Best New Entry受賞店をご紹介

2025年1月29日に発表された「The Tabelog Award 2025」。初めてノミネートされた店舗の中でも特に「食べログユーザーから注目されている店」に贈られる「Best New Entry」を受賞したお店を紹介していく本連載。2021年に京都・岡崎にオープンし、連日予約が困難な「日本料理 研野」をご紹介。

料理ごとにBGMが流れる割烹 

京都・岡崎に2021年に開店した「日本料理 研野」。オープン時から話題となり、料理ごとに異なるBGMが流れ、1本の映画を見ているようなストーリー性のある体験ができるカウンター割烹として、予約困難な状態が継続中だ。

店は岡崎エリア、平安神宮近く

店主の酒井研野さんは、1990年生まれで青森県出身。「人に喜んでもらうことが好き」と、料理人を志したという。調理師学校卒業後、日本を代表する料亭「菊乃井」へ。10年間研鑽を重ね、関連店「無碍山房 サロン・ド・ムゲ」では料理長も務めた。独立前には自分の引き出しを増やすために、ニューヨークのレストランで働き、イノベーティブ「LURRA°」や中国料理「京 静華」で、日本料理以外のジャンルの料理を学ぶなど約2年間、独自の修業を積んだ。

料理はコースのみの一斉スタートで、10品ほどがいただける。生粋の日本料理である造りや八寸、中国料理のエッセンス溢れるラーメンや七輪で炙るチャーシューなど、緩急ある品々が供される。「来店してお帰りになるまでの約2時間半、とにかく良い時間を過ごしていただきたいのです。おいしい料理はもちろん、気持ちよく過ごしていただけるよう、細部に至るまで行き届くように心がけています。料理や季節に合わせたBGMを流すことや、文化や習慣、季節を感じられるなど、記憶に残るような体験をしていただきたいですね」(酒井さん)

音楽好きの酒井さん。お客様の年齢層や様子を見て、DJさながらその場でBGMのセレクトを変えることも

開店から4年を迎えて、より料理への解像度が上がったとのこと。どうしたらおいしくなるか、味について常に考えてきた結果だと話す。また「変わりゆく美しい風景を見ながらのジョギングが良いですよね。マラソンはしんどいです」と。その例え通り、食べ疲れさせないこと、特に塩味とうまみに配慮し“しみじみおいしい”料理を目指す。

カウンター8席のみ。予約は毎月1日にインターネットにて開始だが、瞬時になくなることも

「Best New Entry」はありがたいこと

「Best New Entry」受賞に関しては、授賞式には不参加だったため「素直にうれしいですし、インスタのストーリーを見て知って、びっくりしました」とのこと。「実際に当店を使ってくださる方からの評価はありがたいことです! お客様から“おめでとう”という言葉をいただきましたよ」と話す。