「辺境料理」、食べたことがある?

最近耳にすることが増えた「辺境料理」。東京近郊で食べられるおいしい辺境料理をお教えします!

 

ところで、「辺境」とはなんぞや?と辞書で引いてみると「中央から遠く離れた国ざかい、または地域」と出てきます。海外の地域に関して使うときは、誰もが知る首都や大都市ではなく、都市部から離れた地域を意味することが多いようです。というわけで、その国のメジャーな地域の料理ではなく、ちょっとローカルな場所や、一部の場所で食べられている地域色豊かな料理を、この記事では「辺境料理」とします。

1. まずはここから! アフガニスタンの郷土料理「キャラバンサライ包(パオ)」/東中野

日本人オーナーが経営しているお店ですが、日本では珍しいアフガニスタン・パキスタンの料理……厳密に言うと、アフガニスタンに多く住む「パシュトゥーン人」の郷土料理を食べることができます。

 

ぜひ食べてほしいのは名物の「カラヒィ」。この「カラヒィ」とは鉄鍋のことで、オリジナルの小さなサイズの鉄鍋で肉や野菜を炒めた料理ですが、これがシンプルながらとても奥深い味わい。香ばしいナンと一緒に食べればボリュームもたっぷりです。

羊肉の「カラヒィ」とナン。ヨーグルトと合わせても 出典:Tokiyaさん

 

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おいしさの中に、知らない文化が見えてくる! 「辺境料理」のススメ

2. お茶も楽しめるウイグル料理店「ウルムチ フードアンドティー」/高田馬場

近年急激に多国籍化が進んでいる東京・高田馬場ですが、こちらはそんな高田馬場エリアに2017年オープン。ウイグル料理とトルコ料理の両方が食べられるお店です。ウイグルはテュルク(トルコ)の民族であり、歴史的にも深いつながりを持つ両者。食文化にも通じる部分が多く見られることもあり、こちらの店でもすんなりとメニューが共存しています。

ポロ 出典:辣油は飲み物さん

こちらではウイグル風のピラフ「ポロ」がおすすめ。スープの旨味をしっかり吸い、ほんのりとにんじんなどの甘さを感じるピラフ自体もおいしいのですが、ここはぜひ本場のようにヨーグルトをかけて食べてみて。酸味がいいアクセントとなり、暑い時期でもさっぱり食べられる味わいに。

ポロにはぜひヨーグルトをかけて  出典:辣油は飲み物さん

ガラスポットで供されるウイグル・トルコ流のお茶があるので、こちらを楽しみながらというのもまた一興です。

 

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一口食べれば、シルクロードが見えるよう!? 「辺境料理」のススメ・ウイグル料理編

3. 麺食のふるさと・中国山西省の絶品刀削麺を食べられる「山西亭」/大久保

「中国料理」は厳密に言うと“辺境”ではないかもしれませんが、今、中国のさまざまな地方の料理を出すお店が東京近郊に増え、盛り上がりを見せています。

 

例えば、生地を包丁で削って麺を作り出す「刀削麺」。食べたことがある人も多いと思いますが、中国のどこが発祥か知ってますか? 実はこれ、山西省発祥の料理。山西省は降水量が少なく乾いた気候という関係上、小麦や粟、とうもろこしなど、乾燥した土地でも育つ穀物やじゃがいもなどがメインで栽培されています。そのため、小麦粉やそれら作物を使った麺文化が発展したという経緯があり、付いた異名が“麺食のふるさと”。

猫師
油そば風の刀削麺。他にも各種刀削麺あり   出典:猫師さん

そんな山西省の麺文化の奥深さを味わえるのが、ここ「山西亭(さんせいてい)」。こちらの刀削麺はしっかりとコシがあり、歯ごたえが絶品! 「おいしい刀削麺」を探している人、ぜひ一度お試しあれ。

 

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東京は今、ローカル中国料理の天国! 辺境料理のススメ・中国料理編

4. ネパールの「モモ」が絶品! 「アーガン」/新大久保

東京の新大久保といえば言わずと知れたコリアンタウン。しかし、近年は本格的なネパール料理店が多数開店し、ネパール料理好きには非常に“アツい”エリアなのです。そんな新大久保で有名なのが、新大久保ネパール料理店の草分け的存在「ナングロガル」と、「ナングロガル」で働いていたシェフが独立・開店したというこの「アーガン」。

 

ネワール族の代表的料理の、蒸し米を叩いて干した「チウラ」、これに添えられたスープやカレー、アチャール(インドの漬物)などのおかず類を混ぜて食べる「ネワリボジセット」。またタカリ族の名物料理、そば粉を練った“ネパール風そばがき”「ディド」などが食べられます。

モモの盛り合わせ 出典:肉山ぷに子さん

そしてこのお店で外せないのが、ネパール風餃子「モモ」! 焼き、揚げ、蒸しなど違う食感を楽しめる「盛り合わせ」がおすすめ。

 

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知ってるようで知らない、ネパール料理の奥深さに触れよう。「辺境料理」のススメ・ネパール料理編

5. ミャンマーのシャン族の料理が食べられる「ノング・インレイ」/高田馬場

ドラマ『孤独のグルメ』にも登場した有名店。こちらではミャンマーの民族の一つ、シャン族の料理を食べることができます。

 

ミャンマー東部のシャン州をはじめ、中国南部の雲南省、ラオス北部、タイ北部にまたがる地域に点在するシャン族。全体的に油をしっかり使うことが多いミャンマー料理ですが、シャン族の料理は油が控えめなので日本人でも食べやすいものが多いのではないでしょうか?

シャン風納豆チャーハン
シャン風納豆チャーハン   写真:お店から

発酵食品が多いのも特徴で、発酵調味料独特の風味は、味噌や醤油で育った日本人にはすんなり受け入れられるものだと思うのです。特にシャン族では、日本の納豆と酷似したものが食べられています。このミャンマー納豆を使ったチャーハンもあるので、ぜひお試しあれ。

 

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「リトル・ヤンゴン」は、おいしいミャンマー料理の宝庫! 辺境料理のススメ・ミャンマー料理編

 

一度はまると、そのおいしさとディープさに抜け出せなくなってしまう、辺境料理の世界。この夏、足を踏み入れてみませんか?