【カレーおじさん \(^o^)/の今週のカレーとスパイス#155】「ワルンルンパ 荻窪店」
カレーの大人気店や行列店が複数存在している荻窪にまた新たなカレーのお店ができました。このカレーが非常に興味深い形で、インドネシア料理をスパイスカレー仕立てで作ったというもの。しかも作っているのはインドネシア人。さらにこのお店は沖縄から移転してきたのだそうです。店名は「ワルンルンパ 荻窪店」。
荻窪店とつくのは、4月から沖縄でもお店を再開する予定であり、その前に荻窪でスタートしたということもあるからでしょう。
店内はおしゃれで落ち着いた雰囲気のカウンター席。1人か少人数で行くのに良さそうです。
店名を冠した「ワルンカレー」1,500円は、選べる2種のカレーと、他に副菜がつく形。牛すじカレーとエビ出汁カレーをセレクトして注文しました。
「サンバルはつけますか?」と聞かれたので「是非!」と。南インドのサンバルは野菜カレーですが、インドネシアのサンバルは辛味ペーストのこと。実は英字表記すると南インドのサンバルは「sambar」なのに対してインドネシアのサンバルは「sambal」となり、綴りが違うのですがこちらのサンバルは当然sambal、つまり辛味ペーストのことです。
提供されたワンプレートはまさにスパイスカレー的なルックス。まずは牛すじカレーを食べてみるとこれはインドネシア料理のルンダンを元にしたもの。ココナッツミルクの甘みと牛すじのうまみがスパイスと調和しており、ご飯にもよく合うカレーに仕上がっています。
エビ出汁カレーはインドネシア料理のスプイカンを元にカレーに仕立てたもので、エビのうまみが凝縮した出汁カレーとなっていてとても楽しいです。
牛すじカレーはインドネシア料理により近く、エビ出汁カレーはスパイスカレーにより近いという着地点の違いも興味深いです。
サンバルは赤唐辛子のサンバルと青唐辛子のサンバルの2種。辛みと酸味のバランスが良くカレーは2つともインドネシアらしく甘みがあるものだったので、サンバルで味をキュッと引き締めて食べるとさらにおいしさの輪郭がしっかりと感じられました。
青唐辛子のサンバルはかなり辛さが強いのですが「シークワーサーラッシー」300円を飲めばその辛さも落ち着き、シークワーサーの爽やかな酸味によって味もリセットできてこちらのカレーと好相性の飲み物でした。シークワーサーというのが、こちらが元々沖縄のお店だったことを感じさせるのも良いです。
取材時はまだメニューに無かったのですが、2月後半からディナータイムにはサテ(肉の串焼き)やガドガド(温野菜のピーナッツソースがけ)のようなインドネシア料理も楽しめ、カクテルメニューもスタートするということでスパイス飲みにも使える形に進化します。
インドネシア人店主、日本人スタッフのお二人とも優しくにこやかでとても雰囲気の良いお店です。会計後、インドネシアの飴をサービスしてくれてうれしい気持ちになりました。
インドネシア人が作るスパイスカレー仕立てのインドネシア料理。インドネシア料理好きも、スパイスカレー好きも、要チェックの新店舗です!
※価格はすべて税込