深沢と人形町にオープンした非日常に浸れるイタリアン

特別な日に行きたいイタリアン

9月25日、駒沢公園通り沿いの世田谷区深沢にイタリアン「Pienezza FUKASAWA」がオープンしました。表参道の人気イタリアン「JINBO MINAMI AOYAMA」の姉妹店で、シェフは同店で神保佳永シェフの下、スーシェフを務めていた長谷川泰さんです。

全面を窓に囲まれたカウンターメインのゆったりした店内で、料理は8,800円のコース。まず供される、有田「カマチ陶舗」の白い大きなプレートに盛られた8種の魅力的な前菜に驚きました。シェフの故郷である奈良のエッセンスや世田谷の農園の野菜などを印象深く取り入れつつ、しっかりとイタリア料理に昇華していて、これでボトル1本飲めるのではと思うほど。パスタが2種というのも麺好きにはうれしい限り。駅からはだいぶ離れた場所ですが、それが却って特別感やご褒美感を高めそうです。

アンティパスト・ミスト

鮎からすっぽんまで、記憶に残る料理

9月4日、人形町にもカウンターイタリアン「Firmamento」がオープンしています。100年続く名店「㐂寿司」の隣にできたビルの3階です。シェフは「イカロ」で6年、「龍吟」で2年、そして銀座「グッチオステリア」で4年という、35歳の大佐古優也さん。シェフソムリエは料理人としてRED U-35で受賞歴もあり「FARO」で人気ソムリエだった37歳の桑原克也さん。

大佐古シェフは魚介への造詣が深く、ラルドを纏った鮎からすっぽんの出汁で炊いたサフランリゾットまで、記憶に残る料理を提供。この日の肉は「エレゾ」からの3歳の雌鹿で、これからもジビエにこだわっていくそうです。そして驚いたのは桑原ソムリエのノンアルコールペアリング。隣で友人が飲んでいるのがあまりにおいしそうで、初めてノンアルに引かれました。

ハマグリ、スジ青のり、黒トリュフのタヤリン

初の羊肉メイン高級中華とお得なカジュアル中華弁当

味坊集団の高級中華

9月25日、あの味坊集団が羊肉専門の高級中華「美羊味坊」を京橋・TODA BUILDINGの2階にオープンしました。実は羊に特化したハイクラスのレストランというのは日本はもちろん、中国でもないようです。世界8カ国から、その時期に最高の羊肉を仕入れ、2人の特級厨師がシェフを務めるからこそできたのでしょう。

自信作という「海の宝ナマコの葱香煮込み」は、ナマコの中に羊のミンチを入れて煮込んでいて、プリプリの食感と羊のうまみを堪能できました。他にも手切りの羊肉を使った「羊肉のふわとろ極上獅子頭」や羊肉のハムの炒飯など、羊のポテンシャルを存分に生かした料理ばかり。コースは6,000円、10,000円、15,000円でアラカルトもあります。味坊グループでおなじみのコップで飲むナチュラルワインが、こちらでは木村硝子店のワイングラスになりました。

海の宝ナマコの葱香煮込み

サクッとイートインする「中華弁当」

カジュアル系では8月28日、渋谷駅から六本木通りを上った実践女子大学キャンパスの並びに、中華弁当「真中華 渋谷東店」がオープンしています。神泉の1号店はテイクアウトのみですが、こちらでは10席ほどのカウンターがあり、イートインも可能。

まず白飯かチャーハン(+100円)を選択し、その後に麻婆豆腐など15品以上並ぶおかずから2品を選択すると、ご飯の上にかけてくれるというシステム。「豚すね肉ハン」と「青椒肉絲」にしましたが、ご飯は200g超もあり、食べ応え十分でしかも680円。メニューは毎週2種類が変わり、人気の場合は復刻もあるとのこと。実はオフィスのそばなので重宝しそうです。

「豚すね肉ハン」と「青椒肉絲」の2品丼

アラカルト充実の日本料理店と昼のみ営業のパスタ&リモンチェッロ

既に予約が難しい、赤羽橋の日本料理

なかなか予約が取れず、ようやく訪れることができたのが、赤羽橋の日本料理「寛心」です。オープンは6月1日。「桃仙閣」「明寂」などを手掛けるヒットメーカー、林亮治さんがプロデュースしています。

なんといってもお椀やお造りなど3品(6,600円)を頼んだら、あとはアラカルトという、自由度の高いコースに引かれました。メニューは3桁台の値段の小鉢から食事、デザートまで約50種もあり、ワクワクしながら悩めます。店主は「京都吉兆」で20年以上修業した中井甚恭さんですから、もちろん高クオリティ。「鮎の塩焼き」「近江牛テールと冬瓜」「鱧カツ」などを堪能しつつ、「大葉梅胡瓜のあて巻き」や「削りたての鰹節」でお酒を飲むと幸せな気分になれます。

鮎の塩焼き

リモンチェッロをパスタとともに

7月16日、同じエリアの麻布十番にはイタリアン「SOLIMONE」がオープンしました。

ランチのみの間借り営業で、メニューは前菜3種盛りとパスタのみ。「秋刀魚と長ねぎのアーリオオーリオ」と「鶏肉ときのこのトマトスパゲティ」を2人でシェアしたのですが、これがなんとも美味でシェフは誰?と思ったら名店「クチーナ ヒラタ」で7年修業した32歳の岩田大樹さんでした。なるほどと納得したのですが、実は平田さんの本業はリモンチェッロ「SOLIMONE」の製造販売。このリモンチェッロもストレート、ソーダ割、ビール割でいただいたところ、目を見張るおいしさ。ぜひ食事と共にお楽しみください。

秋刀魚と長ねぎのアーリオオーリオ