冷やしでいただく、うどん麺は茹で時間がポイント

うどんは製麺処で有名な、岡山の鴨方地方の生の手延べうどんが使われている。小麦の優しい味わい、程よい柔らかさだけれど主張がしっかりとあるうどんだ。茹で時間は通常12〜13分(冷やしの場合は14〜15分)。夜の時間帯は注文を受けてから茹でるので、その間に一品料理をつまみながら茹で上がりを待つのがおすすめだ。

機械の製法ではなく、手延べならではの形をしている
熱湯に投入する前には麺がくっつかないように軽く揉んで入れる
冷やしうどんは茹で上がったら、すぐに冷水でしめるのがポイント
冷やしうどんのつゆをかけて具材をトッピングして完成

夏季限定のピリ辛でさっぱりとした「冷やしキムチうどん」

冷やしキムチうどん(1,155円)はランチ、ディナー共に注文が可能

こちらのメニューは毎年夏季限定で食べられる冷やしのうどん。例年5〜9月中旬ごろの期間で提供しているという。具材はキムチをメインに、蒲鉾や白髪ネギ、細切りのきゅうり、青ネギがのっている、ピリ辛であっさりとした味だ。キムチはうどんつゆとの相性を考え、辛味がマイルドであっさりとしたものを厳選しているとのこと。

 

秋山さん

キムチ自体が本格的で、シャキシャキネギと細切りキュウリの食感と、歯ごたえの良い蒲鉾のバランスが最高です。

つゆの出汁は昆布とカツオ節でとったもので、かえしを合わせる。加えて「冷やしキムチうどん」はつゆに、アクセントとしてごま油と酢をプラス。温かいうどんの出汁は、いりこと昆布でとる。温度感で出汁の旨みの感じ方が違うので、使い分けているのだそう。ちなみに、出汁はうどん以外のサイドメニューや提供される出汁醤油、自家製ゆずポン酢などにも使っている。

 

秋山さん

冷たい爽やかなつゆにキムチの酸味が溶け込んで、すっぱおいしいんです。

トッピングを追加注文して自由にカスタマイズ

練り梅110円、ばら干し海苔165円

うどんに好きなトッピングを追加して好みの味を探してみるのもおもしろい。練り梅、とろろ、ばら干し海苔などがあり、トッピングのクオリティにも妥協をしていない。練り梅は和歌山産の自然栽培で育てられた梅を塩のみで漬けている。海苔は三重県産の天然の状態で干した海苔で、より風味が強いものだ。ほかに、おぼろ昆布もコシと歯応え、味に深みがある富山産のものを使っている。冷やしキムチうどんにはばら干し海苔も合うそうだ。

 

秋山さん

更に酸味をプラスしたいときは、練り梅をトッピングしています。

サイドメニューで頼むなら老若男女に人気のだし巻き玉子

だし巻き玉子 935円

夜訪れた際にうどんと一緒にぜひ食べてみて欲しいのが、だし巻き玉子だ。相模原にあるコトブキ園の恵壽卵を使った濃厚でコクがある味わいの卵に、うどんにも使われている冷たい出汁つゆを合わせている。そのままでも出汁の旨みを存分に味わえるが、自家製の出汁醤油を大根おろしに少し含ませて食べると、醤油の香ばしさと出汁感が増して旨みが倍増する。

出汁にこだわり、うどんとサイドメニューにも、しっかりと出汁感をきかせて作る。どの料理を食べても、優しくてどこか懐かしい味にほっこりとさせられる。ディナーで訪れた時は、まずはだし巻き玉子やサラダなど一品料理や、「豚キムチうどん」など夜限定のうどんを食べてみて欲しい。また、新作のうどんやサイドメニューはまかないで好評だったものを中心に都度、提供しているそうなので、行くたびに楽しみが増えるかもしれない。

※価格は税込。

※月曜日は昼営業あり、土曜日は夜営業あり、定休日は日曜日のみ。

文:千葉英里、食べログマガジン編集部
撮影:千葉英里