赤坂にはあのグループのうなぎ店と若いコンビの“旨いものレストラン”が

お値打ちのうなぎを狙って早くも行列が

7月19日、鮨で有名な(株)ONODERA GROUPが、赤坂の一ツ木通り沿いにオープンしたのは「薪焼うなぎ 銀座おのでら 本店」です。5月の新店アドレスでは、表参道のラーメン「麺 銀座おのでら 本店」を紹介しましたが、今度はうなぎ。

うな重 並
うな重 並   写真:お店から

ランチにうかがったところ開店10分前で列の4人目。そしてオープン時にはずらっと行列が。1/2尾のうな重(並)が2,200円というのは、だいぶお得な値段です。国産の養殖ものを薪火で仕上げるうなぎは、蓋を開けた瞬間に食欲を刺激する香りが漂います。タレは甘みを感じるオリジナル。普通に食べてももちろんおいしいですが、ご飯に卓上の山椒を振り、小皿の甘酢しょうが(いわゆるガリです)をのせ、そこにうなぎを被せて食べてみてください。おすすめです。ちなみに夜は多彩なサイドメニューとお酒を楽しめるようです。

フレンチと和の“ちょうどいい”融合

「Restaurant イト」は同じく赤坂の雑居ビル4階に5月20日にオープンした“旨いものレストラン”です。4月に永田町に移転した「CHIUnE」で出会った、共に愛知県出身の若きフレンチと和の料理人がタッグを組み、アラカルトを中心とした料理を提供します。

イトシチュー 出典:みすきすさん

双方の技法が合体した結果がイノヴェーティブではなく、魅力的でわかりやすい料理になっているのがいいところ。ぜひカウンターでシェフと会話を楽しみながら食べたいものをオーダーしてください。限定10食の「イトシチュー」は牛のすね肉に豚のミンチを入れて煮込んだ、シチューというより濃厚なハンバーグで、食べ応えありです。

フランス料理好きにたまらないアラカルトの2店

クラシカルなフレンチを気軽に

広尾駅からすぐのマンション2階に5月9日オープンした「Les six(レ シス)」はアラカルトで楽しめるビストロです。シェフは生まれも育ちも広尾という、41歳の丸山裕太さん。北海道の富良野に移転した名店「ル・ゴロワ」でも修業経験があり、メニューには同店の定番「グレープフルーツのプリン」が。ル・ゴロワファンは駆けつけるべきでしょう。

イワシとじゃがいものトゥルト 撮影:大木淳夫

イワシとじゃがいものトゥルト(パイ包み)、根セロリのレムラード、ベアルネーズソースのステーキといったクラシカルなフランス料理をカジュアルにいただける、うれしいお店ができました。

新店ながら既に安定感抜群

外苑前で5月27日にオープンした「tangent」もアラカルトのお店です。川島大輔シェフは「モナリザ丸の内店」「レストラン・ヒロミチ」などの人気店を経て、「ビストロ・ティロワ」で6年連続ビブグルマンを獲得した実力者。それだけにワンオペながら安定感は抜群。

イワシとじゃがいものパートブリック包み焼き 撮影:大木淳夫

「Les six」はパイ包みでしたが、こちらのイワシとじゃがいもはパートブリックの包み焼き。「ラ・ブランシュ」には「イワシとジャガイモの重ね焼き トリュフ風味」という大傑作がありますが、このふたつの食材は最高の組み合わせなのでしょう。メニューは多彩でどれも悩むほど魅力的。フレンチでアラカルトの素晴らしいお店が増えてきたことはなによりです。

常連になりたい実力派の和食店と使える創作居酒屋

ますます流行る? 「コース+α」スタイル

「白金 芯」は、イタリアン「ロッツォシチリア」などがある「四の橋」交差点付近のグルメエリアに、6月2日にオープンしたカウンターの和食店です。コース11,000円でまず5品を楽しんだ後、14品ほどある魅力的なアラカルトメニューから、好きな料理を追加でオーダーするシステム。「太いち」「銀座呑小路やま岸」なども同様で、この流れは広まりそうです。

えこだねこ
揚げ穴子と新生姜の土鍋ご飯   出典:えこだねこさん

ご主人の前田亮さんは香川県出身。1829年創業の名門仕出し料理店、京都「菱岩」で修業後に銀座「割烹室井」(現在乃木坂に移転)へ。その後「酒井商会」から系列の「創和堂」で料理長を経ての独立です。この前田さんのお人柄がよく、初めてでも安心して楽しめます。高額化が進む日本料理ジャンルの中で、うれしいお店ができました。

圧巻のビジュアル! 麻婆チャーハン

7月1日、六本木にオープンした「八味(Yummy)」は、極めて使い勝手のいい創作居酒屋です。店内にはなんとドッグルームあり、小型犬同伴OK。VIPルーム、コンパクトながら居心地のいい4人向け個室、さらにカウンターも。

八味麻婆チャーハン 撮影:大木淳夫

料理長は「TVチャンピオン」のお好み焼き選手権で優勝経験のある「どれ味」創業者の平野信英さん。ですので「TVチャンピオンのどれ味焼き」というメニューもありますが、個人的には中央の麻婆豆腐をチャーハンがのったレンゲがぐるりと囲む「八味麻婆チャーハン」に痺れました。ちなみにお茶目な平野料理長のおすすめは、某有名俳優が絶賛したという「くるみ蕎麦」です。スタッフもフレンドリーで、グループで訪れると相当盛り上がると思います。

人気中華の肉まん店とオーストラリア発の映えるどんぶり専門店

モダン町中華が生み出した、魅惑の肉まん

富士桜ポーク肉まん、パクチーまん、塩あんまん 撮影:大木淳夫

7月8日、代々木上原にオープンした「REI STEAMED BUN」はテイクアウトの肉まん店です。同エリアで2020年に開業し、モダンな町中華として人気の「REI Chinese restaurants」の新業態。富士桜ポーク肉まん(400円)、パクチーまん(420円)、塩あんまん(380円)を購入しました。冷蔵なので電子レンジや蒸し器で温めていただくスタイルです。餡はさすがのクオリティとボリューム。特に割った瞬間、その香りにうっとりするパクチーまんは驚きでした。製造が追いつかないということで売り切れだったキーマカレーまんもぜひ次回は食べたいところ。近所にはロケ弁で有名な「金兵衛」や、「食べログ パン TOKYO 百名店」の「Boulangerie et Cafe Main Mano」もあるので、お持ち帰りグルメは代々木上原、おすすめです。

映えと味を両立、オリジナリティあふれる丼

6月30日、表参道にオープンした「Juan Bowl & Tea Tokyo」はオーストラリア・シドニー発のオシャレな丼専門店です。オーナーシェフの石黒杏奈さんは、シドニーで2017年にこちらの1号店を開き、行列ができるほどの人気店になったそうです。

初代タタカエラーメンマン
くちどけポークとんかつ御膳   出典:初代タタカエラーメンマンさん

丼は和牛、鰻、とんかつ、海南鶏飯の4種。とんかつ御膳とペアリングのオーガニックレモンマートル茶をオーダーしましたが、どの丼もオリジナリティに溢れているので、あと3種もぜひ食べてみたいと思いました。2人以上で行ったほうがいいかもしれません。

※価格は税込です

文:大木淳夫