【噂の新店】まつばら屋

米粉麺が主役のラーメン店

大阪「なんばこめじるし」に、2026年8月「まつばら屋」がオープン。塩ラーメンの名店「龍旗信」の松原龍司さんが屋号を改め、オープンさせた一軒だ。「実は『まつばら屋』は34年前に最初に開いた店の名前。当時は醤油で、もう一度醤油をやってみたいと思っていました」と松原さん。原点回帰の醤油に合わせるのは、研究を続けてきたグルテンフリーの米粉麺だ。

カウンター11席の店内
店はなんばCITY内「なんばこめじるし」にある

「まつばら屋」の主役は、自家製の生米粉麺だ。熊本製粉の「九州ミズホチカラ米粉」を使い、無かんすいで作り上げる。自身の堺の店にある製麺所でローラー式製麺機をカスタムし、水分コントロールの難しい生地と向き合いながら日々仕上げているとのこと。水分が抜けやすい麺で、茹で加減は日々変わるという。

塩ラーメンで大阪のラーメン界を引っ張ってきた松原さん
店の主役の米粉麺。中太ストレートで喉ごしよく、もちもち食感で、噛めば米の甘みが伝わってくる

いただける料理はこちら!

米粉麺を使ったおすすめメニューを紹介していく。

醤油中華そばのスープは、鶏ガラとツムラ本店の鴨ガラを軸に、玉ネギ、ニンニク、ショウガなどを使用。醤油ダレは昔ながらの漬け込み式で、醤油に昆布、干し椎茸、するめ、鯖節、鰹節などを合わせじっくりとうまみなどを抽出している。トッピングは豚チャーシュー、炙りメンマ、堺・中村農縁のオーガニックの小松菜、白ネギ。特上には、チャーシューが増え、味玉がプラスされる。平打ちの中太ストレート麺はするすると喉ごしよく、スープは乾物の発酵による自然な酸味が、鶏と鴨のうまみに奥行きを与えている。シンプルだが完成度の高い一杯だ。

「水分量を見極めて麺を茹でるのが最も難しい」と松原さん
醤油ダレに、鶏ガラ&鴨ガラベースのスープを注いでいく
「特上醤油中華そば」1,700円

次は新メニューのつけ麺を。麺は前日に真昆布を水出しした昆布水に浸して提供。つけ汁は、同じ昆布水と「龍旗信」の塩ダレを合わせ、たっぷりの豚肉の腕チャーシューをトッピング。チャーシューは58℃で10時間火入れし、さらにタレで2時間煮込んでおり、しっとりと味わい深い。昆布水が麺とつけ汁の一体感を生み、米粉麺のなめらかさを存分に味わえる。


南かやべ漁業協同組合の真昆布
「昆布水肉つけ麺(大盛無料)」1,600円(数量限定)

油そばもスタンバイ。泉州産のいわしをメインに使ったアンチョビと淡路産しらすを合わせた一杯(数量限定になります)。オリーブ油で作った香味油が全体をまとめ、2玉260gとボリューム満点ながら、想像以上に軽やかにいただける。たっぷりの海苔の香りも食欲をそそる。和とも洋とも感じられる油そばで、「知人のフランス人がこの麺をお気に入りですよ」とのこと。

「淡路しらすと自家製アンチョビの油そば」1,600円

製麺所として、米粉麺全国へ

店は営業時間を昼の11〜15時に限定し、松原さん自身が必ず厨房に立つ。「アレルギーの方も多いので、安心して食べてもらえるようにすべて自分で調理しています」と話す。お子さんがアレルギーのご家族が「家族みんなで初めてラーメンを食べられました!」と喜んでくださることも。さらに、「毎日ラーメンを食べる人が、週に1回はうちのラーメンを食べて健康を気遣ってもらえればうれしいかな」とも話す。今後は、米粉麺を全国で販売する予定で、「製麺所として、さまざまな料理人さんとコラボレーションしたいですね!」と意欲的。松原さんの挑戦はまだまだ続く。

「あくまで麺が主役。リクエストがあれば、ジャンルなど問わず、麺に合うスープを多彩に作っていきたいですね」と松原さん

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:東谷幸一