〈食べログ3.5以下のうまい店〉

グルメなあの人にお願いして、本当は教えたくない、とっておきの「3.5以下のうまい店」を紹介する本企画。今回は、京都在住のライター・中井シノブさんが薦める、本格派韓国家庭料理酒場をご紹介!

教えてくれる人

中井シノブ

京都在住ライター。京都を中心に関西の飲食店を取材紹介する。取材店は1.5万軒以上。趣味は外飯、外酒、猫とまったり。「あまから手帖」でコラム記事を連載中。

まるで、ソウル! 韓国の料理と空気感を満喫できる定食酒場

昭和初期の建物を改装した店舗は、レンガ造りの民家

繁華街からもすぐの寺町高辻。レンガ造りの外観に惹かれて近づくと、看板には「하하하」の文字。ここが飲食店と知らなければ、扉を開けるには少し勇気がいるかもしれません。ここは、2021年に開業した韓国家庭料理店。店主の全敞一さんは「京都の街中には、昼から飲めるような定食屋があって。こんな店を韓国料理でやってみたいと思った」と言います。

日本家屋の建具はできるだけ残しているのに、韓国テイストが際立つ店内

店内は、タイル張りのカウンターとテーブルの1階席、3人以上なら料理をたくさん注文して広げられる2階のテーブル席もおすすめです。素朴な風合いが残っているのに、オシャレ感があるのは、全さんが「できるだけ韓国のお店に近づけたい」とタイルや家具なども取り寄せ、インテリアにも工夫を凝らしたから。店に入った途端、まるでソウルに居るような気分になります。

定食などのほか、季節によって加わる料理も

メニューは、全さんが「定食で飲める店」というだけあって、メインは定食3種。ぜんまいと豚肉を細かくさいて煮込んだチェジュ島の郷土料理「コサリ ユッケジャン」や、たっぷりとエゴマ粉が入ったとろみあるスープの定食「トラン トゥルケタン」など。他にも、アラカルトで、茹でたこ、大根の蒸しナムル、ゆで鶏のヤンニョンのせなど、ご飯にもお酒にも合うメニューが並びます。

定食も一品料理もあれこれ注文して韓国旅さながらのグルメを満喫して

定食とアラカルトをテーブルいっぱいに並べて豪華に

昼から夜までの通し営業だから、健康的な昼ごはんに、サクッと昼飲みに、夜ごはん前のむしやしない(軽食)にと、自由に使えるのもいいのです。料理はいずれも、思った以上にあっさり味。韓国料理は、辛い、濃いというイメージが覆ります。