今月はフレンチ、イタリアン、焼肉、居酒屋、パンなどの注目店が目白押しです。

教えてくれる人

大木淳夫

「東京最高のレストラン」編集長 
1965年東京生まれ。ぴあ株式会社入社後、日本初のプロによる唯一の実名評価本「東京最高のレストラン」編集長を2001年の創刊より務めている。その他の編集作品に「キャリア不要の時代 僕が飲食店で成功を続ける理由」(堀江貴文)、「新時代の江戸前鮨がわかる本」(早川光)、「にっぽん氷の図鑑」(原田泉)、「東京とんかつ会議」(山本益博、マッキー牧元、河田剛)、「一食入魂」(小山薫堂)、「いまどき真っ当な料理店」(田中康夫)など。 
好きなジャンルは寿司とフレンチ。現在は、食べログ「グルメ著名人」としても活動中。2018年1月に発足した「日本ガストロノミー協会」理事も務める。最新刊「東京最高のレストラン2023」が発売中。

若手注目のフレンチと、三つ星シェフのクラシカルかつ最先端のフランス料理店

早くも行列のできる赤羽フレンチ

 MightyDV
「odorat」   出典: MightyDVさん

まずは7月27日にオープンしたカウンターフレンチ「odorat(オドラ)」。「オマージュ」「フロリレージュ」といった名店で修業し、29歳で神楽坂「レストランアロム」のシェフに指名された永瀬友晴さんのワンオペ店です。

「odorat」 写真:大木淳夫

場所はシェフの地元・赤羽。季節感を大切にしていて、私が訪れた日は果実、ハーブなどを巧みに使って、前菜の鮎からメインの鹿に至るまで、夏の爽やかさを見事に表現。昼は開店前に修業した「スパイスカフェ」仕込みのカレーを提供していて、こちらは早くも行列ができているようです。赤羽にフランス料理の風が吹いています。

ラグジュアリーホテルのメインダイニングがリニューアル

「アジュール フォーティーファイブ」 写真:大木淳夫

フレンチは大御所も活躍です。8月6日、六本木の高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン東京」のメインダイニング「アジュール フォーティーファイブ」が大リニューアルをしました。フランス三つ星シェフの小林圭氏を監修に迎え、伝統的なフランス料理を現代風にアレンジ。シェフは「エスキス」を経て「シックプッテートル」でとんでもなく旨い料理を作っていた村島輝樹氏。「ザ・東京」と言いたくなる夜景と共にパリが香る料理をお楽しみください。ドイツ、フランスで10年修業したペストリーシェフ小堀真弓さんのデセールも絶品です。

圧巻! 30種を一皿にしたイタリアンとキャンティ出身の旨いもの屋

30種の野菜が一皿に! 驚愕の前菜

「GIFT」インサラティッシマ
「GIFT」インサラティッシマ   写真:お店から

イタリアンでは7月25日、麻布十番に「GIFT」がオープンしました。目黒の人気店「リナシメント」の姉妹店で、なんといっても圧巻は30種の野菜が一皿に盛られた「インサラティッシマ・ギフト」という前菜。それぞれがひとつの料理のごとく完成されていて、メニューに書いてある順番に沿って食べていくのがお店のおすすめ。これがおいしいだけでなく、とんでもなく楽しいんです。まるでトランプの宝探しゲームのようで、自然に会話も弾みます。最近、世の中的にレストランから会話が減っている気がしていたのですが、これなら絶対に盛り上がるでしょう。まさに素敵な贈り物ですね。

イタリアンの枠にとらわれない“旨いもの屋”

「料理とお酒おきなや」ポレンタのコロッケ 写真:大木淳夫

8月10日には世田谷線・松陰神社前に「料理とお酒おきなや」がオープンしました。オーナーシェフの清宮丈雄さんは、飯倉の歴史的イタリアン「キャンティ」で10年修業。とはいえ、イタリアンの枠にとらわれず、心地よい「旨いもの屋」を目指しています。そんなわけで最初に薦められるのは特製レモンサワー。ワインはナチュラルで4,000円台から。

「料理とお酒おきなや」プリン 写真:大木淳夫

野菜の味を強く感じるサラダ、ポレンタのコロッケ、キャンティの名物リスペクトのプリンなどと、清宮さんの人懐っこいキャラクターで人気になりそうです。

人気イタリアンの焼肉店、老舗製麺所のラーメン、香港から上陸したハイセンス居酒屋

人気イタリアンが表参道に焼肉店をオープン

「焼肉もちお」 写真:大木淳夫

8月10日、表参道にオープンした「焼肉もちお」は、外苑前の人気イタリアン「malca」が出した焼肉店です。北野司シェフが修業時代から構想を温めていたとのことで、malcaで信頼関係を築いた生産者から純血但馬牛を一頭買い。濃厚な味が楽しめます。

「焼肉もちお」もちお冷麺
「焼肉もちお」もちお冷麺   写真:お店から

サイドメニューは、早くも大人気のモッツァレラチーズのキムチや、岡山の有名な「冨士麺ず工房」の麺を使った「もちお冷麺」など充実。実は夜が早い表参道において、深夜2時まで営業の焼肉店は極めて貴重。兄でマネージャーの黒澤英吾さんとのタッグで、さらに快進撃が続きそうです。

鰹昆布水に浸された麺をそのままで

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「富喜製麺研究所 六本木店」のどごし生麺 1,300円   出典:mostovoiさん

こちらはなんと22時間営業。8月4日、六本木に創業明治35年の熊本の老舗製麺所「富喜製麺所」が手がけるラーメン店「富喜製麺研究所六本木店」がオープンしました。開店3日後に訪れましたが、店の前には祝花が30本以上というすごさ。看板の「鰹昆布水のどごし生麺」は、テーブル上の食べ方の指示では、最初は麺だけをそのまま、次に藻塩を加えて、さらにつけ汁につけて……と、その通りに食べましたが、メニュー名に偽りなしの素晴らしい食感でした。

香港から外苑前に上陸したIZAKAYA

「CENSU TOKYO」 写真:大木淳夫

そして7月12日、香港から外苑前に上陸したのが「CENSU TOKYO」です。“イノヴェーティブIZAKAYA”とでも呼びたくなるようなお店で、きっと海外のハイセンスな居酒屋はこんな空気感だろうなと思わせてくれます。オーナーシェフは香港の本店のオープニングにも関わった金須郁幸さん。まだ30歳ながら、名門「タテルヨシノ」や「シンシアブルー」で修業。

yama san
「CENSU TOKYO」海南チキンパエリア 写真:大木淳夫   出典:yama sanさん

フレンチの確かな技術に香港のセンスを吹き込んだ料理は、おいしさと驚きが同居しています。締めにはド迫力の「海南チキンパエリア」をぜひ。

東京駅には北海道ならではのネタが楽しめる寿司店と、魅力的メニューの英国パブが

毎月のように新店がオープンする東京駅ですが、そのグランスタ八重北地下1階に、今月も注目の2店が。

新千歳空港の立ち食い寿司店が上陸

Belle_colline
「札幌魚河岸 五十七番寿し」   出典:Belle_collineさん

まずは8月4日の「札幌魚河岸 五十七番寿し」です。新千歳空港の有名な立ち食い寿司店が東京駅に初進出しました。店内はカウンター、テーブル、立ち食いの3つのスタイルで、時不知やほっけ、にしんなど、北海道ならではの握りが楽しめます。注文は、各席に設置されたタッチパネルで。肉厚の時不知、おいしかったです。うにの食べ比べなどもありますし、東京駅はカジュアル寿司の激戦区ですが、注目を集めそうです。

表参道の人気店が移転

浜崎龍
「英國酒場 Shake&Chips」フィッシュアンドチップス   出典:浜崎龍さん

8月17日には、その隣にガストロパブ「英國酒場 Shake&Chips」がオープンしました。表参道の人気店がこちらに移転です。同じく八重北B1の高級クレープ「パーラ」と同系列で、名物はシェイクとフィッシュアンドチップス。それだけでもそそられますが、黒板に書かれたメニューがまた魅力的。「鰯のセウタ」「牡蠣とカリフラワーのグラタン」など、すごくいいなあと思ったら、メニュー開発はかつて代官山「アタ」で大活躍していたミキちゃんこと小高未来さん。それは旨いに決まってるなと。うれしい驚きでした。

ネパール餃子とワイン、スリランカカレーと紅茶

ソースも絶品のモモとワイン

「MOMO Stand Tokyo」ポーク 写真:大木淳夫

エスニックも元気です。広尾商店街には8月10日、ワインバー「MOMO Stand Tokyo」がオープン。なんとネパール餃子のモモとワインを楽しむ店です。餃子とワイン、点心とワインなどが流行していて、今度はモモかと驚いたのですが、これがおいしい。現地で一番メジャーだというポーク(3個で850円)を頼みましたが、皮のもっちり感、スパイスのバランスもよく、なによりソースが旨い。ゴマと大豆のベースに大葉がアクセントになっていて、まるでスープ。飲み干しました。広尾らしいシンプルだけれど、センスのいい店内はカウンター7席。当たりの優しい男性がサービスを担当し、ネパール人のシェフが料理を作ります。

体に優しいスリランカ料理

「AYUR CEYLON Shibuya」アーユルプレート
「AYUR CEYLON Shibuya」アーユルプレート   写真:お店から

渋谷にはスリランカ料理店です。7月20日、スパイス料理とセイロンティーとワインの店「AYUR CEYLON Shibuya(アーユル セイロン シブヤ)」がオープン。経営はスリランカのオーガニック食材を販売する株式会社ロイヤル・リーフなので、体に優しい料理がいただけます。3種のカレーと三つ葉のサンボル、なすモージュ、マレーピクルスがのったアーユルプレートにドライフルーツのアイスティー、癒やされます。

カスタムカレーパン、焼きたてフィナンシェ、そしてゴディパン

最後はパンとスイーツを。

カスタム・カレーパンを楽しめる

「小麦の奴隷 浅草店」 写真:大木淳夫

8月1日、浅草「花やしき」そばに「小麦の奴隷 浅草店」がオープンしました。堀江貴文氏プロデュースの人気チェーンですが、元々、地方活性化を目的としているため東京にはほぼありませんでした。今回は東京仕様でカスタム・カレーパンのお店として登場。基本のカレーパンに、モッツァレラ、柴漬け、ベーコンなどの具材を3つまでトッピングできます。注文後、5分ほどで提供されるカレーパンは、イメージの1.5倍ほどの大きさ。独特のもちもち生地と充実の具材で食べ応え十分です。もちろん、有名な「ザックザクカレーパン」も購入できます。

焼きたてのミルフィーユをぜひ

食欲こそ生命
「ルノートル東京」季節のミルフィーユ   出典:食欲こそ生命さん

7月28日は東京駅新丸ビル1階に「ルノートル東京」が日本の旗艦店としてオープンしました。店内には焼きたてのお菓子を楽しめる厨房も併設。2人用テーブルが2つ配置されていて、焼きたてのミルフィーユをアシェットデセールとして楽しめます。店内で焼き上げるフィナンシェも、もっちりとした食感で、まさに王道の味わいです。

整理券配布の人気ぶり! ゴディバ初のベーカリー

えこだねこ
「GODIVA Bakery ゴディパン 本店」ショコラティエのカレーパン453円   出典:えこだねこさん

そして8月4日、有楽町交通会館1階にオープンした、ゴディバ初のベーカリー「GODIVA Bakery ゴディパン 本店」。大人気と聞いて行ってみましたが、もちろん買えず。親切そうなスタッフに聞いたところ、11時開店で整理券の配布は9時から。早い人は6時半から並ぶそうで、30~40分で配布は終了してしまうようです。ちなみに16時半からは整理券がなくても買えますが、こちらも行列の模様。ココア生地でコーティングされた「ショコラティエのカレーパン」。いつか食べてみたいものです。

※価格は税込。

※「食べログ」に掲載されている情報をもとに、料理名を掲載しています。最新の情報はお店にご確認ください。

文:大木淳夫、食べログマガジン編集部