目次
食通が見いだした、今月の新店
新しいお店がどんどん出店し、ますますの盛り上がりを見せる飲食業界。「気になる店が多すぎてどこの店に行ったらいいかわからない!」という人も多いのではないでしょうか。
そこで、グルメ情報に精通している方々に、最近訪れた新店に関するアンケートを実施。特に注目している「今月の新店」について教えていただきました。
今回は、フードパブリシストの高橋綾子さんにお答えいただきます。
今月のベストワン
Q. 直近で行った新店の中で、特におすすめしたいお店を教えてください
A. 「あかさか割烹和史」です

気の利いた料理と日本酒ペアリング飲み放題というハイコスパで人気だった「和史」が、店名を「あかさか割烹和史」に変えて神楽坂から赤坂に独立移転したということで早速伺いました。コースは全部で4種類ありますが、おまかせ5品のショートコース(13,200円)に、お腹の具合に合わせてアラカルトで追加できるスタイルが人気とのこと。

1980年代のグルメブームの真っ只中にいた元祖フーディーたちが「そろそろフルコースがキツイんだよね」とこぞってアラカルトの店に移行している今、こういうスタイルはとってもありがたい。とは言っても若い時から高級店もB級グルメも網羅し尽くしているので、味も空間もサービスもチェックが厳しいわけです。

その点、こちらは安心。店主の濵野崇史さんは「乃木坂 神谷」「赤坂 たけがみ」「築地 亀本」「麻布十番 可不可」「恵比寿 今市」で研鑽を積んだだけあって供する料理は多彩。稚鮎はコンフィにしたり、アスパラにはパルミジャーノを削りかけたり、スッポンを中華まんにしたりと、時にはジャンルを超えてきたりもしますが、食べると名店での経験を生かした正統な日本料理なので食の重鎮たちの舌も満足させてくれます。
合わせてくれるお酒もお見事! 日本酒は希少なものから王道まで揃えており、ワインはブルゴーニュが中心。ペアリング(6,600円程度)は飲み放題?と勘違いするくらいサービス満点。ロケーションも素晴らしく、赤坂駅から徒歩1分とは思えないほど店内はゆったりと落ち着いています。個室もあるのでプライベートもオフィシャルにも利用しやすい!
Q. おすすめメニューは?
A. ダチョウ料理です

そもそもダチョウ料理を食べる機会も少ないけれど、ダチョウ料理っていいね!と思わせてくれます。先付けで供されたのはもも肉をローストとたたきの2種類に仕立て、クレソンのお浸しを挟んで土佐酢のジュレで味をつけたもの。ダチョウってクセがなくてあっさりとした味わいなのでこういう繊細な料理にとても合います。おまけに低脂肪、低カロリー、高タンパク、高鉄分というヘルシー食材なのでどんなに食べても罪悪感がありません。

「神楽坂 九頭龍蕎麦」で習得した技術で手打ちした蕎麦の上にはダチョウの首肉の時雨煮をのせます。そこに蕎麦つゆをかけるのかと思いきや、熱々にしたダチョウの香味葱油を回しかけ、中国料理風に仕上げるからびっくり! 香りと油が蕎麦と時雨煮をつないだ珍しくも美味なる蕎麦に骨抜きになります。



