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コース10万!の焼き肉店と珍しいジョージア料理専門店
なんと10万円の焼肉
ヤキニクの日こと8月29日、六本木にオープンした超高級焼き肉店が「神の戸」です。プロデュースは「ホルモン人生タロちゃん」「鶴橋 焼肉 松よし」などの人気店を作ってきた田辺晋太郎さん。
オープン前、田辺さんの試食チェックに同席して、10万円のコースをいただきました。さすがによほどの料理を出さないと、お客さんは納得しない値段です。ということで、いきなり出たのがあまりに豪華な巻き物。有明の最高級海苔の上に1枚の金箔、そして神戸うすなが牧場産神戸ビーフのヒレのユッケ、ロシア産の高級キャビア「オシェトラ」がのるという、とんでもない陣容ですが、どの味も邪魔せず一体になって美味を表現していました。ロースター、鉄板、炭火を駆使して繰り出される肉は「神戸ビーフ」の中でも最高峰と言われる「特別な但馬玄」「但馬玄」などがずらり。今後、もう少しカジュアルな値段もラインアップされるようですが、その前にインバウンド客で盛況になりそうです。

これから流行る? ジョージア料理
近年、オレンジワインでその存在感を高めているジョージアですが、9月14日、牛込神楽坂に「AJIKA Georgian Bistro and Wine Bar」という、ジョージア料理の専門店がオープンしました。
地蔵坂の奥まったビルの1階で、ゆったりと広い店内はカウンター、中央に有名なワイン醸造に使われる壺がディスプレイされた長テーブル、丸テーブルがあります。高身長な男女が多いと思ったら、お客さんの多くがジョージア人、ロシア人とのことで、早くも社交場として機能しているようでした。料理は有名な「シュクメルリ」はもちろん、両手で掴んで食べる巨大な小籠包「ヒンカリ」やピザのような「ハチャプリ」など、このお店ならではのものが多く、価格もリーズナブル。たまたまかもしれませんが、グラスワインの盛りが尋常でない多さだったのも気に入りました。

AJIKA Georgian Bistro and Wine Bar
[東京] 牛込神楽坂駅 343m / ビストロ、ワインバー、イノベーティブ
3.26 55人
¥1,000~¥1,999
水曜日
東京都新宿区袋町3-6 神楽坂センタービルアネックス 1F
女性シェフのスペインバルと梅ケ丘のイタリアンバル
若きシェフのスペインバル
9月2日、麻布十番にスペインバル「NICO」がオープンしました。シェフはスペインの三つ星店「アスルメンディ」での研修経験もある、まだ20代の吉見吏世さん。私は彼女が恵比寿で週1回間借り営業していた「アプロヴェーチェ」時代にもうかがったことがあって、料理はもちろん、そのコミュニケーション能力の高さに驚いたのですが、実店舗になり、より生き生きとしていました。
メニューはスペインらしい定番が並び、うまみが素晴らしい36カ月のハモンイベリコ デベジョータからココットで提供されるイカ墨のパエリアまで、ワインが進むものばかり。運営はサブライム時代に一世を風靡した花光雅丸さんが率いる、株式会社beagleです。

気軽に立ち寄りたいイタリアンバル
8月1日、梅ケ丘駅の南口からすぐの商店街には、イタリアンバル「バーカロ ルーポ」がオープンしました。人気イタリアン「RAMA 白金」の姉妹店で、同店でスーシェフだった瀬形裕太さんがシェフとなります。
“バーカロ”とはイタリアでは立ち飲み居酒屋のことだそうで、こちらでも気軽に立ち飲みとテーブルでの食事ができます。料理はケースの中に温菜、冷菜がそれぞれ6~7種類あり、テイクアウトも可能。早めの夕方から600円のグラスワインを秋鮭のコトレッタやクミンかぼちゃクリームのローストチキンなどと共にいただき、残ったソースを自家製のミルクパンで掬いながら食べるのは幸せな時間でした(気になった「豚のトマトバルサ煮込み」はテイクアウトに)。

なめろうを挟んだアジフライと早くも話題の串カツ
アジフライがおいしい居酒屋
8月18日、 中目黒に居酒屋「弥之助」がオープンしました。運営は同エリアで「Bolero」を営む株式会社Basicで、料理は「焼肉 うし松」や「一鳥目 とり松」で料理長を務めた佐藤拓弥さんが手掛けています。
メニューに三大名物として記されていた「弥之助アジフライ」「和牛厳選部位 鉄板焼き」「弥之助の土鍋飯」の中からアジフライをオーダー。なめろうにしたアジを切り身で挟んで揚げていて、食感まで楽しめました。佐藤さんの経験を生かした料理もありますが、多彩なジャンルの料理人が集っているとのことで、これからの新メニューにも期待です。店内に流れる昭和歌謡を聴きながら飲んでいると、ひとりでも幸せな気分になります。

弥之助
[東京] 中目黒駅 286m / 居酒屋、海鮮、揚げ物
3.32 54人
¥6,000~¥7,999
¥1,000~¥1,999
-
東京都目黒区上目黒3-32-5 カーサデラソル 2F
使い勝手のよい串カツ屋
8月19日、有楽町駅と新橋駅の間の高架下にある日比谷OKUROJI内に「串カツ たぬき」がオープンしました。こちらは2023年に高田馬場に誕生し、天才・斉藤元志郎シェフ監修の下、大人気店となった「Fry家」と同系列。
それゆえ、パン粉は2種、油もラードや鶏油、ヘッドをブレンドしていて、「極みささみフライ」など、Fry家のメニューもラインアップされています。その他、「納豆」「子持ちこんにゃく」といった変わりカツもあり、カジュアルな雰囲気と値段なので、活用できそうです。

串カツ たぬき
[東京] 内幸町駅 277m / 串揚げ、とんかつ、居酒屋
3.63 157人
¥4,000~¥4,999
-
日曜日
東京都千代田区内幸町1-7-1 日比谷OKUROJI G16&17
教えてくれた人

大木淳夫
『東京最高のレストラン』編集長
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本『東京最高のレストラン』編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に『キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由』(堀江貴文)、『新時代の江戸前鮨がわかる本』(早川光)、『にっぽん氷の図鑑』(原田泉)、『東京とんかつ会議』(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、『一食入魂』(小山薫堂)、『いまどき真っ当な料理店』(田中康夫)など。 好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事、「料理レシピ本大賞」特別審査員も務める。最新刊『東京最高のレストラン2026』が12月に発売。10月に初の著書『50歳からの美食入門』(中央公論新社・中公新書ラクレ)を出版。
食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/
※価格は税込です
文・撮影/大木淳夫

















