小池さんおすすめの「オーダー必須」のメニューとは?
今や市場で取り合い状態が続いている人気のタンは、この日は岩手県産雌牛のタン元を使用。入荷してから数日じっくり寝かせ、最高の状態に仕上げたものだ。ほどよい厚みがあり、和牛だからこそのしっかりとした味わいが堪能できる。素材の旨みを活かすため、味付けしすぎない塩コショウのシンプルな下味がさりげなくアクセントに。丁寧に焼いたタンを頬張る前に、小池さんから思わず「むふふ」と笑みがこぼれた。
小池さん
いや~おいしい! 思わずうなってしまうほどレベルが違います。何もつけなくとも素材の味がよくわかる。歯切れのよいサクサク感が楽しめる、ちょうどいい厚みも好みです。匂い、硬さ、味、脂、そのすべてのハーモニーが最高のバランス。好みで岩塩や、レモンを少し搾ったらさらに奥行きが広がります。
一目見ただけでテンションが上がる、まるでアートのような美しいサシを描く、優しい甘みを放つ「特上ハラミ」もオーダー必須の一皿。和牛の処女牛だからこその、圧倒的な肉質の柔らかさと、しっとりとしたなめらかさが魅力。
小池さん
ハラミにこだわっているお店はやはり雌牛。これは焼かずにそのまま食べたいくらいの圧倒されるクオリティの高さ。隠し包丁なしでしっとりと柔らかくて、口の中で脂の上品な甘み、肉の旨みが広がって、味が濃いのにスッと引いていくようないい余韻。わ、これ本当に凄いなぁ。永遠に食べられる!(しばし上を向いて恍惚の表情の小池さん)塩とわさびをつけていただくとまた格別な味わい。極上のモノを選べるという強みがあるからこそ、この味に辿りつける。幸せです。
松阪牛に特化した店だからこそ、外せないのが「特上ロース」。個体識別番号つきの血統が、おいしい焼肉への道しるべ。後ろ脚、モモ部分のトモサンカクは、見惚れるピンク色をした品のよい甘みのある霜降りが特徴。悶絶覚悟の松阪牛を求めて来訪する人も多いとか。
小池さん
内臓肉が圧倒的な店は数あれど、ロースなどのような正肉との両方のレベルが高い店ってなかなかないんですがこちらは桁違い。やはり自社で一頭買いしている強みを発揮されているなと感じます。いい生産者が作る血統のよい松阪牛は脂も極上! 余韻も気持ちがいいし、後味のよさが違います。喉ごしもよく、とぅるん!と飲めるロースが必食です。それを活かす、オリジナルレシピの王道ベーシックなタレもまた合う。白米を欲しますね。
鮮度が命のホルモンも、内臓の卸問屋でもある「田じま」の真骨頂。圧倒的に美しい色みと艶がその素材の質の高さを物語る。内臓は生産者が選べない、ある意味副産物だからこそ良し悪しが出てしまう部位。そこに自信があるからこそ、内臓が苦手な人も、まったく臭みがない!とこちらで食べられるようになるという話も納得だ。
小池さん
この新鮮でピカピカのホルモン、なかなかお目にかかれない。堪らないです! シマチョウの縞模様も美しいし、レバーのあずき色もずっと眺めていたくなります。驚くほど一切臭みのない、完璧な処理を施した特上ホルモンが6種類も食べられるのが盛り合わせの楽しさ。味噌だれに包まれたシマチョウの皮の歯切れもすごくいいし、ミノサンドのザクザク食感とぷりっとした脂のバランスも素晴らしい。味噌だれも実に考えられていて、期待をはるかに超えてきます。やっぱり凄いなぁ。
箸休め的にいただきたい「もつ煮込み」は、ホルモン焼肉で残った部分を上手く利用して生まれたメニュー。良質な和牛を余すところなく使うホルモンだからこそ、味わいは格別。臭みがないよう直腸を徹底的に下処理し、軽く下ゆで。にんにく、しょうがを利かせ、味噌ベースで煮込んだ一品はお酒にもよく合う。
東京食肉市場の卸問屋「肉の田じま」の直系店舗だからこそ叶う、高い経験値での肉選びと鮮度を活かす処理作業、黒毛和牛一頭買いで実現する、正肉と内臓肉を余すところなく使い切る本当においしい焼肉の提供。そのすべてのサイクルが顧客満足度の高さに比例している。いい肉に出会いたいなら間違いなく足を運ぶべき、小池さん推しの一軒だ。
※価格はすべて税込