〈2025 食通が惚れた店〉

前年に引き続きインバウンド需要は高まりましたが、飲食業界も物価高騰の波に押され、それでも負けずに踏ん張った大荒れの1年でした。

そんな2025年に、グルメ情報を熟知した有識者が惚れ込んだお店や料理についてアンケートを実施。「最も印象に残った店」「3,000円以下のお手軽グルメ」をうかがいました。

今回は、大阪在住のフードライター・船井香緒里さんにお答えいただきます。

教えてくれる人

食通たちが、2023年に惚れ込んだ名店や極上の一皿をご紹介。フードライターはなともさんをうならせたスイーツとは?

船井香緒里
福井県小浜市出身、大阪在住。塗箸製造メーカー2代目の父と、老舗鯖専門店が実家の母を両親に持つ、酒と酒場をこよなく愛するヘベレケ・ライター。「あまから手帖」「dancyu」「BRUTUS」などでの食にまつわる執筆をはじめ、「dancyu.jp」で連載「大阪呑める食堂」を担当。食の取り寄せサイトや、飲食店舗などのキュレーションもおこなう。「Kaorin@フードライターのヘベレケ日記」で日々の食ネタ発信中。

2025年のベストレストラン

Q. 2025年、最も印象に残った飲食店と料理を教えてください

A. 「viteraska」の「油かす トマト ラグサーノ 手打ちキタッラ」です

外観
外観   写真:お店から

大阪南部・羽曳野市にある「古墳ビュー」のイタリアンレストラン。塩野シェフの祖父の生家である、築150年の日本家屋をリノベーションしています。大きな窓の向こうには、世界遺産「古市古墳群」の一つである「白鳥陵古墳」を望むロケーション。

調理風景
調理風景   写真:お店から

地元・羽曳野の旬野菜を味わえるコース料理。その中の、プリモピアットが「油かす トマト ラグサーノ 手打ちキタッラ」。羽曳野の特産・油かす(牛の腸を油でじっくり揚げたもの)がパスタ料理に! 塩野シェフは、ナポリの豚加工品「チッチョリ」からインスピレーションを受け、油かす入りのトマトソースを発案。コシ強めなキタッラは噛むほどに味わい深く、ラグサーノ(チーズ)のコクと油かすの旨みがいい感じに絡みます。この地域ならではの食文化を、イタリア料理で具現した素晴らしい一皿。

アンダー3,000円のお手軽グルメ

Q. 2025年に食べた〈3,000円以内の感動の味〉を教えてください

A. 「CHICKENHeart」の「黒黒白チキンセット」1,800円です

チキンは白と黒の2種類があり、お好みに応じて3個を組み合わせる 写真:船井香緒里

ここは、パティシエとパン職人が本気で挑んだ“鶏唐揚げ専門店”。「パティスリーエトネ」の多田征二シェフと、御影の人気ベーカリー「ブーランジェリー ビアンヴニュ」の大下尚志シェフがタッグを組み、惜しまれつつ閉店した六甲の名店「チキンハート」のレシピを継承し、見事に復活させました。

使うのは朝引きの但馬どり。刺身でも食べられるほどの鮮度を誇り、独自配合のスパイス衣をまとわせ、100%ピュアオリーブオイルで揚げています。化学調味料・卵・小麦粉不使用という点も魅力です。

おすすめは「黒黒白チキンセット」。ムネの白は塩ベースで驚くほどしっとり、モモの黒は醤油とスパイスが利いた力強い味わい。食べ比べの楽しさも抜群! 事前予約のテイクアウトはクリスマスにも重宝します。

食べログマガジンで紹介したお店を動画で配信中!
https://www.instagram.com/tabelog/

※価格は税込です。
※アンケート内容と「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名・金額を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:船井香緒里、食べログマガジン編集部