〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、年間100店以上の焼肉店に通う焼肉作家の小関尚紀さんが、人気店から新たにオープンした、たまプラーザのタン専門店を紹介。

落ち着いた雰囲気で女性やファミリーに人気

厚切りの「たん焼き」のほか、多彩なタン料理を楽しめる

巷では「おいしい店は食べログ3.5以上」なんて噂がまことしやかに流れているようだが、ちょっと待ったー!
食べログ3.5以上の店は全体の3%。つまり97%は3.5以下だ。

食べログでは口コミを独自の方法で集計して採点されるため、口コミ数が少なかったり、新しくオープンしたお店だったりすると「本当はおいしいのに点数は3.5に満たない」ことが十分あり得るのだ。
点数が上がってしまうと予約が取りにくくなることもあるので、むしろ食通こそ「3.5以下のうまい店」に注目し、今のうちにと楽しんでいるらしい。

新石川第55号線から少し入った場所の2階。一枚板の看板に縄のれんなど、和の佇まい

美しく整備された街並みに、おしゃれなカフェやベーカリーなどさまざまな飲食店が立ち並ぶ横浜市青葉区のたまプラーザ。
このエリアで焼肉と言えば、食べログ 焼肉 EAST 百名店に何度も選出されている人気店「炭火焼肉ホルモン うらら」を思い浮かべる人も多いだろう。
そんな「うらら」の系列店として、この春新たにオープンしたのが「たん処 うらら」。食べログの点数は2026年7月時点で3.23だが、地元ではすでにランチに行列ができる人気ぶりで、3.5に届く日も近そうだ。

 

小関さん

食べログ 焼肉 EAST 百名店「炭火焼肉ホルモン うらら」が手掛ける牛タン専門店。同店が百名店入りする前から通い詰めていたワタクシとしては、新店オープンを聞きつけては行かねばならぬという使命感にかられ、馳せ参じました。ランチも提供しており、地元たまプラーザでは既に人気を博していますが、逆に言うと、地元以外はまだまだバレていない名店候補です。食べログ 百名店・牛タン部門があれば狙えそう!

席はカウンター5席、テーブル20席の計25席。内装は壁の塗装など社長自らDIYしたそう

店内は京町家をイメージしたという、落ち着いた和の空間。
やや見つけにくい立地ながら「炭火焼肉ホルモン うらら」の新店という情報を聞きつけて訪れる人が後を絶たず、平日ランチは主婦層、夜や週末はファミリー層を中心に多くの人で賑わっている。

 

小関さん

2026年3月オープンの新しいお店。たまプラーザ駅からも近く、通りから少し入った雑居ビルの2階にあります。カフェのような雰囲気で女性も入りやすいお店だと思います。

焼肉店の強みを活かしてメニューを開発

「きっかけは“牛タンみんな好きだよね”というところから。でもせっかく専門店をやるなら、焼肉や内臓を扱っているうちの強みを活かして、ほかの牛タン店にはないことをやろうと考えたんです」と話すのは、社長の佐々木貴彦さん。
そこで提供することになったのが、テール(牛の尾)からとった出汁で煮込む「ゆでタン」や「タンシチュー」など一手間かけたタン料理の数々。
クチコミでも「牛タン料理の新たな魅力に出会える」など、多彩なメニューを評価する声が多く、狙い通り同店の強みになっている。

社長の佐々木貴彦さん

定番の「たん焼き」も、複雑な調理や味付けをしない分、切り方や塩にこだわっているという。切り方は食感を楽しめるよう厚切りに。塩は宮城県塩竈市の「合同会社 顔晴(がんば)れ塩竈」が生産している、ミネラル豊富でまろやかな味わいの「塩竈の藻塩」を使用。
「事前に塩打ちして時間を置くことで、表面だけでなく中まで染み込んで噛んだ時にジュワッと塩味を感じられるようにしています」

塩はやや強めだが、お酒や料理の味を邪魔しない程度に。タンの味わいを引き立てるベストな塩梅を見極めている
 

小関さん

みんな大好き牛タンのメニューが豊富な、まるでタンミューズメントパーク(苦しい言い回し)。牛タンが大人気のご時世、仕入れるのも大変なのに、新店の牛タン専門店とは思い切ったなぁと感心するほどの仕入れ力に脱帽です。タンを、これでもか!と色んなメニューでリーズナブルに楽しませてくれる独自性があります。今後の新たなメニュー開発にも期待したいですね。

牛タン料理に合うお酒も日本酒や焼酎など各種取り揃えている。特に日本酒は銘柄を随時入れ替えていて毎回新鮮な味を楽しめる

まずはコレ! こだわりの塩でうまみ際立つ「たん焼き」

「たん焼き」(3枚6切れ)1,760円。事前の塩打ちにより冷めてもおいしいと評判

子どもから大人まで、一番人気となっているのが「たん焼き」。タン中からタン元までのやわらかな部分を厚切りにし、スタッフが炭火で焼き上げて提供する。

また、皿にはレモンのほか、タンの脂と相性のいい15種類ほどの香草をミックスしたステーキスパイス、唐辛子味噌、白菜の浅漬けも添えられている。それぞれ組み合わせて付けてもおいしいので、アクセントや箸休めにしながら味わおう。

熟練の職人がうまみを閉じ込め、香ばしく焼き上げる。写真は料理長の石井さん
 

小関さん

まずは名刺代わりの看板メニュー「たん焼き」。厚切りタンをこだわりの塩で打ち塩し、外は香ばしく内部はジューシーに肉汁を閉じ込めるよう炭火で焼き上げています。香ばしく焼き上げられたタンは、ザクザクッとした食感を楽しめ、噛むほどにタンのうまみが広がります。塩竈の藻塩を使用しており、塩味の角がなくミネラル感たっぷりの塩です。ここはベタですが、白飯にご登場いただきますかね。