手間をかけた小料理、仕入れ力が光る内臓も秀逸

白味噌ベースの優しい味わい「牛もつ煮」

「牛もつ煮」580円

1名分ずつ丁寧に盛りつけて提供される前菜や一品料理も、独自性が光る逸品が揃う。中でも知床牛のシマチョウを5時間ほどかけて煮込み、白味噌で味付けした「牛もつ煮」は、これ目当てに来店する常連客もいるという人気メニュー。
肉の味をしっかり感じられるよう野菜などは入れず、具材はシマチョウのみ。白味噌の上品な風味と溶け出した甘い脂が口の中で心地よく絡み合う。

 

小関さん

焼肉屋で提供する煮込みでは珍しい白味噌ベース。京都の「石野味噌」の白味噌を使用しており、優しい甘さが特徴的で、白飯に少しだけかけて食べるのも通。

ワインが贅沢に香る「牛ほほ春巻き」

「牛ほほ春巻き」990円

牛もつ煮と並んで人気が高いのが、フレンチの「牛ほほ肉のワイン煮」をヒントに考案したという「牛ほほ春巻き」。中華と思いきや中は洋風という意外性だけでなく、マデイラワインの芳醇な香りとホロホロの牛頬肉の贅沢な味わいで焼肉店のサイドメニューのイメージを大きく超えてくる。

 

小関さん

外見では差別化が難しいのが春巻き。贅沢にマデイラワインで煮込んだ牛頬肉を遠慮なくパリパリの皮で包んだ春巻きは、中華の春巻きと一味も二味も違い、肉の食感がしっかりと残る逸品。お酒が進みます。

溢れる肉汁がたまらない!「良いハラミ

「良いハラミ」1,180円(写真は2人前)。東京にまつわるデザインが目をひく皿は、店主と同名のブランド「KIHARA」のもの。取り皿にも使用されている

分厚いカットで提供される「良いハラミ」(基本はサガリ。ハラミで提供する場合もある)は、東京都中央卸売市場食肉市場に出向き直接買い付けている。

 

小関さん

いわゆるサガリを同店では「良いハラミ」として分厚くカットして提供しています。なぜこんなにおいしいのか? 芝浦にある東京都中央卸売市場食肉市場の杉本さんから仕入れられる仕入れ力。美しい断面から溢れる肉の汁がめちゃうまい!

ハラミなどのホルモンは香ばしさを付けつつ、じっくり火が入る炭火で。表面をしっかり焼いて大量の肉汁を中に閉じ込める

店主自慢の独自メニューも要チェック

「ユッケ」1,280円

「ユッケ」には牛の脇腹あたりにある希少部位・カイノミを使用。こちらも肉の味をメインに楽しめるよう、卵黄はのせず、味付けはオリジナルの付けダレと少量のごま油、ブラックペッパーのみ。きめ細かく上品な脂のうまみを堪能できる。

3色のうずらを丁寧に串打ちした映えメニュー

コースのお口直しとして提供される「3色うずらのピクルス」は、さっぱりした味わいと3色団子風のキュートなルックスが印象的。フランス産のブランド卵「エル・フランス」を低温調理で半熟に仕上げ、ピンクは新生姜、白は少量の塩、茶色はたまり醤油に漬け込んである。

店名には「既存の23区にはない“新しい区=新たな焼肉スタイル”を目指す」という思いが込められている

フルアテンドの劇場型焼肉という独自スタイルで、激戦区の中で存在感を示す「焼肉 東京24区」。
「素晴らしい店がごまんとある東京で、先輩方が築いてきた焼肉の伝統に敬意を払いつつ、他にはないメニューやホスピタリティで新たなジャンルを確立していきたいですね」(木原さん)
デートから一人飲みまで幅広いシーンで利用できるので、新感覚の大人焼肉を体験しに、ぜひ気軽に足を運んでみて。

※価格はすべて税込・サービス料別

教えてくれた人

小関尚紀
焼肉作家。通称:YAKINIQ。お肉博士1級。MBA(経営学修士)。焼肉店には年間100店舗以上通い、焼き方を研究している。海外渡航60カ国。 焼肉好き伝説の番組 BS朝日『美女と焼肉』(2022年3月終了)の初期レギュラー。著書に『焼肉の達人』(ダイヤモンド社)、『世界一わかりやすい「ゲーム理論」の教科書』(KADOKAWA)、『「即判断」する人は、なぜ成功するのか?』(サンマーク出版)。新著に『大人の「牛肉」教養』(三笠書房)がある。

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文:當間優子、食べログマガジン編集部 撮影:ジェイムス・オザワ