【噂の新店】Lab.Igarashi(ラボイガラシ)
フレンチのハードルを下げる
京都・烏丸駅から徒歩10分程度。西洞院蛸薬師に一軒の小さなフレンチが、2026年5月に開店した。テーブル2卓とカウンター7席の空間は、「フレンチのハードルを下げたい」という五十嵐孝光オーナーシェフの願い通り、気の置けない温かい雰囲気に満ちている。


オーナーシェフの五十嵐さんは京都生まれ。調理師専門学校を卒業後、京都や大阪のフレンチやバル、焼鳥店などで経験を重ね、東京では卸売業にも携わった。満を持しての独立の際、一人で切り盛りできる規模のフレンチを、地元で開くことにした。店名に「ラボ(=実験室)」と掲げたのは、食材やその組み合わせ、調理法への五十嵐さんの好奇心を満たしながら、素材の魅力を最大限に活かそうと考えたため。また、ジビエに引かれ、積極的に扱っているのは、食材に物語があるからと話す。「免許こそ持っていませんが友人の狩猟に同行し、自ら捌くこともありますよ」とのこと。ジビエならうりぼうやキジバト、その他、アニョー・ド・レ(乳飲み仔羊)なども、時にはイベントとしてみんなで食すこともあるそう。

いただけるお料理はこちら!
メニューはコースのみで、3皿からなるショートコースはなんと4,500円! そして「パテが食べたい」「ポルチーニだけのコースを考えて」など客からの要望を聞いて組み立てるオリジナルコースは6,000円〜。今回はショートコースの3皿を紹介していく。
まずは3種盛りの前菜。エスカルゴバターは王道の味わい。シェフが定番化したいというマッシュルームクリームは、バゲットにディップしていただくと、濃厚なキノコのうまみが実感できる。バターでソテーしたとうもろこしなどを添えたとうもろこしアイスは、甘みと塩味が好バランスだ。仕上げには、塩味を均一にするため、水、昆布、塩、どんこ椎茸でつくる、液体の塩をスプレーしている。ちなみに料理名にあえて素材だけを記しているのは、先入観を最小限にしてほしいから、とのこと。

ソテーした天使の海老、ズッキーニ、マンゴー、トマトを、昆布水をアガーで固めたシートで巻いた新作。サラダのような軽やかさを持ちながら、マンゴーソース、黄パプリカソース、海老オイルが重なり、奥行きある味わいに。

九州産夏鹿のモモ肉のロースト。中はレアに火入れされている。赤ワインソースは、鹿の骨、甘口とスタンダードなワインを2種用い、鹿の力強い味わいを引き立てる。

新発見を楽しみたい
「まずは来ていただいて面白いと思ってもらえれば。ちょっとした発見があればうれしいですね」と笑う五十嵐シェフ。ショートコース4,500円とフレンチのハードルをぐっと下げながら、食材と調理で施す“実験”をシェフと一緒に楽しんでみたい。



