〈New Open News〉
毎日、たくさんの新しいお店が登録されている「食べログ」。そんな「食べログ」のデータベースの中でも、オープン早々、高い評価の口コミがあったり、多くの「保存」をされたりしている『注目のお店』を食いしん坊ライターが紹介します。
澱々（東京・本郷）
2023年6月、春日駅から徒歩約3分のところにオープンした「澱々（おりおり）」は、ドリンク作家emmy氏によるアトリエ兼バースペース。アルコールフリーの創作ドリンクを中心にコース仕立ての飲み物と、菓子や甘味をいただけるお店です。
emmy氏は都内のオーセンティックバーで7年間バーテンダーとして勤務した後、アルコールフリーのオリジナルドリンクの表現に無限の可能性を見い出し、ドリンク作家としての活動を始めます。「バーテンダー」というとカクテルのイメージが強いため、より独創性のあるドリンクを提供する意味合いを込めて「ドリンク作家」としたそうで、現在はイベントやレストランにおけるドリンクメニューの監修のほか、全国各地で地のものを取り入れたドリンクの制作、デザイナーとともに文章や詩をテーマにしたドリンクの共同制作など、ドリンクをテーマに多岐にわたって活躍中の注目の人材です。
飲み物を通して見える情景や、時間の流れを伝えていく場所を作りたい。より継続的に、その世界観を体現できる場所を作りたい——そんな思いから「澱々」は誕生しました。
コンセプトは「素材の持つテロワールの記憶を、一杯の、ひとときの物語に」——オリジナルの創作ドリンクはバーテンダー時代に培った技術を駆使し、素材本来の持つ香りや味わいを重ねることで、季節の移ろいや物語を表現しています。
今回出店場所に選んだのは「本郷」。古くから文教地区として知られ、夏目漱石や樋口一葉といった多くの文豪たちが住んでいた場所。ここでなら「文化」や「歴史」といったストーリーをドリンクに取り入れることができると感じたのだそう。
店名に使われている「澱」は、液中の底にたまる「おり」のこと。さまざまな要素が凝縮され、重なっていく様子をイメージして命名したそうで、あえて欠けた部分のあるロゴにもこだわりが感じられます。
営業は平日を中心に月数回。オリジナルの創作ドリンクをゆっくり味わってもらうため、ワインを組み合わせたドリンクコースが提供時間帯ごとに2種類用意されています。
11:00～12:30のコースは「ドリンク3種×ワイン3種コース」（茶、菓子付き）9,900円。
13:30～16:00（90分制）のコースは「ドリンク4種×ワイン4種×甘味コース」（茶、土産付き）15,400円。
創作ドリンクとワインはそれぞれ交互に提供され、ワインは創作ドリンクやお菓子とも調和の取れるよう、酸味の穏やかなナチュールワインをセレクト（※ワインはいずれもノンアルに変更可能）。コース内に登場するあんみつは自家製で、ドリンクやワインとのペアリングを考えて甘さを計算。あんみつ好きなemmy氏のこだわりが詰まっています。
昭和初期建築が好きなemmy氏が縁を感じたという「古民家」。昼間の営業ながら、ゆったりと過ごせるように座席はカウンター5席のみ。店内は黒を基調としたシックな雰囲気にまとめられ、その美しい所作やゆったりとした時間の流れに、思わず日常を忘れそうになります。
都会の喧騒から逃れ、贅沢な時間を過ごすのにぴったりの新店。創作ドリンクの味わいが紡ぎ出す、素敵な物語に会いにいってみませんか。営業日やイベント情報等はSNSで事前に確認できるそうなので、チェックしてみてくださいね。
※価格はすべて税込
