【噂の新店】Droit(ドロワ)

森永宣行シェフ、新章へ

フランス料理店「Droit(ドロワ)」が、今年1月30日、関西日仏学館に移転。京都・出町柳にある同館は、1927年より活動するフランス政府公式文化機関で、フランス語講座などを通じて日仏の文化交流を図っている。「Droit」は7年連続一つ星を獲得しており、世界のフランス政府公式文化機関の中でも星付きレストランがある施設はここだけとのこと。同じ敷地内には在京都フランス総領事館もある。

建物は国の有形文化財に指定されている

店内は「以前の京都御所前にあった店をどこかで感じてもらえる内装を心がけました」とのこと。白を基調にしたエレガントな雰囲気の中に、錫やステンレスなどの金属素材が配され、そのぬるく映る光が印象的。フロア中央に下がる、お皿やグラスがモチーフとなったシャンデリアは、金沢のガラス作家・辻和美さんの手によるものだ。

テーブル席のほか、半個室もある
 

門上さん

ゆったりした空間で、ジャン・コクトーなどの絵画も素晴らしいです。

シェフの森永宣行さんは佐賀県の出身で大阪育ち。大学在学中からフランス料理に傾倒し、大阪や京都のレストランなどで経験を積み、2017年に「Droit」を開店した。古典料理に造詣が深いことで知られ、店名の「Droit」の意味通り、まっすぐに生産者や素材と向き合い、丁寧に一皿ひと皿を作り上げている。

シェフの森永亘行さん。「誕生日や記念日など、特別な日にぜひ訪れていただきたいです」
 

門上さん

元の店がオープンした時から通っています。クラシック料理でありながら、現代性を感じます。

いただけるお料理はこちら!

コースは24,200円(サービス料別)~。その中から門上さんのおすすめを紹介していく。


「生姜のヴルーテ パッションペッパーの香り」は、高知県産無農薬の「限界突破ショウガ」が主役の一皿。下には紅白の蕪を忍ばせて、スプーンで食べ進めるとあっと驚く演出も。生姜の香りと辛み、パッションペッパーのフルーティーな香りが印象的。

生姜のヴルーテ パッションペッパーの香り
主役の生姜。高地で育ち、すっきりとした味わい
 

門上さん

香りの使い方が素晴らしい!


「蓮根のダンテル トリュフのソースで」。美しくダンテル=レース仕立てにして包んだ蓮根の中は牡蠣。軽やかさを出すキンカンを添えて。トリュフのソースは、ネパール原産のティムットペッパーで、すっとした爽やかさと軽さをプラス。

蓮根のダンテル トリュフのソースで
 

門上さん

トリュフの醍醐味が味わえます。

ハナビラタケとすじ青のりのデュクセルを中心に、鱒を、ちりめんキャベツ、すじ青のりとゴマの生地で巻いて焼き上げた「鱒のアンクルート 海藻と胡麻の香り」。ソースは鱒の出汁、赤ワイン、ダルス。ダルスは元々ヨーロッパ人が食べていた海藻で、たんぱく質が豊富で今はスーパーフードとして知られているそう。

鱒のアンクルート ダルスのソース
うま味成分も昆布に負けないほど豊富なダルス
 

門上さん

磯の香りと酸味があるソースが見事。

縁をつないで、もっと楽しく

自分の料理を「キュイジーヌ・リアン」=縁の料理と呼ぶ森永さん。「これまで人や素材など多くのご縁をいただいて、料理を作り続けてきました」と。「今回、フランスとのご縁をいただいて、今までの縁に加えて、もっと人と人を結んだり、国同士をつないだりすることができるのではないかと考えています。京都が楽しく、さらには世界が楽しくなればいいですよね!」と話してくれた。

森永さんの料理のスケッチ
店は関西日仏学館の1階
 

門上さん

フランス料理のソースの存在を知ることができるレストランです。

教えてくれた人

門上武司
1952年大阪生まれ。関西中のフランス料理店を片っ端から食べ歩くももの足らず、毎年のようにフランスを旅する。39歳で独立し「株式会社ジオード」設立後はフードコラムニストというポジションにとどまらず、編集者、プロデューサー、コーディネーターとマルチに活躍。関西の食雑誌「あまから手帖」編集顧問であり、全日本・食学会副理事長、関西食文化研究会コアメンバー。著書には「食べる仕事 門上武司」「門上武司の僕を呼ぶ料理店」(クリエテ関西)、「京料理、おあがりやす」(廣済堂出版)、「スローフードな宿1・2」(木楽舎)、など。年間外食は1,000食に及ぶ。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込。

文:木佐貫久代
撮影:福森公博