ハンバーガーがジャンクフードの筆頭格と言われたのも今は昔。日本のグルメバーガーが市民権を得るなかで、未来の名店候補が4月3日、広尾にオープン! 黒毛和牛のパティを使い、バンズやソース、ポテトにまで徹底的にこだわり抜いたハンバーガー専門店は行列必至。バーガー好きなら、真っ先にチェックして、本能をわし掴みにされるような味わいを楽しもう!

教えてくれる人

小寺慶子

肉を糧に生きる肉食系ライターとして、さまざまなレストラン誌やカルチャー誌などに執筆。強靭な胃袋と持ち前の食いしん坊根性を武器に国内外の食べ歩きに励む。趣味は一人焼肉と肉旅(ミートリップ)、酒場で食べ物回文を考えること。「イカも好き、鱚もかい?」

活気あふれる広尾商店街でハンバーガーの名店を目指す

店は広尾商店街から一歩入った路地に。ガラス張りの外観が目をひく

現在の賑わいからは想像できないが、かつては乳牛を飼育するファームがあったという広尾商店街。あらゆる飲食店が軒を連ねるとあって、ここで商売をするということは競争率もおのずと高くなる。一方で、グルメハンバーガーの名店や甘味の老舗など昔から愛され続ける店があるこの場所に、4月3日にオープンするのが「TEDDY BROWN」だ。

「お客様とスタッフが居心地のよい空間に」とシンプルモダンなつくりに。モルタルに日本の緑の石を混ぜた洗い出しの床も印象的

焼肉店など飲食経営の経験が豊富なオーナーとスタッフが「いちから名店を作り上げる」という気合いのもとにハンバーガーの研究を重ね、自分たちにしかできないオリジナルのおいしさを追求したという。

左から、スタッフの川西祐貴さんと古田泰智さん。「ハンバーガーの名店と呼ばれる日を目指して全力で頑張ります!」

多店舗の人気焼肉店を手がけたオーナーとあって、牛肉の扱いや知識には自信があったが、ハンバーガー専門店は未知の世界。一過性のブームで終わらず、カルチャーとして根づく店を作るためにはどうしたらいいかとスタッフとともに話し合いと試作を繰り返した。

飽くなき情熱が生み出した、ここでしか味わえないハンバーガーとは?

パティは「最初から黒毛和牛100%と決めていた」とのこと。スマッシュしながら、脂でまわりを焼き固める。香ばしいパティの香りに食欲が増進!

日本のグルメバーガーとして勝負をするなら、やはりパティは黒毛和牛。脂質の多い部位と赤身をバランスよく配合したパティは、重量180gと大盤振る舞い! 鉄板で脂を落としながら表面をカリッと焼き上げるスマッシュ製法で仕上げるパティに合うバンズを作ることが、今回のオープンに際しての最重要課題であったという。「これだけ素晴らしいハンバーガーショップがあるなかで、自分達が美味しいと思えるバンズを開発できなければ、ハンバーガービジネスをやることは難しいのではないかと感じたんです」とオーナーは熱を込めて語る。

店名の由来にも!? 初体験のバンズの食感に思わず驚く!

トライアル&エラーを繰り返し、完成したのは北海道産小麦のゆめちからと種子島のきび砂糖を使用した完全無添加のバンズ。焼成時間が一般的なバンズに比べて1.3倍ほどかかることから表面には美しいブラウンの焼き色がつく。これが店名の由来にもなっており、苦労を重ねて作り上げたバンズだからこそ「ブラウンという言葉を使いたい」という思いが強かったという。当初はブラウンズという店名を考えていたが、商標が取れず、熊みたいな焦茶色のバンズなので、テディベアのテディとブラウンを合わせて、テディブラウンにした。テディブラウンについて調べてみると、1930年代のアメリカで活躍したイギリス人のテディ・ブラウンという音楽家が存在したことを知り、ハンバーガー屋にぴったりのキャラクターだと思いイラストを描いた。

手際よく盛りつけられるハンバーガー

ふわっとエアリーだが、180gの肉や卵サラダなどのホールド力も抜群でみっちりと目がつまっているため、口どけと引きのよさを両立。ハンバーガーを食べ歩いている人でも「これは新食感!」と驚くに違いない。