ジャンルを超えた宮永久嗣さんの料理を、価格も料理も流動的なおまかせコースで。その世界観をワインとともに味わえる新店がオープンした。
ワインバーというスタイルを確立
「1年前に大阪に帰って来て、この店は2月から始めました。おまかせで料理を作ります。その時々、いらした人に合わせて作るので、メニューはオートクチュール。それぞれ違いますよ」と笑うのは、宮永久嗣さん。「クロ・ド・ミャン」のミャンさんだ。
大阪・北新地「クロ・ド・ミャン」といえば「仕事帰りに通った!」という人も多いのでは? 2000年ごろ、がっつり本格的かつオリジナルな料理とワインが楽しめるワインバーの先駆者的存在として話題となり、常にカウンターはにぎわいを見せていた伝説の一軒だ。
宮永さん自身も神戸「ジャン・ムーラン」で経験を積み、心斎橋「アンジェロ・パラクッキ」の立ち上げメンバーとして経験を積む。その後、「クロ・ド・ミャン」で独立後、銀座にも開店。赤坂「アムリット」など常に話題の店をけん引してきた。「ソムリエでワインに詳しくて料理ができて、生産者や料理人も知っているから“立ち上げ屋さん”って言われることも。これまで6、7軒の店の立ち上げにかかわりました」
再び大阪で味わえる“ミャン料理”
店は天満橋駅から徒歩5分。カウンター6席、テーブル6席を宮永さんがひとりで切り盛りする。「もともと食材は西のものが多いんです。魚介は明石浦漁港から、野菜は広島県の山本農園からが主。最近はマグロを中央市場から仕入れ始めました」。各地の生産者から素材を厳選して使うスタイルは今も健在。「修業先のジャンルから、フレンチ?イタリアン?とずっと言われてきましたが“ミャン料理”です」