』(幹書房)出版。ウェブ・雑誌の連載のほか、テレビ・ラジオの出演も多数。2017年夏には映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』の公開記念キャンペーンの企画協力も担当した。
今年のベストレストラン
Q. 2020年、最も印象に残った飲食店を教えてください
A. 「ミッケラー カンダ」です
今年6月にオープンした、デンマークのビールメーカー「ミッケラー」直営のハンバーガーショップ&ビアバーです。こちらの何が素晴らしいかと言うと、ハンバーガーというものをあまり特別視せず、“さっと行って、さっと食べて、さっと帰る”という、日常のリズムのなかに落とし込んでいるところです。
凝ってはいるんです。岩手県産「短角牛」を使ったパティを店で自家挽きし、ピクルスも自前で漬け、北海道産の無農薬のジャガイモを使い……など、要所要所で手間ひまかけてはいるんですが、出来上がったハンバーガーは“手に持ちやすく、かぶりつきやすく、食べやすい”という、豪華でも絢爛でもない、只々機能性に徹したもので、そこに私はハンバーガーのあるべき姿、「美」を強く感じました。機能性の「美」、つまり「機能美」ですね。
今後も気負わず・気張らずに、日常“ふつう”のバーガーを出し続けてほしいと思っています。ふつうが一番!