〆は豪華にシャトーブリアン定食!
メインはヒレの女王様「シャトーブリアン」です。肋骨の内側にあり、非常にやわらかく脂肪がほとんどない赤身肉であるヒレは「サイドマッスル」「テート」「シャトーブリアン」「ミニョン」の4つの部位に分けられます。特に1頭から3%しか取れない「シャトーブリアン」は、繊細な口当たりと脂は感じないのに上品なうまみのある最高級部位。それを炭火で表面はカリッと、中はしっとりとやわらかく焼き上げます。
肉が焼き上がる直前に炊き立ての土鍋ご飯が披露されます。蓋を取ると湯気が立ち上り、ご飯のいい香りが鼻腔をくすぐり、〆だというのにいくらでも食べられそう!
ご飯をよそうため土鍋は一旦下げられると、焼き上がった「シャトーブリアン」が供されます。使用するのは黒毛和牛の雌と決めていますが産地にはあえてこだわらず、その時の最高においしい牛を厳選しているそう。
なんと美しい焼き色なのでしょう。これが岡﨑さんの理想とする焼き上がりです。まずは何もつけずに肉本来の味を楽しみます。繊維を断つように切り付けた肉はやわらかくなめらかで、噛みしめるとうまみに加え、炭の香りがふんわりと広がってきます。この圧巻の仕上がりに、ただ頷くばかりです。
こだわりの米は岐阜県飛騨の田んぼで突如発見された「龍の瞳」の原種である「いのちの壱」です。その中でもこのこめは滋賀県信楽の標高450mの山の中に田んぼがあり、水がまったく汚染されず寒暖の差が激しいため甘みとうまみがとても強く、苗の間隔を広く植えることで根まで日が当たり、粒も普通の米の1.5倍ほどの大粒に育つそうです。もっちりとして弾力のある、白飯にはもってこいの味です。
「シャトーブリアン」が供されると、ほどなくご飯と赤出汁と香の物が登場し、超贅沢な“定食”が完成します。肉だけ頬張るも良し、丼にするのも良し、自分好みのスタイルで堪能します。食べ終わると茶碗の底には牛の絵が現れ「おいしかったでしょ」と言われているようでクスリと笑ってしまいます。
どうしてこんなにおいしく焼けるのかを問うと「たまたまです」と言うけれど、経験に驕ることなくおいしくするための努力を怠らない姿勢が、満足度を上げているのです。銀座に移転してさらに輝きが増した「おか﨑」にこれからも目が離せません。
※価格は税込